横浜市の職員給与が削減されないのは何故?
ココがキニナル!
横浜市議会で職員給与削減の条例案が否決されたそうです。どうして職員給与削減されないのでしょうか。(asdfさん)/議員毎の賛成・反対の一覧表をはまれぽさんで作ってください(河童丸さん)
はまれぽ調査結果!
市長・議員・職員等の報酬削減案の否決、増税の可決は、横浜市議会で採決された。つまり、横浜市民が投票で選んだ議員による多数決の結果。
ライター:吉田 忍
議員、職員報酬削減案
第1回定例会で、「市会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例等の臨時特例に関する条例の制定」の審議、採決が行われている。
条例案を見るとなんだか小難しいが、市会議員の議員報酬、市長・副市長の給料や、市職員給与を減額して、財政難に充てようというもの。
各会派の賛否状況は次の通り。
反対多数で否決された
これは、横浜市会サイトにある『ヨコハマ議会だより』で見ることができるが、会派ごとの賛否の記載となっており、無所属議員2名について、どちらかが分からなかったので、横浜市議会局に問い合わせて、太田議員と井上議員の賛否を記した。
また、第3回定例会でも同様の「常勤特別職職員の給料及び手当に関する条例及び市会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の臨時特例に関する条例の制定」が提案された。第1回の条例案との違いは、今回のものには、一般職員の給与削減が含まれていないこと。
共産党と太田議員が反対から賛成に変わったが、やはり否決
反対から賛成に変わった共産党と太田議員に、その理由を聞いた。
共産党の主な理由は、一般職員の給与削減が含まれているか否かという点。横浜市職員給与はラスパイレス指数(国家公務員の給与水準を100とする)では高いが、諸手当をほとんど無くしており、総額ではごく平均的。
そこまで含めなくても市債の発行などでまかなうべきだとの理由。
太田議員は、市職員給与も一般サラリーマンに比べれば高いので基本的には下げるべきだと思っている。しかし、第1回の案については、期間の限定などの点で不明瞭だったので、その時は反対したとのこと。
市職員給与も一般のサラリーマンに比べれば高いので基本的には下げるべきだと太田議員
なお、自民党、民主党に両議案の賛否の理由について11月26日に問い合わせたが、現在に至るまで回答はいただけなかった。
キニナルにある通り、国政では「国家公務員の給与の改定及び臨時特例に関する法律」という国家公務員の給料削減法が可決・制定され4月より実施されている。
市長は「国の削減については、震災対策に当てる財源を捻出するために期限を切って行っているもので、この特例法は復興財源に充てることを目的としていて、地方は国とは状況が異なる」と述べ、反対の立場である。
市税増税条例は可決
しかし、同じ第3回定例会では、「市税条例等の一部改正」議案が可決されている。これもまた、議案名だけでは内容が分からないが、これが増税条例で平成26年から35年まで年500円の市民税増税案。
この条例案は「東日本大震災からの復興に関し地方公共団体が実施する防災のための施策に必要な財源の確保」のためのもの。上記の市長発言とは矛盾するように感じる。
国は公務員の給与を減らすが、横浜市は市民への増税ということか?
増税条例には「行政改革の推進」「活用見込みのない市有地の積極的な売却、貸し付けなどによる財源確保」「外郭団体の補助金など支援の見直し」など5つの付帯意見が添えられてはいるが、市長や市会議員などが身を切る内容のものは見あたらない。
本会議では、みんなの党、共産党、無所属議員などが反対の立場から「いいとこ取りで納得できない。増税前に自ら人件費をカットするなど覚悟を示すべきだ」などと発言している。
賛成多数で可決された
住民税の均等割額について、横浜市にはすでに「みどり税」900円があるので、今回の増税が加わると超過課税のない市町村より1400円市民税が高くなる。さらに、神奈川県の県民税も300円の超過課税がされており、加えて500円増が決まっている。このため、横浜市民は、2200円高い住民税を払うことになる。ちなみに、ほとんどの市区町村では超過課税がなく県民税と合わせて4000円、それに対し神奈川県横浜市では合計6200円。
参考までに、市長の月額報酬は142.8万円で横浜市が日本一。最低は名古屋市長で50万円。
市議会議員の給料も横浜市が1位で95.3万円。最も安いのは山口市で44.9万円。
横浜市の職員給与は全国市町村最高ではなくなったが、ラスパイレス指数(国家公務員の給与水準を100とする)103.8は指定都市中最高。
ちなみに厚生労働省発表による毎月勤労統計調査では、24年9月の民間平均給与は26.6万円である。
財政難において、増税もやむなしではある。しかし、民間給与が下がっている中、同時に、市長や議員も身を切る覚悟の上で増税の決定をしてほしかった。
市長や議員が身を切る覚悟を見ることはできるのか
取材を終えて
市長・議員・職員等の報酬削減案の否決、増税の可決は、横浜市会で採決された結果、というのが答えになる。しかし、市会議員を選んだのは市民。つまり、市民が決定した事にほかならない。
2011年4月の横浜市議会議員選挙の投票率は46.73%しかない。個々の条例の善し悪しはともかく、横浜市の行政に興味を持つ人が増え、投票率が上がれば充分に変わる可能性がある。
横浜市会は各選区から議員が選ばれる。これはその地域の住民の意見を議会に届けるためのもの。しかし、「ヨコハマ議会便り」を見ても分かるように、議案に対する賛否は各会派ごとの賛否となっている。会派内で意見が分かれても最終的には会派の決定に従うことになる。
そして、『ヨコハマ議会だより』を見ていて気になったことがある。今年度に行われた3回の定例会での議案について、自民・民主・公明の3党の賛否がすべて一致しているということ。昨年度の4回についてもたったひとつの議案を除いてすべて同じ。偶然であってほしいと思うが、なんとなく釈然としない。
― 終わり―
横浜市会 市会の広報 http://www.city.yokohama.lg.jp/shikai/koho/
ko20さん
2016年06月18日 21時34分
これって民間の平均給与は経営職層が入っていない平均で公務員はトップ層も入れた平均で比べてるから差があるように見せかけてるだけだよね。記者は本当の問題を書いて欲しいもんだね。
ばぶぞうさん
2014年04月12日 07時01分
馬鹿か。横浜市の職員がラスパイレス指数が高いのは、人員削減で新採用者が極端に少なく50才代の職員が多いから。これからドンドン退職していくので数年でラスパイレス指数なぞ下がっていく。批判しやすい数字を切り取って使っているだけ。
デーブ渡邊さん
2014年03月18日 11時39分
僕も元公務員ですが、公務員って採用されてからずっと自分の給与は薄給だから、慎ましく生活しなさいという教育を受けるが、退職してみると如何に自分の待遇が手厚かったのかということが分かってくる。そして、仕事についても自分たちの仕事は大変だと思い込んでいるところがあるが…役人の忙しさなんて民間に比べれば大したことなかったことに気付くはず・・・だと思うんですけどね・・・