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「危険なバス停」は本当に危険?危険度Aの現地と各バス会社の対応を調査

「危険なバス停」は本当に危険?危険度Aの現地と各バス会社の対応を調査

ココがキニナル!

神奈川県警から県内の危険なバス停が発表されました。どの様な基準で選出されたのか、上位のバス停はどんな状況なのか、この結果を踏まえてバス会社はどんな対応をするのか?(白髪ハウルさん/ハマKさん)

はまれぽ調査結果!

危険度Aとされるバス停は、バスの車体が横断歩道を塞ぐ、横断歩道を利用する児童数が多い、過去3年以内に人身事故が発生しているなどに該当する停留所だが、詳細な判定基準は公表されていない。

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ライター:はまれぽ編集部

2018(平成30)年8月30日、西区北軽井沢の交差点で市営バスに乗車していた女児が「三ツ沢南町」で降車後、停車中のバス後方にまわり横断歩道を渡ったところ、対向車線を走っていた軽自動車にはねられ、その短い生涯を終えた。
 


2019年現在も、その死を悼み花が添えられている

 
神奈川区(バス停)と西区(事故現場)の区界で起きたこの事故は、横断歩道上に停車していたバスが死角となり、見通しの悪い横断歩道前でブレーキを踏まなかったドライバーが引き起こした事故とも言える。
 


事故現場とされる交差点


バスは横断歩道にかかって停車

 
実際に筆者も横浜駅西口から「三ツ沢南町」バス停まで乗車したが、交通量の多さと道路幅の狭さを感じる道路で、バスが停車すると対向車線からの見通しが悪くなることは容易に想像できた。

そのためバス停付近の目につきやすい場所には、「バスの直前直後の横断は、危険ですのでおやめください。」と記された横断注意の看板が2つ立てられており、歩行者へ注意喚起を呼びかけていた。これらの看板は事故後に横浜市交通局が安全性の確認作業を行い、信号機のない横断歩道で車体が横断歩道にかかる14ヶ所の停留所に設置。また車内アナウンスでも周知・啓発を行っている。
 


「三ツ沢南町」バス停に設置されている立て看板(赤丸)

 
現在「三ツ沢南町」バス停は、横浜翠嵐高校の敷地を活用し、歩行空間の整備と併せてバス停の移設工事に着手しているそうで、現位置から前方に30メートル移設する予定という。

この事故を機に、神奈川県警は約1ヶ月かけて同じような形状のバス停を調査。2018年11月28日に「バス停留所危険度判定結果」を公表した。今記事では、危険度Aと判定されたバス停の状況と各バス会社の対応をお伝えする。
 
 
 

どれくらい危険なの?


 
「バス停留所危険度判定」には県内84ヶ所の停留所の名称が公表されており、そのうち40ヶ所は横浜市内のバス停。

警察で調査した停留所周辺の交通実態に係わる項目から、信号機のない横断歩道に近接した停留所についての指定項目(交通量や通学路に該当するかなど)を点数化して84ヶ所の平均点を算出。その平均をもとにA・B・Cの3段階で危険度を表し、「過去3年以内で、停車した路線バスが要因となる人身事故が発生している停留所」や、「横断歩道を利用する児童数や運行本数が平均以上」などに該当する停留所は最も危険度が高いとされるA判定を受けている。

指定項目の詳細は公表されておらず、各バス会社にも開示されていないためバス停の選出基準については、神奈川県警察が公表している以下の表の通りだ。
 


「バス停留所危険度」の判定基準(資料:神奈川県警察HPクリックして拡大)

 
危険度Aの判定を受けたのは、南区清水ヶ丘の「会館前」、神奈川区菅田町の「長導寺」、神奈川区三ツ沢上町の「片倉町入口」、保土ヶ谷区鎌谷町の「宮田中学校前」、戸塚区戸塚町の「長久保」、平塚市田村の「駒返橋」、厚木市飯山の「東京工芸大学前」、青葉区さつきが丘の「さつきが丘」、栄区飯島町の「久保」の9ヶ所。

実際にどれくらい危険なのか、今回は市内の神奈川区から南のエリアにしぼって状況を確認してきた。


神奈川中央交通「長久保」

まず向かったのは、戸塚区戸塚町にある神奈川中央交通の「長久保(戸塚バスセンター行)」バス停。
 


赤丸がバス停

 
こちらは戸塚駅方面へ行くバスの停留所で、出勤と帰宅の時間帯は1時間に7~10本ほど運行していることから利用者が多いことがうかがえる。近隣には小学校と中学校があり、取材時は路側帯を中学生がぞろぞろと歩く姿も見られた。

実際にバス停の様子を反対車線から撮影してみると・・・。
 


横断歩道との距離は1メートルもない

 
筆者が撮影したバスは中ドアに合わせて停車。神奈川中央交通戸塚営業所管内では、2015(平成27)年3月23日から「中乗り・前降り」方式を採用しており、これ以上先で停車すると乗車口を塞いでしまう。
バス停がこの位置にある以上、横断歩道との距離が近いことは止むを得ないのかもしれないが、通学路としてこの道を利用する児童や学生がバスの死角から飛び出してくる可能性も十分にある。

また両車線とも交通量が多く、横断歩道を渡ろうとしている人がいても徐行せずに通り抜ける車も多いので、バスが停車している間は横断歩道を渡らないほうが良いだろう。
 


標識柱には子どもの目線と大人の目線に注意喚起を掲示

 
神奈川中央交通の担当者に対応策をうかがうと、「『バス停留所危険度判定結果』に該当するバス停については利用者の方々に向けた掲示を行い、当社が独自に調査して危険を感じるバス停についても同様の掲示を行っています。また車内では乗務員が注意喚起のアナウンスをしております。今後は地域の方々や関係する機関と協力して、地域や系統に合った対応や対策を進めてまいります」と話す。

そしてバス停を移設するには、バス会社にかかわらず、県警、道路管理者、地権者や地域住民などの協力が必要となってくるため、今日明日で出来ることではないことも説明してくれた。