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横浜のおでんに使われている「ハナコンニャク」って、どんな食べ物?

ココがキニナル!

横浜独特のおでんの具材などはあるのでしょうか?(秋沙さん)/おでんの具にハナコンニャクというのをご存じですか?私は食べたい時は横浜そごうの地下街へ買い求めにいってます。(かっぱ大魔神さん)

はまれぽ調査結果!

小麦粉とかたくり粉を混ぜて作った、ギザギザの縁が特徴的なかまぼこ型のコンニャク。製造元などに取材したところ、横浜ならではの食材という結果に

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ライター:河野 哲弥

手間暇かけたまさに手作りの味、ハナコン

(続き)

普通のコンニャクとは違って、原材料に小麦粉とかたくり粉を混ぜ、「柔らかくてネットリした食感」が特徴なのだとか。藤方豆腐店では「サクッ」という言い方をしていたが、人によって印象が違うのかもしれない。

後で、ぜひ現物を味わってみたいものだ。
 


よく練り込んだ原料を、直接手で型にならしていく


「機械に任せると空気の穴ができてしまうので、人間の目で確かめながら、手間暇かけて作らなきゃいけないのが大変」とは奥さんの談。

不思議なのは、どうしてこのような食材を作ろうと思ったのかということ。ご主人によれば、「作り始めた理由は分からないが、何かの代用品などではないことは確か。最初から『ハナコンニャク』という食材を作ったとしか言いようがない」と話す。
 


型に詰めた後、1個1個フタをして3時間程度ゆでる


煮物やオデンなどに使われ、寒くなればなるほど売れるという「ハナコンニャク」はこの時期、2週間に1回程度の頻度で、作り続けているそうだ。

さて、300個ぐらいの型に1時間ほどかけて詰め終わると、次は3時間ほどかけてゆでるのだそうだ。そうなると、これから完成するまでの間、一体何をしていればいいのだろう。

奥さんによれば、この近くに「磯村屋」というお店があって、そこで実際に「ハナコンニャク」が食べられるそうだ。ここまで来たら、ぜひ味わってみたいもの。夕方の再訪を約束し、いったん「磯村屋」へ。



テレビ番組のコーナーで紹介された、老舗やきそば店

村上商店から、さらに南へ歩くこと5分ほど。昭和の香りがするような「磯村屋」は、すぐに見つけることができた。
 


薄れて読みづらいが、基本は「やきそば」店のようだ
 

左から2人目が、磯村商店(法人名称)代表の中谷さん


もともと焼き芋販売をしていたという同店は、近辺の区画整理をきっかけに1950(昭和25)年、現在のような飲食店になったそうだ。名物は、「年の話はもうやめて」と話す愛子おばあちゃんが、60年以上作り続けてきたポテト入りやきそば「肉ポテト」。

今回のメインは「ハナコンニャク」なので、両方頼んでみた。
 


愛子さんの次のお祝いは、「米」に関係するお年だそうです
 

「肉ポテト(中)」300円、オデン各種80円均一


では、早速「ハナコン」から。

前歯でかむときには練り物のようなモッチリ感があるが、奥歯でかむと、コンニャクの食感がしてくる。この歯触りの変化がおもしろい。普通のコンニャクだとオデンのダシをあまり吸わないが、ハナコンはしっかり受け止める。ニボシとコンブなどを使用した甘めの味付けが、色と一緒にハナコンに染み込んでいた。

続いて、食糧難の時代に思いついたという、ポテト入りのやきそばもいただいてみる。こちらはピリ辛で、ジャガイモが油にまみれて、その存在を主張する。ソースは、タバスコや複数のソースなどを混ぜた、秘伝の味。
 


かつてはこうした屋台風のオデン屋が多く、ハナコンはポピュラーだったらしい


愛子さんによれば、「ハナコンニャク」は1日30個程度売れるそうだ。食べたお客さんから、何か感想のようなものを聞いたことがあるか尋ねてみたところ、キッパリ「ないっ」のご返事。

どうやら、常連の方にとっては当たり前過ぎて、今さら感想も何もないのだろう。