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60年前の免震構造!? 山下町のシンボル、シルクセンターの耐震性に迫る

60年前の免震構造!? 山下町のシンボル、シルクセンターの耐震性に迫る

ココがキニナル!

シルクセンターはかなり古い建物なので心配だったのですが、最近になって耐震性が危ぶまれてしまったらしく、できれば残して欲しいが、最悪取り壊しかもしれないので、調べて下さい。(ホトリコさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

築60年を迎えるシルクセンターは、今後も建物を残すために耐震工事を進めている真っ最中。地下には地震の揺れを逃がす先進的構造が!?

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ライター:はまれぽ編集部

シルクセンターといえば、山下町のシンボルとも言える建築物。昭和30年代のモダンな雰囲気を色濃く残した、歴史と先進性を兼ね備えたデザインが特徴だ。

そのシルクセンターの耐震性が危ぶまれているというキニナル投稿が。どうやら横浜市が公表した調査結果の中で、耐震性が基準を満たしていないと判断されたことが発端らしい。
だが、取り壊しとは乱暴な話。貴重な建物をどうにか残してほしい! そんな思いで中区山下町を訪れた。
 


山下町を大さん橋方面に歩くと・・・

 


シルクセンターが見えてくる

 
周辺の歴史的な建物や近代的なビルとはちょっと違う、特徴的な建物がシルクセンターだ。1959(昭和34)年に竣工し、来年で築60年を迎える。
 


その雰囲気には風格も感じられる

 
歴史があるということは、それだけ建物の老朽化も進んでいるということ。これから建物はどうなっていくのか。

早速、一般財団法人シルクセンター国際貿易観光会館の事務局に問い合わせると、「シルクセンターは、市が耐震性調査を行うよりも以前から、継続して耐震工事を行っています。今年からは地上部の工事にも取り掛かっていますよ」との答えが。

実際に確認してみると、確かに工事が進んでいた!
 


建物の南側ではただいま作業中
 

工事の詳細もバッチリ掲示されていた

 
耐震工事は言うまでもなく、建物を残すために行われるもの。シルクセンターの存続は決まっているようで一安心だ。

実は、シルクセンターが建てられた昭和30年代の建物は多くが取り壊されており、横浜市内でも貴重な存在。そのため、行政からも可能な限り保存するように要請があったのだという。

改めてシルクセンターの状況や工事の内容について、管理部総務課施設担当の影山一寛(かげやま・かずひろ)さんにお話をうかがった。



入居率8割以上! 丁寧に進められていく工事

「これまで進めてきたのは地下部分の耐震化で、柱の補強などが中心。外から作業は見えませんでした。今年からは1階部分の工事に着手し、『ブレース』という器具の取り付けを行う予定です」という。
 


地下部分の工事図面。柱の補強は2014年からスタートしている

 
ブレースとは、建築物の柱と柱の間に入れることで、強度を高める器具のこと。今後はこれを各階の外壁部分に入れていくことになるようだ。
 


正面の完成図。濃いグレーの部分に斜めに入ったブレースが見える

 
ブレースの設置に際しては、彩度を抑えて目立たないようにしたり、設置位置を工夫するなど、横浜市の都市景観条例に則ってシルクセンターの外観や周辺に配慮しながら作業が進められるそうだ。
 


この辺りにもブレースが入る予定

 
工事の終了予定時期はまだ未定。夜間の工事が行えないことや、テナント入居率が8割を超えていることもあり、少しずつ作業を進めていく必要があるそうだ。
すべての作業が終わるまで20年以上掛かる見込みだが、すでに耐震化が完了している地下や、工事が進む1階部分の耐震性が確保されれば、ひとまず安心な状態になるという。
 


建設当初からのテナントも多い

 
さらに、丁寧に工事が進められている背景には、シルクセンターそのものの歴史も関係しているそうだ。