横浜市営地下鉄の運賃は何故高い?
ココがキニナル!
横浜市営地下鉄の運賃は何故高めなんでしょう?都内の地下鉄はリーズナブルなのに。地下鉄もっと利用したいけどJRの方が安いのであまり乗る機会がありません。(マルタンさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
地下鉄の運賃が高いのは、建設コストや運営に大きな費用がかかるためです。また、東京の地下鉄料金は利用者数が多いので少し安くなっています。
ライター:吉田 忍
横浜から関内に行くのに、JRだと130円、地下鉄だと200円かかる。確かにかなりの割高である。
そういえば、横浜の中心部で市営地下鉄を使うことはほとんどない。
関内駅の運賃表。JRだと130円だが、関内~横浜は200円かかる
そこで、横浜市交通局へ行って、運賃のことなどを詳しく伺ってきた。
地下鉄運賃とJR運賃の違いはどこから生まれるのか?
JRは主に都市間を繋ぐ鉄道として建設されたもので、地上に線路を施設している。それに対して、地下鉄は主に大都市内の交通機関として作られているもので、都市内という制限があるので地下に作らざるを得ないため、建設費用が高くなる。
また、JRは建設時期が古く費用の償却が進んでいるが、地下鉄は比較的新しく作られたものなので、減価償却が終わるのにまだ長い時間がかかる。
横浜市交通局 高速鉄道本部 営業課長 横山浩さん
地下鉄は建設費用が大きくなるのだが、大都市内での利便性以外にも、天候による運休や遅延が少ないことや、踏切事故などが無いというメリットもある。
では、横浜以外の地下鉄はどうなのだろうか?
全国の地下鉄料金は?
まず、全国の地下鉄の初乗り運賃を調べてみた。
全国の地下鉄の初乗り運賃はほとんど200円
東京の「東京メトロ」「都営地下鉄」は少し安いけれど、京都を除いて、全て同じ200円であることが分かった。
東京については、やはり圧倒的な利用者数が運賃に反映されていると見るべきだろう。
●東京メトロ
・営業キロ:195.1キロ
・駅数:179
・1日あたり乗車数:平均633万人
●横浜市営地下鉄
・営業キロ:53.4キロ
・駅数:42
・1日あたり乗車数:平均58万人
東京メトロでは、営業キロ1キロあたり、66560人に対して、横浜市営地下鉄では、10,860人にしかならない。営業キロあたりの乗車数という見方は建設費用に対するものとして、参考までに出してみた数字。
一駅あたりで計算すると、35560人に対して、13810人となる。
横浜市営地下鉄の運賃が安くなる可能性は? 経営状況は?
横浜市営地下鉄の営業状況は概ね順調で、平成21年度から営業損益は黒字になっている。
グリーンラインの営業開始による乗車料収入に加え、駅中への店舗誘致が積極的に進められており、また、人件費の削減も効果を出している。
人件費削減の大きなものは、ワンマン運転による。
これは、全駅に設置されたホームドアによって実現できている。
ホームへの転落事故防止だけではなく、人件費削減にも繋がるホームドア
営業損益がプラスであれば、運賃が安くなる日も近いのかと聞いたところ、減価償却が終わるにはまだまだ数十年かかるとのこと。
数十年先まで考えると、県や市の新線計画などもありそうなので、運賃が安くなる日はなさそうである。
駅中ビジネスについて教えていただいた、資産活用担当係長 有田昌史さん
関内駅には崎陽軒と旅行センター、銀行キャッシュサービス
横浜駅など大きな駅には、DVDレンタルショップや、ファーストフード店などが出店している。
駅中の店は雨の日などにとても便利に使える。
横浜市営地下鉄のお得な使い方
横浜を応援する「はまれぽ」としては、もっと地下鉄も使って欲しい。
そこで、横浜市営地下鉄の取り組みについて伺った。
まずは、お得な一日乗車券。地下鉄だけなら740円、バスもセットで830円。
一日乗車券は自動券売機で購入できる
例えば、日吉から湘南台までの運賃は片道530円。
もしもこの区間を往復するなら、1日乗車券の方が安くなる。
さらに、「みなとぶらりチケット」。地下鉄の横浜、高島町、桜木町、関内、伊勢佐木長者町各駅と、観光スポットが集中するMM21地区から山下公園周辺・中華街や伊勢佐木町・元町・港の見える丘公園までのバスに一日乗り放題というもので、大人:500円/小児:250円。
友人などを横浜案内するときに最適なチケット。歩けないことはないがちょっと遠い場所や、山手の丘の上り下りがおっくうな場合も、地下鉄やバスを何度でも利用できる。