火山活動により運転休止だった箱根ロープウェイ、開通時の様子は?
ココがキニナル!
今の箱根の様子は?/箱根ロープウェイが7月26日(火)に全線運転再開するそうなので、日にちがありませんが再開当日の様子を取材してきてください。(山下公園のカモメさん/ネオほっけさん)
はまれぽ調査結果!
箱根ロープウェイの早雲山駅~大涌谷駅が7月26日、1年3ヶ月ぶりに全線開通。それに伴い、大涌谷園地も一部開放した。
ライター:はまれぽ編集部
1年3ヶ月ぶりのにぎわい
箱根山の噴火警戒レベルが引き上げられたことなどによる影響で一部区間の運転を休止していた「箱根ロープウェイ」が2016(平成28)年7月26日(火)、全線で運行を再開した。
運転を再開した箱根ロープウェイ早雲山(そううんざん)駅
同日午前9時、2015(平成27)年5月から続いていた「大涌谷(おおわくだに)園地」の立ち入り規制が約1年3ヶ月ぶりに解除されると、待ちかねた観光客らが詰めかけ、箱根の街ににぎわいが戻った。
規制解除と同時に雨の中、大涌谷園地に足を踏み入れる観光客
夏休みシーズンに嬉しいニュースだが、足を運ぶ前に本当に安全な状態になったのか知りたい。
そもそも、どのようないきさつで運転再開となったのか、現地にて調査開始。
箱根山・大涌谷付近は2015年4月28日から火山性群発地震が相次いだため、気象庁は同年5月6日に噴火警戒レベルを「2(火口周辺規制)」に引き上げて「火口周辺警報」を発令。箱根町は大涌谷より半径300メートル以内の範囲にあたり、「噴火時などに危険な範囲」として、避難指示を出していた。
また、この火山活動により、大涌谷の新たな火口や噴気孔などから火山性ガスが噴出し、これまでより高い濃度の火山性ガスが観測された。
2015年5月7日の大涌谷の様子(箱根ジオミュージアムより)
以降、神奈川県や箱根町では、測定していた火山性ガス濃度が下がっていることや十分に安全対策が講じられていることを確認。その結果、箱根山防災協議会が2016(平成28)年7月22日にロープウェイの全線運転、大涌谷の一部立ち入りを承認した。それに伴い、ガス濃度の低下や立ち入り規制の緩和により、早雲山駅~大涌谷駅の約1.5kmが運転再開となった。
「運転見合わせ区間」が今回開通した部分
運転再開に先立ち、浅羽義里(あさば・よしさと)副知事と箱根町の山口昇士(やまぐち・のぶお)町長がマスコミ向けに記者発表を行った。
「1年3ヶ月ぶりの大涌谷園地再開を感慨深く、楽しみにしていた。多くの方に足を運んでいただき、神奈川の観光を盛り上げていただきたいと思う」と述べ、「箱根町、関係者、県が一丸となって、防災対策・安全対策を行い、再開にこぎつけられた。関係者の方のご努力に、改めて感謝を申し上げる」と浅羽副知事があいさつすると、山口町長も「改めて、自然の脅威と素晴らしさを感じた。人がいての園地、利用者の明るい表情や笑顔が見られて、よかったと思う」と続けた。
「神奈川の観光を盛り上げてほしい」と浅羽副知事(左)と山口町長
今回の運転再開によって、早雲山駅~桃源台(とうげんだい)駅間の全長4.0km区間が開通し、大涌谷駅の駅舎から外に出ることができるようになるが、火山性ガス警戒のため、一部立ち入り規制は継続。火山性ガス濃度によっては運転を休止することもあるという。
また、利便性確保のため、運休中に運行していた代行バスは引き続き運転を続ける。
ロープウェイは開通したが、まだまだ火山活動の状況によって注意が必要な状態。火山大国ともいわれる日本の自然の状況を完璧に予測をすることはできないので、情報をこまめにチェックすることをおすすめする。