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一見静かな住宅街に横浜らしい味やワイルドに遊べる公園などが隠れる、はま旅Vol.117「片倉町」編

ココがキニナル!

横浜市内全駅全下車の「はま旅」第117回は、横浜市営地下鉄のフィナーレを飾る「片倉町」駅。一見静かな住宅街には、横浜らしい味やワイルドに遊べる公園などが隠れていた。

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ライター:吉澤 由美子

キーワードは「横浜」(つづき)

見回すと道の向かいにコーヒー豆専門店。どうやら店内でコーヒー豆を焙煎している様子だ。
 


「豆工房コーヒーロースト」


あまりにもいい香りが漂ってくるので、ついフラフラとお店に吸い込まれる。
 


ずらりと並ぶ生のコーヒー豆


並んだ生豆を見ていると、色合いやサイズ、形などかなりそれぞれ特徴があって面白い。中には、小振りのタピオカくらいのサイズで真ん丸な形という「ガテマラ ジュヌインアンテグア パストレス・ピーベリー(生豆軽量240g/892円)」という珍しいものもあった。

店長の加藤さんにお話を伺うと、「コーヒー豆は同じ農園で同じ品種でもその年ごとに味がかなり違う」のだとか。
 


店長の加藤さんはもともとお客さんだったのが、いつの間にかスタッフになっていた方


「豆工房コーヒーロースト」は横浜に本社があるチェーン店で、生豆をその場で焙煎して提供するというスタイルの元祖!

焙煎した豆があるものは試飲して選ぶこともできる。
 


10gのコーヒー豆に100ccの熱湯でいれたコーヒー。焙煎したての香りはまさに芳醇


焙煎する機械はオリジナルのロースター。焼き上がりをチェックしながら好みの焼き方に仕上げてくれる。
 


焼き加減をチェック。まわりに散っているのは、コーヒー豆の薄皮


お店のスタッフ大平さんは、いずれ自分でコーヒーショップを開く夢を叶えるためにこの4月に入社したばかり。
 


「香りで焙煎した人がわかるようになりました」と大平さん


このお店には、ロースターで焙煎したナッツも売られていた。煎りたてのナッツは香ばしさが抜群で、これがまたおいしいのなんの。
 


アーモンドは人気があるのか売り切れていた


先ほどの珍しいコーヒー豆を焙煎してもらい、煎りたてカシューナッツ(315円)も購入して、帰ってからのお楽しみもこれでバッチリ。

藤乃のご主人にいただいた散歩マップを眺めながら駅の方に戻ると、懐かしいお店を見つけた!

「博雅(はくが)のシウマイ」。もしかして横浜で一番の老舗だったあのシウマイ屋さん!?
 


片倉町に博雅のシウマイ工場直売店があった


お店を覗きこむと、ショーケースに懐かしい大振りのシウマイの姿が見えた。お肉たっぷりで食べ応えがあって、品のいい味付けでつい食べ過ぎてしまうあのシウマイ。

中に入ると、お店のお姉さんがシウマイを手作りしているところが見えた。
 


「おいしさの秘密はいい材料とまごころです」とお店スタッフの福島さん


こちらは、伊勢佐木町の「博雅亭」の姉妹店「博雅茶郷」の職人さんからレシピや製法を受け継いだお店。伊勢佐木町の博雅とは直接の関係はないそう。
 


伝統の特製シウマイL2個、大振りの謹製シウマイ3個、
海老シウマイ3個の詰め合わせは懐かしいおいしさ


詰め合わせは6月いっぱいまで1050円。7月からは特製シウマイL4個、謹製2個、海老2個で1200円になるそう。

和菓子にコーヒーとナッツ、そしてシウマイまでぶら下げて、まさに買い物帰りのオバちゃん以外の何者でもなくなってしまったとはいえ、はま旅をお買い物だけで終わらせるわけにもいかない・・・。

両手の袋をなんとか片手にまとめて、散歩マップを見ると、すぐ近くに「塩嘗(しおなめ)地蔵」の文字をみつけた。よし、次はここに行ってみよう。



雪のような塩と、甘えた狛仔犬

ここまでゆるやかな坂だけだったので片倉町、楽勝と思っていたけれど、ここからはけっこうな坂道。車がすれ違うのは絶対無理そうな住宅街の坂をぐいぐい上っていく。

「塩嘗(しおなめ)地蔵」は花壇に囲まれて、道から見上げる位置にあった。
 


段々畑式の花壇に紫陽花が咲いていた「塩嘗地蔵」


お地蔵様の前には塩がこんもりとした山を作っていた。お地蔵様のお顔はすっかり磨耗していて、表情がうかがえないけれど、これまでたくさんの人がお参りにきたことを感じさせるたたずまい。
 


塩がまるで溶けかけた春の雪のようだった


散歩マップによると、このお地蔵様は、イボを治すご利益があるらしい。供えられたお塩は、願い事がかなった人が奉納したもの。この塩の量から見ると、相当にご利益がありそうな感じだ。

近くに日枝神社があることもわかったので、そちらにも行ってみることに。