桜の名所・瀬谷区海軍道路、桜の木を一気に伐採する理由は?
ココがキニナル!
海軍道路の桜の木に伐採予定と張り紙がされてる。桜並木がなくなってしまうのか/桜並木の桜が何本かが撤去となります。切り落とされるのか解りませんが移植とか不可能なの?(ちゃたろうさん/fire_jiさん)
はまれぽ調査結果!
海軍道路の桜は、地域への説明を経て環状4号整備に必要となる約50本が伐採される予定。2016年3月末に開通予定。新たに桜を補植する計画もある。
ライター:吉澤 由美子
海軍道路の桜伐採
海軍道路といえば、約3kmにわたって続く直線道路に約450本もの桜が植わっているというお花見の名所。瀬谷区のホームページでも大きく紹介されている。
これほど長い直線で満開の桜を楽しめる場所はそうないはず(提供:瀬谷区役所)
その桜が環状4号線の整備に伴って伐採されるらしい!?
伐採予定の桜の木に貼られたお知らせ(見本)(提供:横浜市瀬谷土木事務所)
2015(平成27)年6月に上瀬谷通信施設が返還されたが、横浜市「米軍施設返還跡地利用指針」の概念図にも、海軍道路の部分にはっきり「桜並木の保全」と明記してあったはず。
横浜市「米軍施設返還跡地利用指針」の概念図※クリックして拡大
なぜ伐採が必要なのか、何本くらい伐採されるのか、移植はできないのか、2016年のお花見はどうなるのか、海軍道路の桜について、環状4号線の工事を行っている横浜市道路局建設部建設課でお話を伺った。
横浜市道路局建設課
なぜ伐採が必要なのか
海軍道路は横浜市の環状4号線の一部。ところが、十日市場方面から環状4号線を走ってくると、目黒交番前の交差点で丁字路になっている。その先は、いったん市道五貫目第33号線(旧国道16号)に入って200メートルほど先の海軍道路入口を左折して進むようになっている。そのためこのあたりはいつも車が渋滞している。
現在の地図(Googlemapより)
この目黒交番前の交差点からまっすぐ海軍道路に道をつなぐことで、交通の転換を図り海軍道路や市道五貫目第33号線の渋滞を緩和し、歩行者の安全確保や交通機能の強化を図るのが、今回の環状4号線の工事の目的だ。
環状4号整備の概要(提供:横浜市道路局)
動線計画 現状(提供:横浜市道路局)
動線計画 整備後(提供:横浜市道路局)
横浜市道路局建設部建設課の担当係長によると、2008(平成20)年度の資料では、目黒交番前の交差点から海軍道路入口交差点までの交通量は、約2割減の混雑緩和が期待できるとのこと。
工事についてのさまざまな資料。横浜市道路局が出している地図もあった
ただし、環状4号線を海軍道路につなぐ部分の桜の木は、どうしても伐採する必要がある。とはいえ海軍道路の桜は横浜市にとっても大事な名所。
また前出の「米軍施設返還跡地利用指針」の概念図にあった「桜並木の保全」については、幹線道路整備予定地だった今回の整備区間は「桜並木の保全」エリアではないとのことだった。
桜のアーチが見事な海軍道路(提供:瀬谷区役所)
「地域の方々や連合会への説明会やご意見をいただく機会を設け、桜の伐採を進めさせていただいた」と担当係長。
桜の移植については、専門家に同行してもらって検討を行ったが、樹齢30年以上の桜は、残念ながら腐食菌に侵されているものもあり、また移植しても傷ついた根から菌が侵入する場合もあるため、新しい土地に根付く可能性がとても低かったそう。そのため、伐採ということになったようだ。