日吉の「赤門坂」、赤門は血を隠すために赤い?
ココがキニナル!
日吉にある赤門坂。噂では事故とかで亡くなった方の血で染まった門を、何度色を塗っても赤が染み出てしまうため赤色に塗り、坂の名前も赤門坂になったとかいう怖い話。本当なの?(つよまるきさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
ウワサは単なるウワサ! 実際は、お寺に言われて門を赤く塗ったのが元になっていた!
ライター:田中 大輔
港北区にある赤門坂は、東急東横線の日吉駅から10分ほど歩いた横浜市立日吉台小学校の先にある。
周囲は一戸建てのほか、マンションやアパートが多く見られる住宅街。小学校だけでなく、慶応義塾普通部(中学校)や市立日吉台中学校などもあり、通学に坂を通る子どもの姿もちらほら。
けっこう勾配のきつい坂で、若い男の人でも自転車を押して登っているのを見かけたりもした。
坂のてっぺんにある坂名表示。裏側はひらがなの表記
下校の子どもたちや、付近に住んでいる人などで、人通りは多い
さて、そんな赤門坂だが、キニナルのようなおっかない理由で名前がついたのだろうか。現地に着くと、いきなり下のような看板を見かけたので、もしかして・・・なんて気にも。
事故の目撃者を募る看板。やはりこの坂は事故が多いのだろうか…
調査開始!
さっそく、坂を行き来する地元の人たちに聞き込み調査を開始した。この辺りは事故が多いのか、と聞いてみると、話を聞いた全員が「そんなことはない」という答え。
40年近く近所に住むという男性は、「ひったくりは多いらしくてパトロールしたりしてるけど、事故は聞いたことがないなぁ」とのこと。ちなみに、この男性がこの辺に住み始めたころは、すでに赤門坂という名前がついていたそうだ。
通行人に取材をしながら坂を下っていくと、「あ、これが由来だ」とパッと見で分かってしまうほど明らかな建造物を発見。
「赤」い「門」が「坂」の途中に。明らかにコレです
坂の真ん中辺りにある民家の門で、どう考えてもこれが坂の名前の由来だろう。
歩いていた人に聞いてみても、このお宅が坂の名前の元なんだそうだ。
地元ではわりと知られた話らしく、かなり昔からある家らしい。
とりあえず、通行人に話を聞きながら坂の一番下まで歩いてみたところ、坂の下で金蔵寺というお寺への案内板を発見した。どうやら、貞観年間(じょうがん/859~876年)に建てられたと伝えられるお寺で、古くからこの辺りにあるようだ。
まずはこちらから当たってみることにした。ところが、住職に話を聞いてみても、キニナルにあるようなウワサは聞いたことがない、ということだった。
金蔵寺は七福神の寿老人も祀られている大きなお寺
結局のところ、キニナルにある血染めの赤門のウワサを聞いたことのある人は、今回の取材ではゼロだった。こうなれば、やはり本丸へ取材をお願いするしかない。