コレなんて読む?市内の難読地名をご紹介!第2弾
ココがキニナル!
横浜市は難読地名が非常に多い地域。大豆戸と北&東山田以外にも山ほどあります。ぜひシリーズであちこちの難読地名の由来を調べて!(スさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
難読地名シリーズ第2弾の今回は、泥亀、犬山町、公田町、六角橋の4つの地名を、その由来とともにご紹介!
ライター:田中 大輔
動物が変わっちゃった町
(続き)
名は体を表すというやつで、この辺りはもともとは山。
そのため、犬山町に広がる住宅街は比較的新しく開発されたものだ。
新しい住宅街はキレイだが、歴史系の取材は難しい場所
町内を歩いていた年配の男性によると、「99%は後から来た人だね」。
というわけで、地名の由来を知らない人が多いのかと思ったが、「昔は、イノシシの山と書いて“いのやま”だったって町内会の会報かなんかで読んだな」というお答え。
地の人がいないからこそ謂われを残そうというエネルギーが働いたのか、知っている人は少なくないようだ。
『横浜の町名』(横浜市市民局刊)にも、隣り合っていた矢沢山からイノシシを追ったことから“猪の山”となり、それが“犬の山”に変化したと紹介されている。
かつては戸塚区だったことを示す表示板がいまだに。ちょっとレア?
どんな理由でイノシシからイヌに変わってしまったのか合点がいかないところだが、その辺りは謎のまま。イヌを使ってイノシシ狩りをしていたんだろうか……。
グランドキャニオンのあるあの町は?
続いても栄区からのエントリー。
公の田んぼと書いてなんと読む!?
実は、この場所に来るのは2回目。
以前、「栄区の「横浜のグランドキャニオン」、本物とどう違う?」で紹介した、あのむき出しの地層があるのも、ここ“くでんちょう”なのだ。
基本的には住宅街になっているが、奥の方は緑の多い場所。
栄図書館があるのも、この公田町だ。
住宅街である公田町にあって、数少ない公共施設
町内に古くからある神明社を訪ねたところ、世話人をしている岩崎さんにお話を聞くことができた。
「鎌倉郡だったころから住んでますよ」と笑う岩崎さんは、生まれてから79年間、公田町に住んでいるそうだ。
この場所に移って40年の神明社。ずっと昔から公田町にあるそうだ
町名の由来についても「昔、国の田んぼがあって、それを“公田”と呼んでいたからだと聞きました」と教えてくれた。
知らない人だと“こうだちょう”という間違いが多いんだとか。
岩崎さんによると、公田があったのは本郷台駅の近くだったそうだ
この、公の田んぼがあったからという説は、『横浜の町名』にも載っているもの。
ただし、この本の初版には、ほかの説も紹介されている。
明治時代の『皇国地誌』で“公田”が由来になっているとあると紹介した上で、1335(建武2)年の文書にある“後田”が今の公田町であるとも言われていると解説。
つまり、この“後田”が“公田”に転じた可能性もあるということだ。
そのほか、湿地を意味する“クテ”という言葉が元である可能性も示唆していて、「にわかには断定できない」と記事を締めている。