横須賀の山の中にある「どう見てもただの一軒家」の中華まんが絶品って本当?
ココがキニナル!
横須賀の山の中(須軽谷)に看板を見つけました。中華まんを売っているようですが、どうみてもただの一軒家。冬には欠かせない中華まんなので、ぜひ取材してください(はんちゃんさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
須軽谷(すがるや)の中華まん屋さんでは、「末広」。初代の祖父母から3代目の孫へと受け継がれたとても美味しい中華まんを売っている!
ライター:やまだ ひさえ
横須賀市須軽谷(すがるや)。
横須賀市の中でも三浦市に近い場所にある須軽谷は、地元の人間なら「あそこね」と分かるが、あまり馴染みがないと言ったほうがいい場所だ。
赤で囲んだあたりが須軽谷
その須軽谷にあるという中華まんのお店は、三浦市在住の筆者の知人、友人でも知っている人が何人もいたが、詳しい場所が分からないという答えが返ってきた。友人たちの話を総合すると場所も分からないうえに店名も分からないので、行けないというよりたどり着けなかったというのが、本音のようだ。
そんなお店に取材に行けるのか。多少の不安はあるが、見つけなければ始まらない。
まず、ネットで該当するお店のHPを探したが、これが見つからない。それでもしつこくキーワードを変えながらようやくブログでお店の名前を発見。「末広(すえひろ)」だ!
しかし、肝心の須軽谷の住所が掲載されていない。
こうなったら地元民としての地の利を生かすしかない。
須軽谷といっても狭くはないが、探せるはずとネットの地図を検索。最大に拡大し、少しずつスクロール。少々目が疲れてきたところで、やっと発見!
あった!
これで幻の中華まん屋さんに行ける!
知られてはいるが、店名も不明、場所が分からなかったい中華まんのお店。好奇心を刺激されながら、須軽谷に向かった。
須軽谷は、三浦半島の内陸に位置している。
電車が通っていない陸の孤島のため、交通手段はバス。京浜急行の三浦海岸駅から行くのが一番便利だ。
京急の三浦海岸駅
3番線の京浜急行バスに乗る
3番線から発車するバスなら、どれでも須軽谷を通る。ただ、本数が少ないので気を付けたほうがいい。
下車するのは「宮ノ里(みやのさと)」というバス停。三浦海岸駅から10分ほどで着く。
宮ノ里のバス停
ここからは徒歩。バス停前にあるセブンイレブン横の道を入って行く。
セブンイレブンの横道を入って行く
道なりに歩くこと約5分。中華まんの看板が見えてくる。坂になっており、降ったところに「末広(すえひろ)」がある。
目印の看板
中華まんの末広
投稿にあったように本当に民家だ。看板はあるが、店舗にはなっていない。
玄関がそのまま店舗(?)
玄関内に看板があった
入って直ぐ右手に看板。ここで間違いない。
末広の初代、太田信義(おおた・のぶよし)さんの奥さま、瀧子(たつこ)さんが出迎えてくれた。残念ながら信義さんは体調を崩していてお会いできなかったが、瀧子さんは、元気で明るいチャーミングなおばあちゃんだ。
82歳になる瀧子さん
末広は、信義さんと瀧子さんが戦後まもなく横須賀市安浦町で開いた中華料理店。須軽谷の家は、太田家の実家になる。
中華末広 (横須賀市安浦町2丁目)
中華まんは、元々、年末になると末広の店先で販売していた冬の名物だった。その味を、引き継いだのが3代目になる孫の信広(のぶひろ)さんだ。
中華まんを受け継いだ信広さん
2005(平成17)年に須軽谷の自宅の一角に作業場を作り、信義さん、瀧子さんとともに製造と販売を行っていた。
しかし、2008(平成20)年に信広さんが中華まんの専門店を安浦にオープン。
製造と販売の拠点は移したが、今でも、須軽谷の自宅に足を運ぶ人は多いという。そのため安浦のお店で作ったものを常備している。
須軽谷での販売は今も瀧子さんが担当
玄関が売り場を兼ねている
瀧子さんいわく、信広さんが作る中華まんは、初代に匹敵する味とのこと。工夫し、改良を重ねながら同じ味を作ってくれたと、嬉しそうに話してくれた。