相鉄線車内の鏡はなんのためにある?
ココがキニナル!
相鉄線(扇風機が付いてるわりと古い車両)には…ドアの横、はじっこの吊り輪の前付近に鏡が付いてます。何の為にあるのか?相鉄線以外では見た事がなかったのでキニナル投稿しました。(まこさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
昭和30年代に、横浜へ出かけた人が身だしなみを整えられるように、と付けられたものだった!現在でも全体の7割以上の車両に設置されている!
ライター:田中 大輔
お買い物電車の心遣い
お二人によると、現在は廃車となってしまっている5000系が活躍したのは昭和30年代のこと。
5000系は、先頭車両が流線型になっていたり、車輪部分までが車体で覆われていたりと、ちょっと特急列車のような格好をしていたんだそうだ。
「横浜駅西口はかつて資材置き場だったのか!?」でも紹介したように、昭和30年代と言えば、横浜駅西口が一気の開発を迎えていた真っ最中。
海老名方面からも多くの人が横浜へ足を運んだことは想像に難くない。
この5000系は“お買い物電車”と銘打たれ、多くのお客さんを大都会・横浜へと連れていった。
相鉄提供の5000系「お買い物電車」の写真
そこで鏡、である。
「横浜に到着するお客様に、ちょっと身だしなみを整えるのに利用していただければ、という思いから付けられたようです」と村松さん。
恐らく、今よりも横浜へ“お出かけ”するのが特別なことだった時代。
車内に取り付けられた鏡は、少しでもキレイな格好でおしゃれな街に繰り出したい、というお客さんの思いをかなえるための粋な心遣いだったわけだ。
今でも、電車を降りるときにネクタイを整えるサラリーマンや髪型をチェックする若い女の子を見かけることがある。意識している人は少ないかもしれないが、意外とあれば使ってしまうこの鏡。相鉄の計らいが生き続けていると言える光景だ。
まだまだ現役! 鏡付き車両は7割も
さて、その鏡付き車両も現在では少なくなってしまっている……と思いきや、実はそうでもないようだ。
鏡が付いているのは5000系から9000系の車両で、そのうち5000系と6000系はすでに廃車。今も現役の7000系、8000系、9000系が鏡を付けて走っていることになる。
それに該当する電車は、相鉄線の全398両のうち288両。
つまり7割強というわけで、実際にはかなり多くの車両に鏡が設置されているということになるのだ。
コチラは8000系の車両。この編成にも鏡は取り付けられていた
扇風機が付いた車両は7000系の一部だけということだから、実はコチラの方が圧倒的に少ないとのこと。
新型の10000系、11000系では鏡が付いていないが、たいしたコストでもなさそうだし付ければいいのに、と思ってしまう。
でも、これには理由がある。
現在、鉄道業界では車両標準化という流れがあるんだそうだ。
平たく言うと、全部同じ規格の車両にしよう、ということで、相鉄線でも10000系以降はJR東日本の車両をベースに造られている。
11000系のベースとなったE233系の電車(京浜東北線)
標準化すると各パーツも共通のものを使えるようになり、ロット数が増えるのでメーカーが設定する値段も下がるというメリットがある。
でもその反面、各社の独自の“色”というのは薄れてしまう。
例えば、相鉄線ではよく見かける緑ボタンの自動窓。これも相鉄のオリジナルだが、JRベースの新型車両には付けられていない。
現在のままだと、いずれは鏡付き車両も姿を消してしまうことになるようだ。
取材を終えて
とは言え、あと2、3年で消えてしまう、というようなことでもない。
お二人によると「当社では、年に何本ずつというペースで少しずつ車両を入れ替えているんです」ということで、JRのようにいっぺんに全取っ換えということはないそうだ。
そういうわけで、まだしばらくは鏡付きの電車に乗ることができる。
もし鏡に気付いたら、降りる前にちょっとのぞき込んで身だしなみを整えるのもオツというものかもしれない。
―終わり―
呑屋の狸さん
2017年01月25日 11時46分
相鉄の「自動窓」取りあえず現行の「真青」な最新型にはついていました。何故パワーウィンドがついているのかも、調べてあればよかった…。(もう、調査済?)
緑区ジュースさん
2014年04月27日 20時13分
電車に鏡は普通だと思っていたけど、そういえばほかであまりみないですね!!なくなるのは寂しいですね。
なりちゃんさん
2014年04月24日 12時51分
相鉄では鏡の他にも「自動窓」のボタンがありましたね。