週7日出動! 横浜の港内部を守る「はたらく船・パトロール艇」を調査!
ココがキニナル!
台風24号の荒天時に、臨港パーク前の海に数席の船が出ていました。海の安全などを守る方々が出動していたのではと思いますが、どこの組織が何のために船を出しているの?船酔いはしないの?(フタゴノチチさん)
はまれぽ調査結果!
横浜市港湾局のパトロール艇と港務艇が海上や周辺河川を巡視。航路上の油流出や漂流物の発見、不法係留の抑止などの活動をしている。あまりに荒天の場合は出動はせず、基本的には船酔いはしない
ライター:はまれぽ編集部
2018(平成30)年9月末、台風24号が非常に強い勢力で日本に上陸した。市内では台風の影響で、大木が折れたり電線から火花が出たり、JR各線が計画運休するなど大きな被害をもたらした。
そんな中で、臨港パーク前に数隻の船が出ていたというのだ。投稿には、「海の安全などを守る方々が出動していたのではないか」とある。荒天時に船を出す勇者か、それはとてもキニナルぞ。
と言っても、実際にどんな船かも分からない。ほとんど情報がないまま、まずは横浜市の危機管理室に問い合わせてみた。すると、「港湾局のパトロール艇の可能性が高い」との回答。
むむむ、パトロール艇とな・・・・キニナル!
ということで、パトロール艇の調査を開始!
パトロール艇なる船が管理されているのは、横浜港大さん橋の手前にある「大さん橋ふ頭ビル」の奥。
大さん橋に行く途中でよく見かけるビル
対応してくださったのは、横浜市港湾局保全管理課の堀内誠(ほりうち・まこと)さん。
「たしかに、台風24号が上陸した9月30日にパトロール艇が臨港パーク付近に出動しました」とのことで、投稿に寄せられたのは港湾局の船で間違いないようだ。
パトロール艇が管理されている場所は普段立ち入り禁止だが、今回は特別に見せていただくことに。
ブルーの制服が港町にぴったりだ
はたらく船・パトロール艇
パトロール艇は土日も含めた週7日間、港湾区域河川筋や運河筋を巡視する「はたらく船」。
5トンほどのモーターボート
計2隻あるパトロール艇は1号、2号と名付けられ、主に不法係留をしているプレジャーボートに注意を促したり、台風などの影響で壊れた岸壁などの確認を行っている。9月30日は、横浜港内部の巡視を行っていたそうだ。
船内は操縦席も含め、4人ほどが座れる広さ
パトロール艇もベイスターズファン!
取材日は、木村船長と石原さんに横浜港内と普段巡視している河川を案内していただいた。実際にどんなお仕事をしているのか海上の様子と合わせて紹介しよう。
写真左から石原さん、木村船長
横浜港内
人生で5回ぐらいしか船に乗ったことがない筆者は船酔いしないか心配だったが、とくに問題なく大さん橋から瑞穂ふ頭(みずほふとう)前に到着。瑞穂ふ頭は通称ノースピアと呼ばれ、1945(昭和20)年に米軍の接収地とされ、現在は在日アメリカ陸軍及び在日アメリカ海軍湾岸施設として使用されている。
30メートル以内には近付くことができない
2001(平成13)年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件直後は、ふ頭に銃を持った兵士が立っていたという。瑞穂ふ頭の岸壁から30メートルは立入禁止海域なので、何か起こっても自己責任。
また国際航海に携わる外航船からも30メートルの距離をとることがルールで、そういったルールを知らずに釣りをしている人などにも注意を促すことがある。
どこからやってきたのか、鈴繁町(すずしげちょう)の防波堤に釣り人がいた
ゴミなどの回収は海上清掃船に委託。輸送会社が多い区域なので風で飛ばされたドラム缶などを発見することもあるそうだ。
金沢区の方まで出動することもある
海上での出会いについて木村船長は、「船内に魚が入ってくることもあるし、東京湾ではイルカやクジラを見たこともあります。ただ、鳥が乗船してきたことはないですね。カモメは近くで見るとあまり可愛くないんですよ」と話してくれた。