週7日出動! 横浜の港内部を守る「はたらく船・パトロール艇」を調査!
ココがキニナル!
台風24号の荒天時に、臨港パーク前の海に数席の船が出ていました。海の安全などを守る方々が出動していたのではと思いますが、どこの組織が何のために船を出しているの?船酔いはしないの?(フタゴノチチさん)
はまれぽ調査結果!
横浜市港湾局のパトロール艇と港務艇が海上や周辺河川を巡視。航路上の油流出や漂流物の発見、不法係留の抑止などの活動をしている。あまりに荒天の場合は出動はせず、基本的には船酔いはしない
ライター:はまれぽ編集部
船酔いは・・・しない!?
海から河川へ移動すると、波の様子も穏やかになった。
木村船長と石原さんに「荒れた海に出て船酔いしないんですか?」と聞くと、「小さい船と大きい船で揺れ方が違うので、人によって得意不得意はありますが船酔いはしませんね。また基本的に風速15メートル以上で波が高い時などは安全のために出動しません」とのこと。
揺れはほとんどない
汽車道の下をくぐり
護岸が壊れていないかなどをチェック。毎日見ていないと変化は分からない
汽車道では、河川沿いに下りてきて遊ぶ子どもや、牡蠣を捕りにくる外国人に注意をすることも多い。パトロール艇は午前と午後の各2時間ずつ巡視しているので、「誰かに見られている」という意識を持ってもらうことも仕事の一つ。ゴミを捨てようとしている人と目が合って、その手を止める光景に出くわすことも珍しくないのだとか。
入ってはいけない所で釣りをしている人にも注意する
プレジャーボートの不法係留は?
また、海洋レジャーに使用されるプレジャーボートへの注意喚起も重要な仕事だ。
1996(平成8)年に横浜市は全国で初めて「船舶放置防止条例」を施行。1995(平成7)年には約2100隻あった放置艇が、2018(平成30)年9月時点で約300隻まで減少している。
市外からのプレジャーボートも少なくない
ただし、現在のところ強制力はないので、「正規のマリーナに移動すること」を促すことに留まる。不法係留や放置艇の問題点として挙げられるのは、管理者のいない船が沈んで油などが流れ出てしまうこと。大きな問題に発展する前に手を打つことが目的だ。
放置艇の受け皿として開業した横浜ベイサイドマリーナも、一番小型のサイズ(6.0メートル未満×2.2メートル未満)で、年間45万円の保証金と31万5000円の利用料金がかかる。
正規のマリーナで管理することが難しい持ち主がいるのも事実
ほかにも、横浜開港祭で行われる官公庁艇パレードや横浜トライアスロン大会、運河パレードなどのイベントにも参加している。土日やイベント時は子どもが多いので、くたくたになるほど手を振ることもあるのだとか。
SUP中の皆さんにも手を振っていました
今回取材を決行するにあたって、油流出の通報、大黒ふ頭での漁船火災があり、急遽2回のスケジュール変更があった。自分の知らないところで海の安全が守られていることを改めて実感する。
豪華客船や屋形船など煌びやかな船に目が行ってしまいがちだが、日々、横浜港内部の安全を守っている「はたらく船」の存在も忘れずにいたい。
おまけ
投稿にあったパトロール艇とは別の港務艇(こうむてい)と呼ばれる船も、特別にちょっとだけ公開!
手前が「ひばり」で奥が「おおとり」
ひばり、おおとりと鳥の名前がつけられた2隻は基本的に平日に出動し、横浜港内の航路上を巡視。
木などの障害物がないかを見回ったり、海上でのルールを守っていない人に注意を促すなどの働きをしている。
また、巡視のほかに市外からのお客さんを乗せることもある。お客さんと言っても一般の観光目的ではなく、臨海部の物流拠点を検討している海外の方に横浜港を案内したり、打合せの場としても利用できるような設備も整っていた。
「おおとり」は20トンクラス
ゴージャスな船内には
モニターやコンセントなども設置
乗船口付近にはトイレもある
後部にはベンチが設置されているが、実際には立っている人が多く、ベンチに座る人は多くないらしい。
潮風を受けながら横浜港を楽しめる
一方、一回り小さい「ひばり」の船内は、おおとりよりも身近な雰囲気だ。
座席は高速バスのよう
シートベルトも空調機能も完備
はたらく船ってかっこいい。
ー終わりー
ホトリコさん
2018年11月12日 12時36分
某ドラマの舞台が横浜だからか?事件について語り合う場所に、よくここが使われているし、横浜開港祭でも船舶パレードで見かける船ですよね。