横浜駅でのビッグイシューの販売場所はどう決まる?
ココがキニナル!
横浜駅でビッグイシューを販売している方が二人いますが、人通りを考えるともっといい場所があるように思います。横浜市が許可を出していないということなのでしょうか。(サムライさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
ビッグイシューは移動販売という形態を取っているので許可は必要ない。人通りや警察、警備員とのさまざまな駆け引きで販売場所を決めていた。
ライター:枚田 貴人
ビッグイシューってなに?
日本中、人通りの多いところでは、チラシを配ったり、募金をお願いしたり、はたまたなにかを販売していたり。路上ではいろんな人がいろんなことをやっている。今回、キニナル投稿があったビッグイシューもその路上活動の一つである。
ビッグイシューとは、ホームレスだけが販売している隔週の雑誌。国内外の記事や音楽、映画などの記事で構成されているオピニオン誌である。イギリス発祥で、ホームレスに仕事の機会を提供し、社会復帰に貢献している。売り上げの一部が販売者の収入となる画期的な流通と販売形態をもった雑誌だ。以下に、その仕組みをビッグイシューのホームページより抜粋しておく。
定価300円の雑誌をホームレスである販売者が路上で売り、160円が彼らの収入になります。最初の10冊は無料で提供し、その売り上げ(3,000円)を元手に、以降は1冊140円で仕入れていただく仕組みです。
(ビッグイシュー日本HPより抜粋)
最新号とバックナンバーをそろえ販売している
道路使用について。警察、そしてビッグイシューの対応は
しかし、多くの人が利用する路上での活動には、その土地を管理、管轄する所の許可が必要になると思われる。
そこで横浜駅を管轄している戸部警察署に道路の使用について電話取材を試みた。
―道路使用許可証について教えてください。
「多数禁止区域を設けており、それ以外の歩道で許可を出しています。一か所に1名まで、最大4か所まで許可を出しています。禁止区域かどうかは、申請時に確認をしています」
―ビッグイシューに許可は出しているのでしょうか?
「販売は禁止しているので苦情があれば撤去してもらいます。許可証は出していません」
以上のような答えがかえってきた。
ということは、ビッグイシューは無許可で路上販売をしているということなのだろうか?
有限会社ビッグイシュー日本の森氏に確認をとってみた。
―どのような場所で販売をされているのですか?
「乗降客の多い駅前などです。販売者同士がバッティングしないように、場所を振り当てています。
ただし、通行の邪魔にならないよう配慮し、公道で販売しています」
―道路使用許可証は?
「取っていません。移動販売というかたちでやっておりますので」
―移動販売は道路使用許可証はいらない?
「ええ、そうです。その申請はいりません」
―移動販売とは?
「交通の妨げにならないように、いつでも移動できる状態で販売させていただいています」
道路での販売行為を禁止している警察と、移動販売というかたちで活動しているビッグイシュー。そして警察は“苦情が来れば”撤去してもらうと言い、ビッグイシューは“交通の妨げにならないように”配慮しているという。
非常に曖昧だ。
いったい路上販売の現場はどうなっているのだろうか?
横浜駅西口と東口に立つ2人の販売者に直撃
よく晴れた午後一時、意気揚々と横浜駅の改札を出て、ポケットタオルで一度額の汗を拭き、胸を高鳴らせ、西口へと向かった。
そこは、西口ダイヤモンド地下街の入口。
「すいません、一部ください!」
と、300円を右手に握りしめ販売員に話しかけた。細野晴臣さんが表紙の167号ゲット!
そして、取材である旨を伝えKさん(匿名希望)にお話を聞かせていただいた。
以下、その内容を一問一答形式で紹介しよう。
Kさんが立っているテカリのあるタイルがダイヤモンド地下街の敷地でガードマンの管轄
そこから一歩でると道路となり、警察の管轄となる
―いつもここにいるのですか?
「だいたい、まあ、夕方ね。5時から8時の間は必ず」
―ビッグイシューの販売はいつから?
「去年の12月かな」
―それまでは?
「いろいろですね。建築関係とかね」
―ここを選んだポイントは?
「一番の問題は、人通りですね。人がいないと話しになんないですからね。まあそういうとこはいろいろうるさいわけ。ガードマンとか、警察官とか、道路交通法違反とかね」
―ここ以外にもどこでやってますか?
「(ヨドバシカメラ前の広場を指さし)あの広場。あそこでずっとやってるよ。あそこはうるさくはないからね」
西口はものすごい人の流れだ
―どれくらい収入がありますか?
「一日10冊売れればいいほう。10冊って言うと3000円ですね。食べていくのにせいいっぱいですよ」
―寝泊まりはどうされているのですか?
「ホームレスですから、金のある時は寿のドヤ街で寝たり。1500円、2000円で寝れますから。あとは深夜喫茶ですね。最近はあったかくなったから、公園のベンチでも寝れるね。真冬じゃ、公園は死んじゃうけど」
―これから梅雨がきますが、どうされますか?
「梅雨が来るとね、どうしてもやれなくなっちゃう。考えますよね」
この日のこの時間帯は、ダイヤモンド地下街の入口で販売していたため雨はしのげるが、もし移動しなければならなくなった時、選ぶ場所が難しくなるようだ。
「西口の相鉄側には交番があるから、こっちでは販売は厳しいね」とKさん