桜木町駅から貨物路線を通る電車を走らせる計画があるって本当?
ココがキニナル!
桜木町―品川間を結ぶ、東海道貨物支線貨客併用化という路線構想。平成27年までに「今後整備について検討すべき路線」と位置付けられているが、実現見込みと進捗状況は?(けーわいさん)
はまれぽ調査結果!
国土交通省の「意義ある路線」という答申も、事業化と広域自治体にわたることへの課題が指摘された。協議会は「実現できるよう取り組む」
ライター:はまれぽ編集部
首都圏の鉄道整備について国土交通省の交通政策審議会は2016(平成28)年4月、桜木町―品川間を結ぶ東海道貨物支線の貨客併用化について「意義ある路線」との答申を行った。一方で、事業の採算性などに対する指摘もなされた。
では、そもそも東海道貨物支線の貨客併用化とはどのような計画なのか。併用化実現に向けて整備方針の検討を行う「東海道貨物線貨客併用化整備検討協議会」の事務局がある神奈川県県土整備局交通企画課に聞いた。
よろしくお願いします
「意義ある路線」
「貨客併用化」は、貨物列車の既存路線と一部新線を整備することで、新たに乗客を輸送する旅客鉄道として整備する計画。
横浜市内では1980(昭和55)年に行われたJRの東海道線と横須賀線の別線化に際して品川―鶴見を結んでいた貨物線「品鶴(ひんかく)線」が旅客線化されて横須賀線や総武快速線が走るようになった。同線は2001(平成13)年から湘南新宿ラインも走行している。
もともとは貨物線だった
2000(平成12)年度に発足し、神奈川県・横浜市・川崎市・東京都・大田区・品川区で構成される「東海道貨物線貨客併用化整備検討協議会」が検討対象にしているのは、東海道線に並行する東京・川崎・横浜の臨海部を通る貨物路線。
併用化が実現することで、桜木町から京浜東北線や山手線、りんかい線と連絡できる。
利便性が向上する
併用化には多くのメリットがあるといい、一例をあげると、協議会のシミュレーションでは、現在、乗り換え1回で43分かかる桜木町―東京テレポート間が、乗り換えなしの23分に短縮されるとしている。
南武線・南武支線の利便性向上にも期待がかかる(同)
また、鉄道利用客だけでなく、地域にも大きな利点が生じる。
検討エリア内にある川崎市川崎区の殿町地区は国が指定する「京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区」の中心として、環境やライフサイエンス分野では世界最高水準の研究拠点となっている。
羽田空港の対岸に位置する殿町地区
国の答申も「都心部や横浜方面と京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区とのアクセス利便性の向上を期待」と、整備の意義を認めた。