横浜市平成24年度予算はどうなっている?
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横浜市の平成24年度予算はどうなっているんでしょうか?(kjさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
一般会計1兆4097億円、特別会計1兆3085億円、公営企業会計5724億円、全会計総計では、3兆2905億円。前年比1.6%増、2年連続のプラス予算。
ライター:吉田 忍
24年度予算案
前年比プラスの積極的な予算
「予算」というのは、次年度にどのくらいのお金を使うかという計画のこと。
そして、予算は、使いみちや収入源の違いから、3つの会計に分かれている。
「一般会計」は、福祉、医療、教育や、道路・公園の整備など基礎的な行政サービスを行う会計で、市税は主にこの一般会計に使われる。
「特別会計」は、特定の事業を特定の収入によって行うもので、その収支を明確にするために一般会計から独立させた会計で、国民健康保険事業などがある。
「公営企業会計」は、地下鉄、バス、水道、病院など、民間企業と同じように、事業で収益をあげて、運営されている会計。
私たちの税金がどのように使われているのかを知るためには、この一般会計予算を見ることになる。
一般会計 歳入と歳出
「歳入」は入ってくる見込みのお金で、「歳出」は使用予定のお金。
税金など入ってくるお金でまかなうものであるが、足りない場合には債券という借入金を利用して帳尻を合わせるので、歳入と歳出は、予算上、必ず同じ額となる。
一般会計の詳細を見てみると、次のようなことがわかる。
■歳入
ほぼ半分が市税。残りは国からの交付金や市債、他会計からの繰入れ
市税収入は微減にとどまったが、法人市民税が12億円減、また地価の下落などにともなって固定資産税と都市計画税が112億円と大幅に減収している。
固定資産税と都市計画税は大幅の減収
市債に関しては、「中期4か年計画」で目標としている対前年度5%減の市債発行額1,210 億円をベースに震災対策事業に充てる117億円を盛り込んだことから1327億円と市債発行額は前年比4.2%増。市債の発行額を前年度比5%減に抑える公約を掲げていた林市長だが、これで公約を事実上撤回したことになる。ただし、プライマリーバランスは黒字を維持しており、評価できる内容である。
■歳出
「人件費」は14.8%を占めているが、給与改定などにより、3.3%減っている
「扶助費」は、主に福祉・保健・医療にかかる費用のこと。減ると困るように感じるが、これは国による子ども手当の制度変更があったため、支給額201億円の削減となっている。なお、保育所整備などは増額されている。
「行政運営費」は、市民利用施設の運営、中小企業への融資、庁舎の管理や事務に必要な費用。これまで各学校が管理していた学校給食費を24年度から市の予算に計上し、教育委員会事務局が公金として管理するようになったこと、中小企業制度融資事業で新たな融資制度の設定などにより、5.6%の増。
「施設等整備費」は、市民利用施設や道路・公園などの整備や維持修繕に必要な費用のこと。ここが24年度予算で特筆すべき内容となっており、予想される震災への対策費が組み込まれ11.3%と大幅な増加。公共施設や多くの人が利用する民間建物、住宅等の耐震化など、早急に行うべき震災対策事業。
「公債費」は、過去の借入の返済のための費用。23 年度に前倒しで積み立てたことによる元金の減などにより1.9%の減。
「繰出金」は、一般会計から一定のルールにより特別会計・公営企業会計に支出する費用のこと。市営地下鉄に対する繰出金の一部繰り延べ、下水道事業への繰出金の減があるものの、後期高齢者医療事業費会計への繰出金の増加などがあり、3.4%増を計上している。
この予算案は現在行われている議会の議決を受けて決定される。