横浜にあるこだわりの「シェフ一人で切り盛りするレストラン」はどこ?
ココがキニナル!
菊名に「カーサビアンカ」という、シェフ(多分独身でとっても感じのよい)一人で従業員なしで美味しいイタリアンとワインを安価で食べれるレストランが。ここを取材して下さい。(じぇじぇさん)
はまれぽ調査結果!
シェフが1人で切り盛りする、菊名のイタリアンレストラン「カーサビアンカ」と綱島のフレンチレストラン「ビストロサンファソン」をご紹介。
ライター:三輪 大輔
ある日の打ち合わせ中。いつも笑顔のノブナリさん(織田○成に激似の編集部・小島)に、取材の進捗状況を報告し、来週の予定を伝えていた。しかし、同行予定であった「カーサビアンカ」の取材には一緒に行けないとのこと。「仕方ない、1人でいくしかないか」と思っていると、ノブナリさんからまさかの一言が。
「あっ! 食事シーンの写真はおさえてくださいね」
いやいや、1人で行くんですけど・・・。
そして、さらに追加の一言。
「あと、綱島にもシェフが一人でお店を営んでいるレストランがあるらしいので、お願いします!」
・・・殿(編集部・小島)の笑顔の裏には、狂気が隠されているに違いない。
我輩の「殿」である、織田○成に激似の編集部・小島の笑顔をどうぞ!
菊名駅にあるイタリアンレストラン「Casa Bianca(カーサ ビアンカ)」へ
最初に、東急東横線菊名駅にあるイタリアンレストラン「Casa Bianca(カーサ ビアンカ)」に行ってみることにした。投稿によると「とっても美味しいイタリアン」とのことで、あえて朝から食事は抜き。ガッツリと、食事を堪能できるコンディションで菊名駅に到着した。
まずは店までの道順であるが、菊名駅の西口を出てからJRの高架下を潜り、西口商店街へ。
東急東横線の菊名駅を西口に降りる
JR横浜線の菊名駅でも、もちろん大丈夫
横浜線の高架下を潜って、さらに先へと進む
西口商店街に到着。さまざまなジャンルの店が軒を連ねている
そして商店街の入り口を、どんどん先に進んで行き、八百屋さんの角を右に曲がると・・・
八百屋さんを右に曲がると、さらに路地が続き・・・
あった!
店先でイタリア国旗のたなびく場所が、イタリアンレストラン「Casa Bianca」だ。徒歩で3分もかからないほど、駅から近い。
イタリアンレストラン「Casa Bianca」に到着
腹が減った野良犬状態の著者。良い香りに誘われて、早速店の中へ!
扉を潜ると「いらっしゃいませ」と柔らかな声がお出迎えしてくれる。その声の主こそCasa Biancaのオーナー中曽根修(なかそね・おさむ)さんである。座席が8席の店内は、アットホームな雰囲気だ。テーブルや調度品も落ち着いたものを使用しているので、思わず長く過ごしてしまうような空間になっている。
Casa Biancaのオーナー中曽根修さん
「な、なにかご飯を・・・」と腹を空かせていた著者であるが、まずは中曽根さんに、同店についてお話をお伺いすることにした。
「腕試しがしたかったんですよ」と、中曽根さんが開店のきっかけについて話してくれた。「一回、店を持ってみて、自分に何が足りないか知りたかったんです。それと店を持って頑張っている姿を、親に見せたかったこともありますね」
Casa Biancaは2011(平成23)年の2月、中曽根さんが30歳の時にオープンした。独立に至るまで、中曽根さんは料理一筋の人生を歩んできている。
イタリア料理の奥深さを感じることができるメニューが用意されている
「群馬県の実家が梨農園を営んでいて、幼いころ、父が梨の皮を長くつなげたまま剥く姿に憧れていました。小学2年のころには包丁を使い、学校の家庭科では料理も率先して作っていましたね。群馬県は、パスタの消費量が日本一なんです。そうした土地柄も食に対する好奇心を後押ししました」
専門学校に入学し、卒業後は和食から料理人のキャリアをスタートさせる。その後、地元の群馬でパスタに惹かれたこともあり、イタリア料理に転向。都内のレストランなどで、パスタやピッツァなど中心にイタリアンの腕を磨いてきた。
「菊名に出店したきっかけは、趣味のサーフィン仲間との縁から生まれました。当時、物件を色々と探していたんです。サーフィンもできるから、湘南がいいかなとか思ったりしてましたね(笑)。そんな時に、ここを紹介されて、自分の腕を試すには良い所だと感じて独立に踏み切りました。この2月で4周年を迎えます」
4周年を祝う花が贈られ、店先に飾られている
菊名には周囲に本格的なイタリアンレストランがないからこそ、できる挑戦があった。そして、中曽根さんは1人のシェフだからこそできる、店づくりを今日まで行っている。料理のこだわりはどこにあるのだろうか。
「その時々の旬な食材を使うようにしています。そのためメニューもそれに合わせて定期的に変えているんです。実は、実家では梨以外にもリンゴ、ブルーベリー、イチジクなども作っています。こうした自家農園で作ったものも使用していますね」
ちなみにランチは2週間に1回、ディナーは1ヶ月に1回、メニューが変更されているそうだ。
1月のメニューが張られているディナータイムの看板
Casa Biancaのこだわりはこれだけではない。
「パンやパスタなども全て手づくりで、既製品は使っていません。どこの店でも出せるようなものは出さない。それが店のモットーにもなっています」
本格的なイタリア料理を食べることができるお店。それがCasa Biancaだ。ちなみに現在、ワインに関してはラインアップを再度考案中とのことで、お楽しみに!
