川のほとりに鎌倉時代の歴史が息づく町、はま旅Vol.51「鶴ヶ峰編」
ココがキニナル!
横浜市内全駅全下車の「はま旅」第51回は、自然や歴史、昭和の風景が混在する楽しい町、鶴ヶ峰駅周辺の旅。
ライター:山口 愛愛
横浜から相鉄線に揺られ、二俣川の1つ手前の駅、鶴ヶ峰。目立った名所は思い当たらないが・・・いざ旅のはじまり。
駅ビルココロットがある南口ではなく商店街側の北口からスタート
自然と人との調和が心地良い
駅を降り、商店街を抜け、厚木街道を渡って帷子川沿いを歩く。実は鶴ヶ峰に住む友人から、10時開店のいちごの直売所があり、午前中でも売切れるほどと聞いていたので、足を早めたのだった。
帷子川沿いの左手にビニールハウスが見えてきた。「おはようございまーす」と声をかけて二宮いちご園の直売所の中に入る。
まだ10時半だが、この日はお客さんのピークが過ぎたところ
残りわずか・・・。1パック500円~700円。大粒の「章姫」やジャム向きの小つぶもあり
お客さんの列が切れたらお話を伺い、いちごを買って帰ろうと思っていたが、「ごめんなさい、もう今日は売切れてしまって・・・」と店員さん。
記者の後から来た常連さんもいたが「いいのよ、また来るわぁ」と慣れた様子で明るく帰っていった。
一足遅かったかと反省していたが、土日・祝日はいちご狩り(30分、料金は時期によって変動)もできる栽培ビニールハウスの方へ案内してくれた。
約500㎡のハウスの中で気持ちよさそうに陽光を浴びている、いちごたち
中は湿気を帯び、もわっとしているが、緑の葉に艶やかないちごが映え、その姿が可愛らしい。(といっても、かじりつくのだが・・・)
赤々としたものから採っていただきます。うーん瑞々しい!
この園では高設栽培をしていて、しゃがみこんで土壌と戯れることもない。バリアフリーなので、この日も車椅子の方々が来園していた。駅チカ(徒歩10分)で地元産のもぎ立てフルーツを味わえるのが嬉しい。
若旦那(二宮社長)さんが「珍しい胡蝶蘭直売所もあるから行ってみなよ」と連絡をつけてくれたので、早速向かってみる。
歩くには遠いので、駅から中山行きのバスに乗り「辻」で下車。白根通り沿いにある、横浜大輪蘭華園へおじゃました。
横浜にこんなところがあるなんて。視界一面に広がる胡蝶蘭は圧巻!
横浜で唯一の胡蝶蘭栽培をしている直売所。中には5000株もあり、室温に注意をはらいながら約6ヶ月かけて育てるという。立派な3本立でも15,000円と破格の値段だ。都内中心部の花屋の半額~6割くらいの値段であろう。
「横浜市内はどこでも送料1000円ですよ!」オーナーの小林さん
国道16号方面に歩くと、左手に白根公園があり、遊歩道から山の懐に入って行けるようだ。歩を進めると、弘法太師作の不動明王が祀られている白根不動尊へと導かれた。源義家が小さな不動明王を兜におさめて戦で勝利したことから建立されたといわれている。
「白根のお不動さん」で知られる白根不動尊を紅白の梅が見守る
その先にはせせらぎが。上流へ向かうと、「白糸の滝」の石碑と万葉集で詠われた歌碑があった。
防人、服部於由が都筑郡から大宰府の警備に向かう際、妻を思って詠んだ歌
そしてだんだんと水の流れる音は強まり、滝が現れた。
白根神社境内を流れる川の滝。白糸の滝は落差3.5m、横幅7m
モバイルで調べてみると、この規模でも横浜市内最大級らしい。
不動尊や歌碑について書かれた建看板も読むと、源義家など歴史上の人物が色々と登場し、ゆかりのあった地だとがわかり、歴史を垣間見れ想像がふくらむ。
国道16号へ出てから厚木街道を通り、鶴ヶ峰駅周辺へ戻ろう。