横浜市の新年度予算案が発表! どんなことを始めようとしているの?
ココがキニナル!
横浜市が発表した2018年度予算の概要と特徴を教えて!(はまれぽ編集部のキニナル)
はまれぽ調査結果!
世界的イベントへの準備が加速! 将来への負担を減らしつつ、市民の暮らしを支え、横浜の発展を進めていく必要がある
ライター:はまれぽ編集部
横浜市は2018(平成30)年度の市政を決める、新年度予算案を公表した。
一年間の市政がこれで決まる
迫る人口減少や対照的な待機児童問題、郊外部の活性化に災害への備えなど、市が直面する課題は多い。一方で、世界的な注目が集まる2019年のラグビーワールドカップや東京オリンピック・パラリンピックも迫り、国際都市としての横浜の魅力を広く示していく必要もある。
待機児童対策や福祉に関する予算は、毎年大きなウエイトを占めている。予算案の冊子でも、税金の使いみちの割合が図で示されており、自分たちの納めた税金がどのようなことに使われているのかよくわかる。
全体の3割が子育て・教育(青部分)に割かれている
一方で、予算案の中には市が取り組む新しい動きや新規事業も多く盛り込まれている。
2018年4月から2019年3月までの一年間で、市はどのような新しい事業を進めようとしているのか。それが分かれば、横浜市がどのような「横浜」を目指しているかが、見えてくるかもしれない。
今回ははまれぽで取り上げてきた動きも紹介しながら、主要な事業をお伝えしていく。
ここで取り上げている事業はほんの一部
新しい予算ではなにをするの?
横浜市の新規事業では、国際社会へのアピールや、国内外からの来街者を増やすための取り組みが目立つ。
開催前の準備も正念場だ
2019年のラグビーワールドカップの開催準備には4億2500万円、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催準備には1億3700万円を計上し、会場周辺の交通輸送対策や、カウントダウンなどの盛り上げを進める。
一方で、大会を契機にした国内外からの誘客促進にも、1億3800万円を計上。海外富裕層にツアーを販売する旅行会社に横浜を売り込み、魅力や観光資源を発信することで、海外から集まる注目をしっかりと市の利益につなげる方針のようだ。あわせて、海外から横浜への投資を呼び込み、継続的な経済発展を目指している。
横浜らしさをPRしたい
海外から注目を集めるイベントはこの2つの大会だけではない。
政府が3年ごとに開催する「第7回アフリカ開発会議」が2019年に横浜で開かれる。そこで、市は「アフリカに一番近い都市 横浜」を広くPRするなど、準備の推進に8400万円を計上している。
横浜で開かれるのは3度目だが、会場となるパシフィコ横浜に各国の首脳が集まり、アフリカの開発に向けた方針やルールが採択されるなど、毎回世界から注目を集めている。
赤レンガ倉庫ではアフリカフェアが行われたこともある
林文子市長は会見で、「2050年には世界の人口の4人に1人がアフリカの方になると言われています」とアフリカの人口増や将来の可能性に触れ、市内でのアフリカに関するセミナーを増やして、「お互いのビジネスチャンスや女性活躍推進などを促進していきたい」と意気込んでいる。
また、旧上瀬谷通信施設に誘致を計画している「国際園芸博覧会」に関しては、5000万円の予算で調査検討や開催の実現に向けた国内外へのPRを進める。地域で計画されているまちづくりに向けて、上瀬谷の知名度やイメージを向上することで、今後進める市内郊外部の活性化に向けた拠点にする考えのようだ。
似た事業では、昨年2017(平成29)年に行われた「全国都市緑化よこはまフェア」の流れを継続する「ガーデンシティ横浜」を市内各所で実施。街に緑を増やすこの事業に7億1000万円の予算を組んで取り組む。
全国都市緑化よこはまフェアのマスコットキャラ、「ガーデンベア」
こうした事業の目的は、横浜の活性化やにぎわいの創出。少子高齢化が進む中で人口減少の到来は避けられない状況下で、海外からの誘客による活力の維持や、横浜の魅力を増すことで存在感を維持する取り組みが必要ということだ。
そのため、みなとみらいの開発に象徴されるような、企業誘致や次世代産業の創出にも積極的だ。横浜が魅力的なビジネスエリアとなるために、まちづくりと連動した戦略的な企業誘致や、関係者の交流機会を作ることなどに、27億1900万円を計上している。
多くの企業が集まれば経済的にうるおう