シウマイだけじゃない! 崎陽軒で販売していた幻の商品たちを特別レポート!
ココがキニナル!
小さい頃、洋光台駅で新聞の自販機みたいな崎陽軒のシウマイの自動販売機を見た記憶が。今もある?(hangaoさん)/崎陽軒、かつてみなと寿司と言う寿司の駅弁があったそう。(南区のはまりんさん)
はまれぽ調査結果!
洋光台駅に自動販売機があったかどうかは不明。1970年から1978年まで東横線沿線駅に設置。みなと寿司は1973年から2000年まで崎陽軒店舗にて販売
ライター:人見 静馬
横浜市民の心を捉えて離さない崎陽軒のシウマイ。
横浜のアイコンという立ち位置を確立している崎陽軒の主力商品「シウマイ」や「シウマイ弁当」。
主力商品だけではない「崎陽軒」としてあるために開発され、そして人知れず販売終了となった知られざる商品たちに着目したい。
崎陽軒へ
投稿によると「洋光台駅に崎陽軒のシウマイの自動販売機があった」という。
自動販売機で・・・シウマイを・・・。実に尖った発想である。日持ちしないシウマイを自動販売機で販売するとなると、冷凍なのだろうか? 即食べられる弁当が出てくる? それともシウマイ単体? 売り上げはどの程度だったのか?
自販機から出てくるところが想像できない
浮かぶ疑問は枚挙にいとまがない。しかも寄せられた投稿はこれだけではない。「かつてみなと寿司と言う寿司の駅弁があった」というキニナル情報が。今回は崎陽軒が過去に発売した商品を一挙レポート!
崎陽軒本社入り口付近でもシウマイが売られている
崎陽軒本社があるのは「ヨコハマジャストビル」
崎陽軒本社は、横浜駅東口を出て5分ほど歩いた場所にある。
中にお邪魔し、広報部に連絡を取ってしばし待つ。通されたのは、パーテーションに区切られた場所。忙しく走り回る社員さんはどの方もスーツを着こなしており、そこだけ見たのでは何の会社か分からない。
なんとなく、シウマイ・オブジェが飾られたオフィスに崎陽軒ジャンバーのような服を思い浮かべていたのだが、そんなことはなかったようである。当たり前か。
自動販売機
担当してくださったのははまれぽでもおなじみの柴田さん。手にはたくさんの資料。頭が下がる。
ハスキーボイスが魅力的
しばらく崎陽軒の歴史を交えて雑談。
1908(明治41)年創業の「崎陽軒」。その名は、創業者の1人、4代目横浜駅駅長の久保久行氏の出身地である長崎から名付けられているという。長崎には、太陽が昇る岬という意味の崎陽という別名があるらしいのである。知らなかった。
初代社長 野並茂吉氏。レジェンド・オブ・シウマイ
また、なぜ「シュウマイ」ではなくシウマイと言うか――おそらく多くの方がウマイ(美味い)から来ていると思っておられるだろう。事実、そうアナウンスをしてもいるらしい。だが、実はそれは後付けなのだという(!)。
考えてみれば、シュウマイでも「ウマイ」は入っている。小さいユを抜く理由にはならない。
「シウマイ呼び」の本当の理由は、初代社長がシュウマイと上手く発音できず「シーマイ」となまって発音していたのを、当時の中国人スタッフが現地での発音「シャオマイ」に近いとお墨付きを与え、最終的に「シウマイ」としたのだそう。なるほど~。
さすが名広報、柴田さん・・・。さまざまな話が飛び出る。
1928(昭和3)年からの変わらぬ味
しかし、である。残念ながら、自動販売機のことで分かるのは以下のとおりの情報のみ。
洋光台駅に設置していたかどうかは、崎陽軒でも把握できないそうなのである。パソコン環境も無い古い話だからなぁ。
というわけで、自動販売機に関する情報は以下の通り。
商品は「真空パックシウマイ」という常温で長期間保存できるもので、1970(昭和45)年9月28日から1978(昭和53)年9月30日まで設置ののち全面撤去。設置場所は東急東横線、大倉山、綱島、日吉、元住吉、武蔵小杉、田園調布、自由ヶ丘、大岡山、学芸大学、中目黒、渋谷の計11駅だったそう。
設置当時の自販機の広告が入っている(写真下部)
これが自動販売機(写真提供:平尾秀明氏)
ここでは東急中心の情報であったが、柴田さんによると、ほかの沿線駅にも設置していた可能性は否定しきれないとこと。この件について何か情報を持っている方、是非ともご一報いただきたい!