桜木町駅から貨物路線を通る電車を走らせる計画があるって本当?
ココがキニナル!
桜木町―品川間を結ぶ、東海道貨物支線貨客併用化という路線構想。平成27年までに「今後整備について検討すべき路線」と位置付けられているが、実現見込みと進捗状況は?(けーわいさん)
はまれぽ調査結果!
国土交通省の「意義ある路線」という答申も、事業化と広域自治体にわたることへの課題が指摘された。協議会は「実現できるよう取り組む」
ライター:はまれぽ編集部
「熟度を上げていく」
実際に併用化を検討しているのは品川駅、東京テレポート駅から天空橋駅、浜川崎駅を通って桜木町に至るルート。
総延長は約33km。東京テレポート―浜川崎の約18kmは既存線を利用するが、浜川崎―桜木町と品川からの区間計約15kmは新線を整備する計画になっている。
一方で、国の答申では、採算性を含む事業性と路線が複数の自治体にまたがる路線だからこその課題を指摘された。
担当者によると、新路線の整備にかかる金額は概算で数千億円だが、現時点ではJR、東京都、神奈川県、横浜市をはじめ、どこが鉄道整備や運行の主体になるかも負担割合も決まっていない。このため、鉄道事業として、どのようなスキームとなるのかが明確になっていない。
主体は神奈川県か?
横浜市か?
事業性に関して言及すれば、周辺のまちづくりに大きく影響する。
前述のように、検討エリアは最先端の研究を行う企業が特区に集まっている。今後誘致する企業の規模や、沿線の開発による住民増加でも利用者数が変わることから、重要な要素となる。
これについて担当者は「今後、沿線地域のまちづくりが進んでいけば」と展望を述べた。
企業誘致も大きなファクターになる
また、既存線の利用に際しては貨物列車の路線を利用することになるため、旅客列車だけでなく、貨物列車のダイヤも調整しなければならない。
JR横浜支社によると、鶴見―川崎新町では1日に上り28本、下り30本の貨物列車が走っている。そのうち上りのピークは午前5時台の7本、下りが午後11時台に8本と集中していることから、通勤・通学客の利用に影響がないような配慮もしなければならない。
複雑に絡む旅客・貨物のダイヤ調整も課題
担当者は「答申では、この路線の意義について認めてもらったと考えている。現在は実現に向けての熟度を挙げている段階。実現に向けては、今回の答申で示された課題を解決していく必要があると考える、複数の都県・政令市にまたがる事業であるため、関係自治体が協調し、継続して取り組んでいきたい」と話していた。
市民は?
では、鉄道利用者は併用化をどうとらえているか。JR桜木町駅で20組に聞いた。
併用化されるとアクセスが向上する桜木町駅
すると、詳細を知っていた人は1人だけ。そこで、計画されている所要時間や経路などを説明したところ、「浜川崎を使う機会がないので、必要性を感じない(50代女性)」という声があり、約14分短縮される東京テレポート駅についても同様の意見が多かった。
しかし、検討されているルートが横浜駅を回避していることを挙げ「あの混雑したホームや構内を使わなくていいのはうれしい」といった声が30~50代のビジネスパーソンを中心に聞かれた。
JRだけでも1日40万人超の乗車がある横浜駅
取材を終えて
東海道貨物支線貨客併用化について、今回の国の答申は「意義のある事業」としたが、これを受けて劇的に事業が進むわけではない。国の指摘にもあるように、事業性や自治体間の連携・情報共有など課題は山積している。
一方で、横浜市だけでなく川崎市、神奈川県、東京都の活性化にとって重要な計画であることは間違いない。
進展については随時報告していく。
―終わり―
オレオレ伊勢佐木さん
2019年02月16日 12時29分
東海道線や京浜東北に乗ると混雑激しく、東京まで疲労困憊になります。混雑緩和や座れる頻度が高くなることも期待できるためため、早く実現してほしいです。京浜急行と都営浅草線が、第一京浜道路の下を地下鉄として、直通してもらえれば一番なのですが、全く話題になりませんね。残念です
夏の氷河2さん
2016年07月21日 20時50分
横浜駅の混雑を避けるのが確かにメリットだと思いますが、一方で横浜駅との乗り換えができないと利用客がかなり限定されるでしょう。線路が日産本社ビル付近に走っているから、その付近で駅を作れば何とか10分以内に乗り換えるかもしれませんが。。
jyomon-cdさん
2016年04月29日 15時25分
まずは桜木町~鶴見駅間の旅客併用化を先行して進め、臨海部にできれば受益者負担で数駅造り、周辺のマンション住民や企業通勤者への利便性の確保と脱工業化的発展を進めると同時に京浜線のサブ路線としての役割ももたせれば現状一部単線のままでも運行OKで予算も抑えられると思う。