コットンハーバー、その歴史とともに振り返る!
ココがキニナル!
コットンハーバーの名前の由来は?またインスパがあった場所や、そのまわりは今後どうなるのでしょう?コットンハーバーの過去と未来を教えてください。(かもめさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
“洗いざらしの綿のように”というコンセプトと、かつて近隣にあった綿花町から取った名前だった。INSPA跡地については、いまだ具体的な計画なし
ライター:田中 大輔
市からの補助金は一切なし!
市としても、土地を遊ばせておくのは得策ではない。
JFEや同じく当該地区に工場を持っていた岩井の胡麻油などが中心となった都市区画整理組合が設立され、市との協議が進められた。
今も地区内にある岩井の胡麻油本社
そもそも、あの場所は市によって工業専用地域と定められていたため、「じゃあ、マンション建てるね」「はいどうぞ」というわけにはいかなかった。
そのため、当地の地区計画の見直しなどが計られ、2003(平成15)年に都市計画が決定。開発工事が始まったのだそうだ。
用途変更があり、今ではスーパーマーケットなども
着工から4年、その前の準備から含めれば10年を超える大規模な開発だったわけだが、「実は市からの補助は一切出ていないんです」と川崎さん。
補助金ゼロとは意外だった
ちょっと意外な気もするが、これには理由がある。
前述の通り、あの地区は工業用地だった。住宅や商業施設も建てられるようになったことで、地価はドンと上がる。その土地を売ることで利益を出すことができたので、市からの補助金などを受けることなく、事業を成立させることができたのだそうだ。
コットンハーバーの名前の由来は?
ここまで、“コットンハーバー”と当たり前のように言ってきたが、なぜこの名前になったのか。
市が開発計画のことを“山内ふ頭周辺土地区画整理事業”と呼んでいた通り、行政上では山内ふ頭と呼ばれていた地域。
コンビニも“横浜コットンハーバー店”
開発にともない、現在のコットンハーバーという呼び方に変わっていったというわけだ。
名前を付けたのは地権者たちの都市区画整理組合で、その理由は2つ。
ひとつは、街づくりのコンセプトとして掲げた、洗いざらしの綿のような自然の風合いや手触りを感じる心地よさを目指す、というところ。
海沿いのボードウォーク。横浜らしさが垣間見える
もう一点は、ひとつ内陸側の神奈川1丁目にかつてあった綿花町の地名からだ。
この地名は、当地に綿花倉庫があったことに由来すると言われている。
星野町公園。こういった公共施設も開発前は皆無だった
これらと、港に面したウォーターフロントの街ということで、コットンハーバーの名前が付けられたのだそうだ。