元町通りの入り口にある「元町プラザ」の歴史・・・横浜開港にさかのぼる背景とは?
ココがキニナル!
元町プラザはどこか年季があり、独特な雰囲気を感じます。少なくとも80年代にはあったのかと思います。元町プラザの歴史が知りたいです(ossangenerateさん)
はまれぽ調査結果!
1972(昭和47)年に完成した元町プラザは、外国人墓地を提供した増徳院というお寺の跡地に開発された。併設のマンションとともに、元町の活性化を支えてきた
ライター:はまれぽ編集部
「元町プラザは昔、お墓だったらしいよ」。元町で地元の方と話した際、元町プラザに関してそんな「うわさ」を耳にした。確かに、元町1丁目のすぐ裏手は外国人墓地。元町プラザもかつて墓地だったとしても、不思議はない。
果たして真相はどうなのだろうか。早速現地で調査を開始した。
みなとみらい線元町・中華街駅から徒歩1分、メイン通りである元町ショッピングストリート(元町通り)の入り口に、元町プラザは鎮座している。
この日の元町は「チャーミングセール」で大賑わいだった
地上3階建ての同施設には、ファッションやインテリアのお店がずらりと並ぶ。建物には年季を感じさせる部分もあるが、店舗は老舗だけではなく、最新トレンドの店もあり、独特な雰囲気が漂っている。
洗練された元町通りとは一線を画す、不思議な空間(1階部分)
新しいお店は、店名のシールも真新しいようだ
空きテナントも多く、元町通りに比べると利用者は少ない
テナントの入れ替わりが激しいようだが、お店への聞き込みの結果、元町プラザで2番目の老舗を紹介していただけることに。さっそく足を運んでみた。
1978(昭和53)年に開業の「ブティック YOMO」さん
「YOMO」さんは2018(平成30)年9月に40周年を迎えた。
オーナーによれば、そのころはすでに元町プラザも営業しており、「建物ができて少し経ったころに店をオープンさせました」とのこと。
お店の方は当時のことをよく覚えているそうで、「私たちが子どものころ、ここはお寺だったんですよ。小さな丘になっていた土地を切り崩して元町プラザを建てたんです」と話してくれた。裏にあるマンションも同時に建てられたそうで、当時はまだ珍しいエレベーター付きのマンションは、強く印象に残っているようだ。
元町プラザの裏手に併設されたマンション。こちらも当時のままの姿だ
開業当時はそうした珍しさもあり、流行の発信地でもある元町で注目を集める建物だったらしい。だが現在は「95%のテナントが入れ替わってしまう。新しいお店が入ってもすぐにいなくなっちゃいますね」という。
そんな元町プラザ周辺が一番にぎわいを見せていたのは、2004(平成16)年にみなとみらい線が開通したころのこと。
元町・中華街駅の入り口は、元町プラザからすぐ近く
オーナーは「開業した当時、ここはJR石川町駅から元町の通りを歩いてくる『出口』で、自動車も一方通行。5丁目方面から来る人しかいませんでした。ところが、元町・中華街駅ができて、港側が元町の『入り口』になった。それまでは、夜になると人通りも少なくなって、寂しいものでした」と振り返る。
テレビ番組で紹介された直後ということもあり、いまの元町はどこもかしこも大賑わい
元町・中華街駅の開業以前とそれ以後では、元町プラザのある1丁目周辺の様子も大きく違っていたようだ。
元町プラザ2階デッキから元町通り(JR石川町駅方面)を望む
一方で、キニナルのがこの元町プラザができる以前にあったというお寺。当時の雰囲気はどのようなものだったのだろう。
今回は、横浜開港当時から代々元町に住み、元町自治運営会の前理事長でもある杉島和三郎(すぎしま・わさぶろう)氏に、お話を伺うことができた。