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綱島街道沿いマンションの1Fに神社がある!?

ココがキニナル!

綱島街道沿いに(大曽根の交差点のそば)マンションの1階に神社が入っている?建物があるのですがこんな神社は見た事が無いので、無性にキニナリます。^^;(たろーさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

神社の名前は「秋浦大社」。火渡りや湯釜を用いた神事など、古式にのっとった祭式を今に伝え、古神道を学ぶ研修道場のような役目も負っている。

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ライター:ほしば あずみ

マンションの1階が神社?



近代建築のビルに神殿が組み込まれている。
実は、地価が高く敷地も限られる東京都区内などの都会では、ところどころに見られる光景である。

古い歴史を持つ由緒正しい神社が、周囲の開発にあわせ共存を模索した結果なのだ。
ビル入り口に鳥居と参道があり、ビル奥の開けたスペースに社殿を配した例、ビル1階に拝殿、屋上に本殿を置き、パイプに土をつめて無理やり縦方向に「地続き」をつくった例などもある。
 


平将門を祀る、九段下の築土神社。ビルの奥に社殿がある
 

銀座の朝日稲荷。1階での参拝は屋上の本殿にスピーカーで届けられる


投稿にあった、綱島街道の大曽根交差点あたり(港北区)をGoogleストリートビューで確認してみると、確かにマンションの1階部分に神社が入っている?ように見える。
 


道路沿いの幟、注連縄や屋根の千木などは神社のようだが…


一般的に神社といえば鳥居をくぐって参道があり、拝殿の奥に本殿、と形式が決まっている。もちろん由緒によって例外もあるが、こういう形の神社は確かに見たことがない。

ストリートビューには、この神社の名前らしい「秋浦大社」という看板も映っていた。
「あきうらたいしゃ」と読むのだろうか?

「大社」といえばかつては唯一、島根県の出雲大社のみを示す呼び方だった。

明治時代に国によって神社の格付けが行われた際のトップ社格とされた社が、戦後の社格制度廃止によって後に「大社」を名乗るようになった例に三島大社、諏訪大社等がある。いずれも旧社格ランキングで最上位級の神社。マンションの1階部分にある神社の名としてはやや違和感がある。

いったいこの神社の正体は何なのだろう?
ちょっと怪しさを感じつつ、名前がわかった事で電話番号も判明したので直接問い合わせてみることにした。

しかし、何度か電話してみるも不在。
ますます怪しさが増してきた、と思いはじめたところで電話が通じる。

「はいタケダです」

え!? 
「あの、秋浦大社の電話番号では…」
「ああうちです」

電話口の男性によると、「1400年ほどの歴史があり、かつては宮中で天皇に呼吸法などを教えていた一門の流れで、火渡りや、真剣の刃の上に立ってぐるりと回るなんていう、まあ荒行なんかですよね、そういうのをやる、いわゆる古神道です。全国の神社から神職の方が勉強にお越しになりますよ」とのこと。なお、秋浦大社は「あきうらおおやしろ」と読むのが正しかった。

火渡り? 真剣の上に立つ? 古神道?
詳しく聞かなければならなさそうなキーワードがどんどん出てくる。

取材を申し込んでみたところ、快諾いただいたので実際に訪ねることにする。
とにかくここまでの先入観はまず脇に置いて、秋浦大社に行ってみよう。
 
 
 
謎の神社「秋浦大社」へ

 


ストリートビューどおりの外観 良くも悪くも近代的なデザイン
 

神殿の様子 一般的な神社に比べなんだか賑やかだ


まず、一番の疑問であるマンションの1Fに神社がある理由を秋浦大社の武田五八(たけだかずや)宮司にお話を伺った。
 


秋浦大社の武田五八宮司


「こういう形になっているのはやはり敷地の問題もあります」
と武田宮司。

「こちらの例祭では探湯式(たんとうしき)といって、大釜を焚いて熱湯をかぶったり、鎮火式(ちんかしき)という火渡りを行ったりしますので、外にそういう場所が必要なんです。神社なんだから玉砂利を敷くべきだというお声をいただいたりもしますが、車を停めたりもしなきゃならないんで…」
 


秋浦大社のパンフレットより。社殿前で行われる探湯式の様子


「それとこちらは神社でもありますが、古神道の研修道場のようなものなので、マンションの中に社殿があるのも、そういった意味合いが強いですね」

研修施設だからマンションの中に入っている。
理由になっているようななっていないような微妙なところだが、マンションと社殿が一体化している理由は結局、研修施設だからとの繰り返しの説明があるだけで、それ以上は語られなかった。


続いて、この謎に満ちた秋浦大社と古神道について、詳しく聞いてみた。