JR桜木町駅が汚水を大岡川にたれ流ししていた?
ココがキニナル!
JR桜木町駅が、汚水を過去20年間にわたり大岡川に流していたとされる事件。河川への影響や地元の反応はどうなっている?(はまれぽ編集部、みのさん、イルカさん)
はまれぽ調査結果!
施工業者による雨水管と配水管の誤接続が原因。大岡川の水質汚濁に大きな影響はないようだが、周辺地域には精神的なダメージが広まっている模様
ライター:河野 哲弥
周辺施設の反応は?
続いて今回の事件について、駅周辺の商業施設にヒアリングを行ってみよう。
ガード脇に並ぶ飲食店の中で、ひときわ大きなイケスが目に付いた、「桜木町活魚センター」を訪ねてみた。
同店外観、この景色に見覚えのある方も多いのでは
同店店長の菅沼さんは、事件について、まだご存じではなかったようだ。それだけに、「水は食べ物と密接に関わるものなので、事件の心理的な影響が心配」と、驚きを隠せない様子だった。
また、ほかの店舗からは、「ありえない話だ」「もし上下水道を間違えていたとしたら、大騒ぎになっていたところ」などの話が出ていた。
そもそも、配管を間違えるということは、どの程度起こりやすい「ミス」なのだろう。今度は、野毛の飲食店街に、足を向けてみた。
ケアレスミスなのか、構造上起こりえることなのか
すると、個店では排水の処理しか行っておらず、雨水は町内会などで管理していることが分かった。したがって、個店や家庭レベルでは、構造上起こりにくいようだ。
一方で、「万が一にも起こらないように、接続口の形を変えるなどの対策が必要」といった、真相を突く意見もあった。ヒューマンエラーはいつでも起こりえるものなので、物理的な方法こそが、確実な事故防止につながるという訳だ。
河川の水質汚染への影響は?
大岡川と聞いてフト思い浮かんだのは、ハゼ釣り大会やプレジャーボートの記事でお世話になった「川の駅」。何か有益な情報を得られるかもしれない。
京浜急行「日ノ出町駅」近くにある「川の駅」
「大岡川川の駅運営委員会」副委員長の菅原さんに話をうかがったところ、同委員会では月に一度、イベントなどを安全に行うため、流域の水質調査を実施しているとのこと。それによれば、特に異常と感じられる数値は、現在確認されていないらしい。
釣れたハゼには異常がないとのこと
ただし、夏になると赤潮が発生することがあるため、今年に入ってから、市の治水事務所などに水質保全の予算化を求めていたところだと話す。
「排水を川に流さないよう水道局から指導を受け、環境保全に留意していたのに、(JRが流していたとは)ショック!」と菅原さんは肩を落としていた。
地元の努力に、まさに水を差す状況
どうやらこの事件、実質的な汚染という意味では、ひとまず胸をなで下ろせそうだ。しかし、心理的な影響を考えると、JRだけでは済まない問題のように思える。
JRのほかの駅でも、同様な「誤接続」が連発
同じような誤接続は、実は、JR町田駅でも起こっていたようだ。さらに過去にさかのぼってみたところ、2009(平成21)年に、東京都北区にあるJR王子駅で、同じ事例が報告されていた。
これらの件について、JRは「地域の皆様に、ご迷惑をおかけして大変申し訳ない。再度点検して、今後同じようなことが二度とないよう努める」との解答。
同様の事件が判明した、JR町田駅
接続が誤っていただけではなく、事故防止策にも誤りがあったといえるこの事件。JRにはこの問題をどう受け止め、今後の対処をしていくのか引き続き見守っていきたい。
―終わり―
サバさん
2019年12月29日 16時50分
汚水を川に流すなんてひどすぎる
やましたさん
2013年11月02日 15時46分
JRはこの事件に関してしっかり反省し、川の環境整備に対して予算を当てるべき。当然自らがした行為に関して、またもともと国家運営会社として通常の民間会社より厳しい処理・処分が必要だ。
ぎるこさん
2013年08月04日 10時45分
王子駅での垂れ流しは何年か前にニュースで見たけど、まさか身近な駅でもあるとは思いませんでした。JRの改善、その後の川の状況などもはまレポで追ってほしいと思います。すごくためになる記事でした。