こちらもオーナー手作りの「紅花たまごプリン(400円 〈税込〉)」
色鮮やかに輝くプルプルで美味しそうなプリン
店内には、たくさんのワインボトルが置かれている
イタリアのビールであるモレッティ(左)とメッシーナも注文可能(ともに800円〈税込〉)
ここで空腹が限界に達した著者。それを察してくれたのだろうか。中曽根さんにCasa Bianca一押しの料理を作ってもらうことになった。
料理が出来上がるまで、ランチタイムに来店されていた、純子(じゅんこ)さんと、由美(ゆみ)さんのお二人に店の感想を聞いてみることにした。ちなみにCasa Biancaの営業時間は、ランチタイムが午前11時から午後3時までで、ディナータイムは午後6時から午後11時までとなっている。
常連の純子さん(左)と、お友達の由美さん
―よくお店には来るんですか?
純子さん「定期的にお店には来ています。美味しいのに、とっても安いのよ。コストパフォーマンスが、すごくいいですね」
由美さん「実は、純子さんに誘われて、今日初めて来たんだけど、すごい良いお店でした。料理も美味しかったです!」
なるほど。友達に思わず紹介したくなるようなお店という訳だ。「シェフは、ぱっと見は大人しそうだけど、話すとオモシロい人なのよ」と純子さん。それでは、店長にそろそろ「独身かどうか」について突っ込んでみようかと思っていると、良い香りとともに料理が運ばれてきた。
調理をしてくださるオーナーの中曽根さん。いい香りが漂ってくる
この日、作っていただいたのはランチタイムのコースで出しているメニューだ。ちなみにランチはAコース・Bコースの2種類あり、Aコースは1300円(税込)、Bコースは2000円(税込)となる。
内容はAコースなら「有機野菜のサラダ」「本日のスープ」「本日の前菜盛り合わせ(+300円)」のうちから1品、自家製パン、パスタ、本日のデザート、そしてコーヒーか紅茶。Bコースだと、メインディッシュが追加され、魚か肉を選択することができる。
ディナーは予約制となっている。しかし席が空いているときは、アラカルトやセットのメニュー看板をだして、急な来店にも対応しているという。
この看板が出ていたらチャンス! この日はアラカルトディナーセットが用意されていた
まずは「有機野菜のサラダ」と「本日のスープ」、そして「本日の前菜盛り合わせ」に「自家製パン」が運ばれてきた。この日の「本日のスープ」は「サツマイモ冷製スープ」「本日の前菜盛り合わせ」は「イタリア産生ハム」に「フリッタータ(イタリア風オムレツ)」「フォアグラとじゃがいものパテ」だった。
左奥は有機野菜のサラダ。自家製の野菜が使用されている
「イタリア産生ハム」や「フリッタータ(イタリア風オムレツ)」は、オーナーの中曽根さんの工夫が感じられ、1皿ごとにストーリーを持っている。イタリアンってピザやパスタだけでなく、こんなにも幅広いものなんだと改めて実感した。
続いて登場したのが「帆立小柱・オリーブ・ケッパーのトマトスパゲッティ」だ。ランチコースでは3種類あるパスタの中から1つ選ぶことができる。この日は、これ以外にも「アサリとほうれん草のクリームスパゲッティ」と「岩ダコとルッコラのぺペロンチーノスパゲッティ」が用意されていた。
帆立小柱・オリーブ・ケッパーのトマトスパゲッティ
「早速、食べ始めよう!」とした時、ノブナリさんの一言を思い出す著者。「早く料理を食べたい!」という本能と、「殿(編集部・小島)の期待に応えたい!」という気持ちが、心の中で激しく葛藤する。ただ、店長に撮影してもらうわけにもいかない。仕方ない自撮だ。
見苦しいシーンもございますが、予めご了承ください。
まずは、メインの「帆立小柱・オリーブ・ケッパーのトマトスパゲッティ」を試食。
トマトスパゲッティよ、僕の口に運んでもいいかい?
もう我慢できない! トマトスパゲッティにかぶりつく
・・・う、うまい!
さまざまな食感が弾けて、口の中で味が広がっていく。トマトの香りは濃厚であるにも関わらず、癖がなく、すんなりと味わうことができる。甘みや酸味など、バラエティに富んだ旨みを一皿で味わえるパスタだ。
口の中いっぱいに広がるうまさを堪能。至福の瞬間だ
次に、フォアグラとじゃがいものパテを試食。
フォアグラも乗っているので、大切に口に運ぶと・・・ブ、ブオーーーノ!
想像以上の美味しさにびっくり!
ズッシリとしたフォアグラに肉の旨みが凝縮されている。自家製パンとパテの相性も抜群に良くて、思わず一口で食べきってしまいそうになった。
ここで、中曽根さんに過去のメニューの写真も見せてもらったが、そのメニューのラインアップは幅広い。
8月のコースメニュー
エゾ鹿のローストクランベリーソース
フォアグラテリーヌ白桃ソース
和梨のコンポート いちじくアイス添え
最後に中曽根さんに、今後の目標についてお伺いしてみた。
「将来は、海の近くでペンションをやって、料理もサーフィンも楽しめる場所を作ってみたいですね。自分もサーフィンを教えながら、波に乗れたら最高だと思っています」
ちなみに中曽根さんは独身であった。中曽根さん、実は取材中に言えませんでしたが僕も32歳・独身(タイプは新垣●衣)です。自撮をしていたら、独り身の寂しさがひしひしと身に染みて言えませんでした。 海の近くのペンションができた際は、ぜひ遊びに行きます!
ちょっと贅沢をしたいときは、ぜひ「Casa Bianca」に