大量の放置自転車がほぼ消えた!? 大倉山駅周辺で行われた対処法とは?
ココがキニナル!
東横線の大倉山駅、数年前まで駅前に大量の不法駐輪がありましたが。今現在はほとんどなくなりました。どこが、どんな方法で、どれだけ費用かけて対策したのか、キニナル! (烏龍茶さんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
2013年の暮れから、土日も放置自転車の撤去作業を横浜市が実施。現在の状況まで放置自転車をなくすのに、費用は約230万円がかけられた
ライター:クドー・シュンサク
今から約30年前、とある機構が小さな社会問題としてテレビコマーシャルで取り上げていた放置自転車問題。自転車の「撤去」という作業が行われたのはそのころが始まりとされている。
迷惑駐輪や無断、違法駐輪と呼ばれ、一部の方々が一部の方々に迷惑をかける行為。と、気づかぬところで迷惑がにじみ広がっている違法駐輪の実態とその様相。
東急東横線の大倉山駅にあったという大量の放置自転車。どれくらい大量で、どのようにしてなくなったのか。港北区役所にて話を伺うことに。
横浜市、港北区が例外として行った放置自転車の対処
まずは、大倉山駅前の放置自転車の様子をおさめた写真から。
車道に並ぶ自転車と車で道が狭まっている(2013年夏ごろの写真)
この違法駐輪された自転車がいかにして、どれくらいの費用をかけてなくなったのか。港北区役所の地域振興課にて話を伺う。
それでは
よろしくどうぞ
地域振興課地域活動係の中村さんと倉井さん。違法駐車・駐輪に関して、125cc以下の普通自動二輪車と自転車においては横浜市・自治体が担当し、それ以上の自動二輪車と四輪車に関しては警察が取り締まるという決まりがあるとのこと。放置自転車に関してはいくつかの対策を行ってきたという。
横浜市は独自の対策を行っているとのこと(写真左から中村さん、倉井さん)
主に放置自転車が著しい駅では、その現場に監視員を配置。そのための予算を確保し実施しているという。その中でも民間ボランティアを活用する監視事業の補完策は2007(平成19)年から港北区が独自に実施しているとのこと。
そして大倉山駅のみで実施している作業が休日の撤去作業
通勤・通学による駅での放置自転車があるので平日に撤去を強化しても、土日は撤去されないという認識は残ったようで、特に休日に放置自転車があふれるという事態にもなっていたという。
そこで港北区の担当者は2013(平成25)年11月から休日を返上し、土日の放置自転車監視員の配置と撤去作業を強化し、放置自転車の減少に努めた。冒頭の写真にある道路に、強化前に50台前後あった放置自転車が、現在はほとんどなくなったそうだ。
2014(平成26)年のデータは確定していないが、大倉山についてはほぼゼロになっているそう
放置自転車によって広がる迷惑の範囲には、歩行するお年寄りや子どものケガ、道幅が狭くなり歩行者が通行できなくなるというトラブル及び、通行車両が道を通れなくなり、一度車から降りて自転車を端に寄せ、車に戻るということも多発したという。
ここで駐輪場の問題について尋ねてみた
区役所へ伺う前に調べたところ、現在横浜市内の東横線各駅に近い駐輪場は軒並み満車状態で、定期駐輪契約を申し出ても短くて半年から2年、長いところでは6年から10年も待つという状況になっているという。
駐輪場の増設については何度も話になっているというが、現状すぐさま増設するということも多くの問題を抱えているので難しいとのこと。
どうしましょう
駅から遠く離れた地域にお住まいで、通勤・通学に自転車が必要不可欠な方々は駐輪したくてもできない現状。横浜市が違法駐輪をなくすのに自転車の撤去、保管作業や有料駐輪場の配置や運営、施設整備やマナーアップの事業諸々に約230万円(2013〈平成25〉年度)をかけ、東横線大倉山駅の放置自転車問題はおさまりを見せているが、駐輪場が増えないことで出るシワはどこに寄っていくのでしょうか。
どこでしょう
放置自転車は、正しいことではないのは間違いなく、その問題を解決するのに多大な費用と尽力がかけられていることは分かった。良くないことは良くないです。が、市民に向けたより良い対応を、役所などが「難しい」という理由で解決できないという状況も良くない。もう一山、尽力していただくのが良いのでは。いつの時代もこういう話になります。
次のページでは駅前の駐輪事情を見てみたいと思います