川崎市多摩区「向ヶ丘遊園跡地」の空き地は今後どうなる?
ココがキニナル!
向ヶ丘遊園跡地の一部には2008年に藤子・F・不二雄ミュージアムが開設されましたが、敷地の大部分は放置されたままです。今後の予定がどうなっているのか気になる(bausackさん/狐猫さんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
現在空き地になっている向ヶ丘遊園の跡地は、小田急電鉄による、温浴施設・商業施設・キャンプ場の建設計画が進行中。2023年の竣工を予定している
ライター:菅野りえ
かつて多摩丘陵の自然を生かした「花と緑の遊園地」として川崎市多摩区にあった向ヶ丘遊園。現在その場所は、広大な土地が柵で仕切られたまま放置されているように見える。向ヶ丘遊園跡地は、一部は「生田緑地ばら苑」として年に2回期間限定で一般公開され、一部は「川崎市藤子・F・不二雄ミュージアム」として海外からの観光客を含む多くの人々でにぎわっているが、そのほかの土地は今後、何かに使用する予定があるのだろうか。
今回は、現在はどうなっているのか、現在利用されている土地以外の跡地が今後再利用される予定があるのか、を調査すべく現地を訪れることにした。
2002年に閉園した遊園地「向ヶ丘遊園」
まずは向ヶ丘遊園の歴史を振り返ってみよう。
向ヶ丘遊園が開園したのは、小田急小田原線の開業と同じ1927(昭和2)年。鉄道の利用者を増やすための施設として誕生し、開園当時は遊園地ではなく無料で入園できる自然公園だった。
開園の翌年からテニスコートをはじめとした施設が整備され、1952(昭和27)年に遊園地へと変わっていく。
現在は一部が「生田緑地ばら苑」として期間限定で開放されている
遊園地では、ボートに乗って斜面を滑るアトラクションなどが人気を集めていた。その後、向ヶ丘遊園の駅前から施設までをつなぐ、全長1.1kmのモノレールもできたが、2002(平成14)年3月に閉園。その後、敷地の一部は川崎市藤子・F・不二雄ミュージアムに、そして向ヶ丘遊園時代からあったバラ園は「生田緑地ばら苑」として利用されているほかは何もなく、広い敷地がそのまま残されている。
跡地利用の手がかりを発見
向ヶ丘遊園の跡地は、小田急線向ヶ丘遊園駅から徒歩約15分かかる。登戸駅からは川崎市バスの直行便が出ていて、向ヶ丘遊園駅、登戸駅からバスの利用も可能。向ヶ丘遊園に向かう道の半分以上は、ばらの花が咲き乱れる遊歩道となっていて、散策にちょうどいい。
この日は向ヶ丘遊園駅からバス通りを歩き、向ヶ丘遊園を目指した。
向ヶ丘遊園駅(青矢印)から歩いて跡地に向かう(© OpenStreetMap contributors)
府中街道を東方向へ
しばらく歩くと、遠くにレンガ色の建物が見えてくる。あれが川崎市藤子・F・不二雄ミュージアムだ。
赤丸の建物が川崎市藤子・F・不二雄ミュージアム
川崎市藤子・F・不二雄ミュージアムの手前には、ばら苑に入るゲートがあり、毎年5月と11月の間だけ、このゲートが開き、中に入れる。
生田緑地ばら苑開催期間は、人や自転車であふれる
この時期はばら苑開園前だったので、ゲートの前も閑散としている。通り過ぎようとすると、フェンスにキニナル看板を発見した。
小田急電鉄による「事業計画の構想の概要」
この事業計画の構想の概要の事業名称に向ヶ丘遊園跡地利用計画とあった。なんと、向ヶ丘遊園跡地の利用方法が決定し、工事が始まろうとしていたのだ!
詳しく書かれている内容を見てみると、事業内容には「店舗、その他(温浴施設、グランピング・キャンプ)」と記述がある。工事完了予定日は2023年12月31日とのこと。
4年後には、向ヶ丘遊園跡地で、温泉に入ってキャンプもできるのだろうか!?