三溪園で行われている観月会の様子は?
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三溪園で行われている観月会の様子はどんな感じ?
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闇に浮かぶ三重塔と名月。重要文化財の臨春閣で行われる幽玄な演奏。秋の虫たちの声。そしてお団子に月餅と秋の風情を満喫できる内容でした。
ライター:吉澤 由美子
本牧にある三溪園は、京都や鎌倉から歴史的に価値の高いある建造物を集め、卓抜した美意識で配した名園。
今回の三溪園観月会は、中秋の名月前後の9日(金)~13日(火)に行われる。
夕暮れの三重塔と月
普段は17時の閉園を21時まで延長して行われるため、夕暮れや夜の三溪園を味わう数少ないチャンスだ。
内苑の臨春閣では、日替わりで琵琶や琴、雅楽、チェロなどによる演奏や舞踏が行われる。
舞台となる臨春閣を横から眺める
臨春閣は、「西の桂離宮(かつらりきゅう)、東の臨春閣」ともうたわれた紀州徳川家の別荘。
数寄屋風書院造の重要文化財を舞台にした、豪奢(ごうしゃ)で風雅な催しだ。
今年は満月となる『中秋の名月』
2011年の『中秋の名月』は、9月12日(月)。
9日の月はまだ少しやせている。満月までもう少し
明治5年まで使われていた旧暦では7月~9月が秋の期間で、その真ん中の日である旧暦8月15日を『中秋』と呼ぶ。
現在の暦に比べると旧暦はほぼ1ヶ月遅いので、中秋は現在の暦では9月中ごろとなるが、旧暦のうるう月が入る年には10月にずれ込むこともある。
秋は季節によって変わる月の高度が見やすい位置にあること、天気のよい日が多いことから、月が一番美しい時期。
そこで、中秋に名月を愛でるという習慣が生まれたとされている。
雲に残照の甘いピンクが残る夕暮れの月と塔
月の満ち欠けに対応した旧暦では15日が満月となるはずだが、月の軌道が楕円。
しかも満月から次の満月までの周期が29日半であることから、中秋の日が満月にならないことも多い。
今年は、中秋が6年ぶりに満月。
12日の夜は、ぜひ空を見上げて、古から伝えられた名月を眺めてほしい。
夕方から夜にかけての三溪園
そろそろ夕暮れの園内に入ると、大池のほとりにトンボが飛んでいる。
秋の気配を感じる一瞬だ。
園内には、カメラを持った来園者が多く、暗くなるまで園内を散策する、東の空に昇り始めた月を眺めるなど思い思いに過ごしている。
仕事をリタイアしてから写真の魅力にはまったSさん。今日は写真仲間といっしょ
フジバカマや紅白のミズヒキといった秋の花が咲き始めているらしく、蝉の声に交じって秋の虫の鳴き声も聞こえる。
ススキも穂を出しはじめていた。
写真歴20年のK.S.さん。今は人を撮るのも楽しみだとか
大池を回って内苑に進むと、観月会演奏が行われる臨春閣が見えてくる。
庭に面した障子などが外され、すでに舞台の準備は整っている。
客席は前面に広がった芝生。舞台前には竹でできたベンチがいくつか置かれているが、早々に埋まってしまう。
芝生は分厚くふかふかしいているので直接座ってもクッションがある感じだが、少しチクチクするのでシートを持っていけば万全だ。
舞台に近づくと、今日行われる薩摩琵琶錦の奏者、荒井姿水(あらいしすい)さんがいらした。
荒井姿水さんは国内外で活躍されている薩摩琵琶の奏者で、女優の樹木希林(きききりん)さんの妹
「今日は琵琶のほかに、琴とコンテンポラリーダンスのパフォーマンスもありますよ」と教えてくださった。
近くに目立つ女性がいらしたので声をかけてみたところ、琴とダンスのコラボをされる演者の方だった。
二十五絃箏(25本弦の琴)の荒井美帆(あらいみほ)さんと、モダンバレエの森澤碧音(もりさわみお)さん
「こういった歴史ある建物で演奏するのは、特別なパワーをいただけます。気持ちをこめやすいですね」と美帆さん。
舞台は横から眺めることもできる。
中庭の池にかかっている亭榭(ていしゃ)という橋のあたりが絶好のピューポイントだ。
ススキと三方に盛った月見団子のお供え