山手西洋館はどうして無料で入れるの?
ココがキニナル!
神戸の異人館は、入場料を取られるところが多いのですが、横浜山手の異人館は無料のところが多いのは何故でしょうか?運営費や修繕費はどこが負担しているのでしょうか?(keinakatさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
市の税金や募金・関連商品の売上げ、そしてボランティアの人達の支えで運営されており、多くの人に何度でも来て貰えるように無料にしている。
ライター:橘 アリー
そう言われれば、何でタダなんだろう!?
山手の異人館とは、横浜市中区山手町の山手本通り沿い近辺にある、明治~昭和初期に建てられた7館の洋風建築物で、現在は「山手西洋館」と呼ばれている。
平成22年度の来館者は合計88万人。
何をするのにもお金が必要なこの時代、維持管理に手間が掛りそうな西洋館を無料で観られるのは、やっぱりちょっと不思議に思える。
さっそく、山手の西洋館とはどんな所なのか7館全てを巡り、どのように運営されているのかを調べるため現地へ。
谷戸坂から登って行くと
山手の西洋館がある山手本通りへは、みなとみらい線「元町・中華街駅」から谷戸坂を登って行くルートと、JR線「石川町駅」から大丸谷坂を登って行くルートの2つがある。
道順が分かりやすく記されている、山手西洋館のガイドマップ
谷戸坂を登りきった所には、「港の見える丘公園」があり、その横に「横浜市イギリス館」と「山手111番館」がある。
「横浜市イギリス館」は、1937(昭和12)年に英国総領事公邸として建てられた。1969(昭和44)年に横浜市が取得し、1階ホールはコンサートなどに、2階集会室は会議等に利用され、2002年(平成14)年からは2階展示室と復元された寝室が一般公開されている。
横浜市イギリス館の外観(横浜市指定文化財)
モダンな雰囲気がある、復元された寝室の一つ
展示室で、とても楽しそうに観覧している女性グループとお会いしたので、「山手西洋館」の印象などについてお話を伺ったところ、「無料で観られるのは本当に嬉しい。今日はじっくりと西洋館巡りをする予定」と話してくれた。
東京から来られた、(左から)大野さん、弥吉さん、駒沢さん
「横浜イギリス館」の横には、「山手111番館」がある。
ここは、1926(大正15)年にアメリカ人ラフィン氏の住宅として建てられ、1996(平成8)年に横浜市が敷地を取得。建物の寄贈を受けて保存・改修工事を行い、1999(平成11)年から一般公開している。
山手111番館の外観(横浜市指定文化財)
2階には上がれないが、吹き抜けから見える回廊がモダンである
横浜イギリス館も山手111番館も、内外とも、ゴミはもちろんのこと埃も被っておらず、きちんと美しく保たれている。
毎日、色んな人が出入りする中で、これだけの状態を保ち続けるのは、相当の手間が掛るであろうから、やはり運営費が気になってしまう。