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山手本通りから降りる「階段坂」の手すりにならぶ謎の金属の輪っかは何のためなのか徹底調査!

ココがキニナル!

フェリス坂(西野坂)のすぐ南側の階段の手すりにかなり大きな輪っかが並んでいます。これって単なるデザイン?それとも使用目的があるの?流し素麺ができそう(ジャン・ヨコハマさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

階段坂の名前と手すりが設置されたおおよその時期まではわかったが、手すりの上に立つ輪の存在理由は誰の記憶にもどこの記録にも残っていなかった

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ライター:永田 ミナミ

まずは現場を確認



山手本通りから元町へと降りる、眺めの良い階段坂の手すりの上部にならぶという「鉄製の輪っか」とはいったいどういうものなのか。
 


まず眺めの良さを前面に押し出すとこういう坂であり
 

降りていくと左へ曲がるヘアピンカーブがあり
 

坂の上には右に中央大学敷地、左の森はフェリス女学院中学校・高校
 

という階段の両側にある手すりに点々と連なるこの輪っかであり
 

ここ階段坂の頂上から下りきるところまで連なるこの輪っかである

 
2つのヘアピンカーブを持つ急階段坂は、両側に緑が奔放に溢れる自然豊かな坂だ。階段は132段。また、ゆったりとした空気が流れる山手のなかでもひと際ゆったりとした空気が流れ、そして西洋館がならぶ山手とはまた違った趣がある坂である。

写真から分かるように、手すりもその上にならぶ輪も、群青色の塗装はそのほとんどが剥(は)がれ、剥がれたところは赤黒い錆(さ)びが分厚く覆っている。

つかみやすさという利便性からみると、輪をつかんで上り下りするには間隔が長くまちまちで、手すりをつかんで上り下りするときには障害物になる。かといって装飾にしては、あまり装飾らしくない簡素な鉄の輪に見える。
 


確かに投稿にあった流し素麺説がにわかに現実味を帯びるほどに用途不明な輪
 

しかしこの傾斜とヘアピンカーブでは素麺もコースアウトしてしまうか
 

ちなみに場所はこの地図の赤い部分
 

もう少し拡大してみるとこんな感じ。坂の名前は仮称である

 


現場で聞き込み



ここまでの眩しい太陽が降りそそぐ写真は、最近あらためて撮影したものだが、実はこの取材は、まだ雪が残る2月に開始していた。というわけで時間を2月に巻き戻す。
 


雪の残る鉄輪坂(仮)

 
2月某日

さて、白い息を吐きながら遠い夏の流し素麺説に思いを馳せてみたりしていたが、ひとりで妄想を膨らませていても埒(らち)が明かないので、階段附近にお住まいの方に話を伺ってみることにした。

すると匿名で取材に応じてくださったAさんから、さっそく「かつて自分が地区会長をしていたときに、市に働きかけて階段をつくってもらった」という有力情報が。

工事が行われたのは、記憶は定かではないが38年ほど前だったのではないかという話だった。階段ができるまでは舗装されていない砂利道の急坂で、雨の日などは上り下りが大変だったそうだ。
 


たしかに階段がないころはかなり険しい坂だっただろう

 
階段坂がつくられる過程に直接関わっていたAさんだが、階段と同時に手すりがつくられたことまでは覚えているものの、輪のことについては市から説明を受けた記憶はないという。近くに住んでいてどう感じているか聞いてみると「何かしらねえ。飾りじゃないかしら」という答え。つかまりやすいといえばつかまりやすいが、特に役に立ってはいないし、そもそもあまり気にしたことがないそうだ。

ひとまずAさんにお礼を言い、市に問い合わせてみることにして現場をあとにした。