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横浜博覧会にあった横浜市の巨大ジオラマの行方は?

ココがキニナル!

昔、横浜博覧会時に、横浜市のパビリオンとしてあった横浜館。中にあった横浜の大きなジオラマが大好きでした。あのジオラマは取り壊されてしまったのか?それともどこかに移動されている?(羅漢さん)

はまれぽ調査結果!

ジオラマは横浜の未来への期待を伝える役目を終え、1999(平成11)年に「横浜館」が解体となった時に廃棄となった。

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ライター:橘 アリー

「横浜館」とは



横浜博覧会は、今から27年前の1989(平成元)年に、横浜市制100周年と横浜開港130周年を記念して、同年3月25日から10月1日まで、現在のみなとみらい地区で開催されたもの。

その横浜博覧会にある「横浜館」は、現在のパシフィコ横浜近くに造られた横浜市のパビリオンであり、キニナル投稿にあるように、当時の横浜市の街のジオラマが展示されていた。

 

1989年当時の「横浜館」(『横浜博覧会公式記録』発行:財団法人横浜博覧会協会)
 

『横浜博覧会公式記録』によると、「横浜館」のテーマは「横浜体験―きのう・きょう・あした」というもの。来館者に、博覧会的な楽しさを満喫してもらうと同時に、開港以来の横浜の歩みを振り返り、21世紀の未来を想像しようという主旨があったようだ。

そして「横浜館」は、来場者に温もりとやすらぎを感じてもらいたいということから、木造のドームだったという。

 

建築中の「横浜館」。木造は安価で工期が早いことも利点(『横浜博覧会公式記録』発行:財団法人横浜博覧会協会)
 

こちらが「横浜館」の平面図(『横浜博覧会公式記録』発行:財団法人横浜博覧会協会)
 

内部は、ドーム型を生かした配置となっていた。まず入口には「ペリーの黒船」のエリアがある。

 

赤丸が入口部分の「ペリーの黒船」(『横浜博覧会公式記録』発行:財団法人横浜博覧会協会)
 

黒船の内部は本物の船内のようにほの暗く、幕府の役人と異国人たちとの晩餐(さん)会の様子がスライドで映し出されていた。そして、その晩餐会が行われている夜に、西暦2200年からやって来たタイムマシン「ワンダーシップ号」が横浜村に不時着したという設定となっている。

「ペリーの黒船」の次は「ワンダーシップ号」の中へ向かう。その「ワンダーシップ号」の中では、開港から130年の歴史を映像などで体験できるようになっていた。

「ワンダーシップ号」の次は、「タイムトンネル」だった。

 

「タイムトンネル」はこのように楕円形をしていた(『横浜博覧会公式記録』発行:財団法人横浜博覧会協会)
 

「タイムトンネル」を抜けると約900平方メートルの空間に大小3500個の建物が並ぶ夢の未来都市「ヨコハマ・ガリバーランド」が眼下に広がる。それがキニナル投稿にあるジオラマである。

 

左が「ヨコハマ・ガリバーランド」。未来の横浜の街が造られていた(『横浜博覧会公式記録』発行:財団法人横浜博覧会協会)
 

前述の通り、横浜博覧会は、1989年10月1日に終了したが、その後も「横浜館」は残された。

 

博覧会終了後の「横浜館」(提供:公益財団法人放送番組センター)
 

「横浜館」は、博覧会当時と比べるとシンプルである(提供:公益財団法人放送番組センター)
 

入口は「ペリーの黒船」から普通の扉に変わった(提供:公益財団法人放送番組センター)
 

ジオラマもそのまま残されたが「横浜館」は、入口にあった「ペリーの黒船」が撤去されるなど改修が行われた。

1991(平成3)年には過去に放送されたテレビ番組を見ることができる「放送ライブラリー」が開設され、1999(平成11)年にみなとみらい21地区の開発に伴い横浜館は閉館となった。

では、その後「ヨコハマ・ガリバーランド」はどうなったのだろうか。



ジオラマの行方は?



ジオラマの行方について、横浜市都市整備局都心再生部みなとみらい21推進課の同課の三田純一(さんだ・じゅんいち)さんに伺った。

ジオラマについて残っている資料によると、「横浜館」は前述のように地域の開発に伴い1999年に解体された。その時、廃棄となったそうである。廃棄の理由としては、横浜博覧会から続いて10年間公開されて横浜の未来への期待を伝える役目を終えたのでは、とのことだった。

 

博覧会当時の様子。壮大な未来都市がジオラマで再現されていた(『横浜博覧会公式記録』発行:財団法人横浜博覧会協会)
 

中央を通っているのはJR根岸線(『横浜博覧会公式記録』発行:財団法人横浜博覧会協会)
 

海上にはベイブリッジも(『横浜博覧会公式記録』発行:財団法人横浜博覧会協会)
 

夜景はこのような様子に(『横浜博覧会公式記録』発行:財団法人横浜博覧会協会)
 

上空にはUFOが!(『横浜博覧会公式記録』発行:財団法人横浜博覧会協会)
 

1990年初めごろの「横浜館」内。ランドマークタワーがひひきは大きくそびえ建っている
 

こちらも1990年初めごろの様子。所々に桜が咲く、キレイな街が作られていた
 

一方、放送ライブラリーも、当時とはかなり様変わりをしている。