相鉄・JR乗入れ新型車両「12000系」に一足先に乗車!
ココがキニナル!
運行開始前の相鉄線新型車両「12000系」に潜入し、外観や車内をじっくり観察したい!(はまれぽ編集部のキニナル)
はまれぽ調査結果!
2019年4月20日より運行開始予定の新型車両12000系は従来の11000系車両をベースに、ヨコハマネイビーブルーの上品な外観。車内はシンプルかつ快適に利用できるようになっている。
ライター:若林健矢
2019(平成31)年3月28日、既に話題になっている相模鉄道(相鉄)の新型車両「12000系」の発表会・試乗会が報道関係者向けに行われた。はまれぽ鉄道ライター若林も、横浜で走りだすこの新型車両のデビューを待ちきれずにいた!いったいどんな車両なのか、同車を詳しく観察すべく、発表会・試乗会に参加してきた!
かしわ台車両センターで新型車両「12000系」と初対面!
待ちに待った新型車両発表会と試乗会の会場は「かしわ台車両センター」。まずは屋内で12000系の概要についてのプレゼンテーションが行われ、つづいて屋外へ。車庫から12000系がお目見えする時を今か今かと首を長くして待つ。
この扉の向こうから12000系が現れるようだ
そして、いよいよ対面の瞬間・・・!
扉が開いた・・・!
報道陣の前に登場!これが12000系!
カッコイイ!見た瞬間にまずそのひと言しか浮かばない。
今までの相鉄にはなかった、凛々しい顔がとても新鮮!
相鉄グループ広報担当の方によると、12000系は、昨年登場した20000系と同じく、相鉄の新しい顔として「横浜らしさのある顔をデザイン」することをコンセプトの一つに置き、前頭部、すなわち「顔」の部分が優美でシャープなデザインになった。
そして12000系は、今後開業予定の相鉄・JR直通線を通じて、JR線への乗り入れに対応した車両となっている。そのためドアの位置や先頭部分の寸法は、従来車両の11000系や、JRのE233系がベースとなっている。
側面のドアの位置は、従来車の11000系、E233系に合わせられている
写真右の11000系と、ドア位置や先頭部分の寸法は同じ(同日のプレゼンテーションより)
また、12000系の顔は、能面の「獅子口(ししぐち)」をイメージして開発された。「獅子」とは、知恵をつかさどる「文殊菩薩(もんじゅぼさつ)」の乗り物とされる想像上の霊獣。この獅子にちなんで、利用者、沿線住民、そして相鉄グループを護ってくれる存在になれることを願い、このデザインに至ったという。
従来車両と共通の車体寸法でありながらも、今までの相鉄にいなかった獅子口イメージの顔を持つ12000系からは、まさしく都心直通という新たな挑戦を前にした相模鉄道の自信の表れを感じられる。
獅子口をイメージした顔は迫力満点
顔に迫力ある12000系・・・でも東急線には入れない!?
新型車両12000系は、2019年11月30日開業予定の相鉄・JR直通線に対応した車両として開発された。ところが相鉄線は今後、東急線への直通も計画されている。ということは・・・?この12000系は東急線に入れるのだろうか!?
結論から言うと、12000系は東急線には入線できない。
12000系はJRの線路に合わせた大きさに車両を設計しているのだが、JRの車体の寸法と東急の車体寸法が異なり、東急車両に比べて幅が広いのだ。一方で2018(平成30)年2月に登場した20000系は12000系と比較すると幅は狭く、東急の車体寸法に合わせて設計されている。並んだ写真だけでは分かりにくいかもしれないが、じっくり見比べるとなんとなく幅の違いが見えてくるはず。
写真左が20000系。実は12000系よりも幅が狭い
また、12000系にはJR線に対応した設備機器が搭載されている代わりに、東急線に対応する機器は備えられていない。つまり、12000系はJR直通、20000系は東急直通車両ということになる。
いざ、12000系の車内に潜入!
いよいよお楽しみの12000系の車内へ!今回の試乗会では、かしわ台車両センターを出発し、西横浜(にしよこはま)駅まで走行する。床下から聞こえる「ファァァァ~~~」という、空気がかすれるような静かな音とともに、12000系は、かしわ台車両センターを滑らかに発車した。ちなみにこの音は11000系と同じ音だ。キニナル人は運行開始後、実際に乗って聞き比べてみよう。
まずは車内の全体像から。車内は20000系に合わせたデザインで、グレーで統一された落ち着いた雰囲気になっている。
グレーを基調とした、シンプルで洗練された車内
中吊り広告も12000系デビュー
真新しいライトグレーの座席が一直線に並んでいる。座り心地はなかなかだ。
座席は7人掛け(中央)と3人掛け(車端部)。座り心地は比較的柔らかい
座席の仕切り板はガラスと金属。仕切り板は高めに設計されている
なお車端部の座席の一部は「ユニバーサルデザインシート(年齢や障がいの有無などに関係なく誰もが利用しやすいデザイン)」。このシートは座面が若干高く、そして浅く腰掛けるように作られている。そして座席の下に空間を設けることで、床下にも荷物を置きやすい構造になっている。
立ち座りがしやすい設計!
普通の座席も一部はユニバーサルデザインシート。座面の奥行きの狭さが伝わるだろうか
ちなみにユニバーサルデザインシートは20000系にも採用されている。20000系では、頭上の荷物棚を廃止する代わりに座面が若干高くなり、床下の荷物スペースが確保されたが、座面が高いという、利用者からの意見があった。そのため、今回デビューの12000系では座面の高さを若干低くしつつ、荷物スペースも確保。荷物棚も復活させバランスよい車内環境を実現させた。
昨年デビューの20000系とは異なり、荷物棚が復活している
車いす対応のフリースペースも各車両に配置!