川崎市多摩区「向ヶ丘遊園跡地」の空き地は今後どうなる?
ココがキニナル!
向ヶ丘遊園跡地の一部には2008年に藤子・F・不二雄ミュージアムが開設されましたが、敷地の大部分は放置されたままです。今後の予定がどうなっているのか気になる(bausackさん/狐猫さんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
現在空き地になっている向ヶ丘遊園の跡地は、小田急電鉄による、温浴施設・商業施設・キャンプ場の建設計画が進行中。2023年の竣工を予定している
ライター:菅野りえ
跡地利用の手がかりを発見(つづき)
今の雰囲気からは想像もつかないが、ビックリ仰天な計画が小田急電鉄によって進められていたようだ。
しかし、正面から跡地を見ても、中で何かが行われている様子は感じられない・・・。
向ヶ丘遊園跡地の周りをぐるりと回り、周囲から様子を探ってみる。川崎市藤子・F・不二雄ミュージアムの前を通り過ぎて右手に曲がり路地に入ることにした。
向ヶ丘遊園の裏手に回る
人がすれ違うのがやっとの階段
細くてかなり険しい階段を上がっていく。
入れないように柵で取り囲まれている
柵には「私有地につき無断立ち入り禁止」と、小田急電鉄の看板が掛けられていた。
過去には無断で立ち入る人もいたのだろうか。
坂道を上がり切った先は歩行者専用の小径になっている。
秘密の通路のような小径
右手は開けていて、遠くには新宿方面が見渡せる。
遠くに東京の街並み(青丸)が見える
反対側には、柵の向こうにローラーコースターの土台だと思われるものが残されているのが見えた。
ローラーコースターの土台(青矢印)。かろうじて遊園地の跡地だと分かる
この小径を、さらに進んでいくと・・・
突如現れるやぐら
敷地の中に、巨大なやぐらのようなものが立っていった!
このやぐらがあるのは小径の突き当り、住宅街に入るところだ。
赤丸あたりにあるやぐら(© OpenStreetMap contributors)
かなり高さがある
中には複数台のトラックや車が止まり、作業員の方たちが何やら作業を行っていた。
複数台のトラックと車が行き交う
柵と樹木の向こうに車がたくさん止まっている。もうすでに着々と施設を作る準備が始まっているようだ!
現地まで来てみてやぐらが組まれ、多くの車が向ヶ丘遊園跡地に出入りしており、跡地利用の工事が始まっていることが確認できた。
では、今、向ヶ丘遊園で何が行われているのか、そしてこれからどうなるのか。詳しく知りたいと思い、「事業計画の構想の概要」の看板に記載されていた、小田急電鉄株式会社生活創造事業本部に取材を行うことにした。
自然に触れあう3つのエリアが誕生
向ヶ丘遊園の跡地利用計画には、店舗や温泉施設、グランピングにキャンプができる施設が設置される内容だったが、実際にどのような計画なのか、担当者の丹生(たんしょう)さんに話を伺うことができた。
現在、向ヶ丘遊園で行われている工事の内容について尋ねてみると、丹生さんいわく
「まだ設備を作っているわけではありません。温浴施設を作るためには、利用する水に問題がないかどうかの厳しい検査があります。現在は、その検査のため、やぐらを利用して掘削作業を行っている段階です」
と現状の作業状況を説明してくれた。
「温浴施設を作るぞ!」と計画を立てても、いきなり建設工事ができるわけではなかったのだ。
存在感たっぷりのやぐら
向ヶ丘遊園の跡地利用の開発コンセプトは、かつて多くの人に親しまれ、街のシンボルとして賑わいをみせていた向ヶ丘遊園の閉園により、街から失われたこの場所を新たな街の中核として再生することが目的だという。
向ヶ丘遊園から引き継がれる豊かな自然環境を活かし、身近なレジャーやちょっとした非日常的な体験ができる場所として「憩い」や「賑わい」の拠点にするとのこと。
開発後のエリア予想図(小田急電鉄ニュースリリースより)
このコンセプトにより、ゆとりある空間で買い物や飲食などをくつろぎながら楽しめる「商業施設エリア」、緑に囲まれた温泉旅館を連想させる日本家屋様式の「温浴施設エリア」、アウトドア系施設やグリーンショップがあり、グランピングやキャンプを楽しめる「自然体験エリア」の3つのエリアが、約16万平方メートルの敷地に誕生する。竣工は2023年を目指しているそうだ。
向ヶ丘遊園跡地は、この買い物も入浴も、そして自然の中でのアクティビティも楽しめる魅惑的な施設に変身するのだ!
長いこと使われていなかったため、このままの状態で残されるのでは、とも思えた向ヶ丘遊園跡地だが、持ち主の小田急電鉄により、温浴施設、商業施設、そして自然体験ができる場所に変わろうとしていた。目立ったレジャー施設は周辺にはなく、買い物ができる場所も少し離れていたため、このあたりは寂しい印象もあるエリアだが、今後は人が集まり、かつての賑わいを取り戻していくことになるだろう。
取材を終えて
取材中、フェンス越しに向ヶ丘遊園を眺める地元の人と出会った。話を伺うと、向ヶ丘遊園の敷地内には、今でもたくさんの桜の木が残っていて、春になると敷地内が薄い桃色に色づくという。
「昔は、遊園の中で花見ができたんだよ。桜がたくさんあって、きれいで・・・」
今はもう入れないけれど、と少し寂しそうだった地元の方。けれど、この計画が進めば、また施設内で花見ができるようになるかもしれない。
フェンスの間からみえる池と歩道橋のような階段。春になるとあたり一面桃色に染まる
はまれぽでは、今後も向ヶ丘遊園跡地の整備状況に注目していき、経過を報告していく。
-終わり-
狐猫さん
2019年05月19日 21時17分
御殿場のファミリーランドでしたか?が商店街、アウトレットモールになったのとは違い、なにやら面白そうな計画ですね。グランピングと温泉、だとすると宿泊できるのかしら?
部長さん
2019年05月13日 12時15分
こういう記事は流石だ、はまれぽ、ながれいし。