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横浜で語り継がれた「コト八日」という風習って?どんな妖怪が現れたの!?

ココがキニナル!

かつて横浜の農村ではコト八日と呼ばれる日に一つ目の妖怪がやってくると信じられ、目籠を玄関に掲げる風習があったそうです。妖怪の種類も地域によって少しずつ違っているようです。(ねこぼくさん)

はまれぽ調査結果!

コト八日は関東を中心に全国で行われていた災いよけの行事だった。その背景には、当時の人々の家族や村を想う真剣な思いが込められていた。

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ライター:千葉 こころ

コト八日とは? (続き)

全国行事だったということに少々驚く。しかし、ここははまれぽ、横浜市内での話を聞かねば帰れない。そこで、横浜市内のどこでどのように行われていたのか、そして地方ごとに妖怪が違っていたのかを、掘り下げて伺ってみた。

羽毛田さんによると、1984(昭和59)年に神奈川県立博物館が行った神奈川県内での聞き込み調査で、横浜市内でコト八日の風習が行われていた地域は21ヶ所確認できたという。ただし実際にはもっと多くの地域で行われていたのではないか、とのことだった。
 


横浜市内の「コト八日」分布図(Googleマップより)
 

詳細はこのとおり


また、コト八日の呼び名も、「ヨウカゾウ」「ヨウカゾー」「ヨウカドー」「師走八日」など、いろいろなバリエーションがある。一つ目妖怪撃退法も地域によってさまざまで、同じ横浜市内でもいくつかの変わった報告事例がある。

たとえば、『港北百話 古老の話から』によると、港北区では十二月八日の晩には空を一つ目小僧が通って家人に危害を加えるので、籠通しを屋根の上に置いて警戒したという。また、子どもには連れて行かれぬよう、「今日は一つ目小僧が来るから早く寝るように」といって普段より早く寝かせたそうだ。
 


日吉にある赤門坂。鬼門除けは一つ目小僧にも効果はあったのか!?


すぐ隣りの都筑区でもちょっと違いがある。『都筑の民俗』を見てみると、家に災難をもたらす悪霊が通るので、前日の夜に籾(もみ)をとおす大きな目のトオシ、あるいはクズキカゴを一つ、庇(ひさし)や屋根の上にのせたり、竹竿の先に掛けておいたという。



妖怪は一つ目小僧だけじゃない?



では、コト八日に現れる妖怪が地域によって少しずつ違うということについてはどうなのだろうか。

資料によると、横浜市内で「コト八日」に現れると伝えられている妖怪は「一つ目小僧」が大半を占めているが、港北区や神奈川区、都筑区の一部(中川、鳥山町裏ノ谷戸)では、「ミカリ婆さん」という妖怪の名前を確認できる。このミカリ婆さんという妖怪も「一つ目小僧」と同じく一つ目の妖怪。ケチとも食いしん坊ともいわれており、火を咥(くわ)えてやってきて、火事を起こすこともあるらしい。

撃退方法も「一つ目小僧」と同じく、目の多い籠を竿先や屋根、玄関に掲げるほか、小麦や庭に落ちこぼれた米などで団子を作って出入り口に刺していたという話も。呼び名も地域によって、「メカリ婆さん」「メカーリバーサン」などと呼ばれている。
 


一つ目小僧と比べて、ほとんど知名度のないミカリ婆さんのイメージ
(イラスト:編集部・千葉)


ということは、妖怪の種類は「一つ目小僧」と「ミカリ婆さん」の2種類ということなのだろうか?

その答えはNoである。コト八日の呼び名と妖怪の名前とに共通して言えることだが、これらは地域の方言や語り継がれていく中で、その地域ごとに変化していったものらしい。そのため、元をたどれば妖怪は「一つ目の妖怪」のみという可能性が高いということになる。

一つ目小僧、ダイマナコ、八つ目小僧、ミカリ婆さん・・・さまざまな妖怪に出会えると思っていたライター・千葉。いささかショックな事実に行き着いてしまった気もする。



消えゆく風習



それにしても、なぜこんなに地域によって違いがあるのだろうか? 羽毛田さんいわく、各家や地域で語り継がれていく中で、枝分かれしながら根付いていったのではないかとのこと。

しかし、その目的はどこも同じで「厄や、災いを寄せ付けない」こと。そして、イベント的な要素ではなく、どの家も真面目に真剣に行っていた。なぜなら、盛んに行われていた当時の時代背景が大きく関係しているからだ。
 


当時の時代背景によって風習も変化していく(画像:秋浦大社)


医療が今ほど進んでいない時代、家主や子どもが亡くなれば家の繁栄にも影を落とす。疫病が蔓延すれば、村ごと消滅する可能性も十分にあり得た。季節的に流行りやすい時期でもある。

その災いを妖怪に例え、妖怪よけの行事を行うことで災いを遠ざけることは各家のみならず、村全体の繁栄を願ってのことだったのかもしれない。しかし、その風習は戦後から廃れはじめ、1975(昭和50)年くらいにはほとんど見られなくなり、今ではそれを知る者すらほとんどいないのだそう。

医療の進歩や生活環境が変わるにつれて語り継がれることもなくなり、次第に廃れていったのだ。



取材を終えて



便利になった生活を当たり前に過ごし、華やかなイベントに浮き足立ち、風習や慣わしを重んじることも少なくなった現代。その一方で伝承が消えていくのはとても哀しく感じた。今の私たちがあるのも、当時の人々の厳かな生活があったからこそ。
年中行事の一つひとつが密着していた生活。
 


横浜市歴史博物館のあるセンター北駅前
 

近代的な建物や笑顔で行きかう人々の姿に当時の面影はない


風習自体は廃れても、その思いだけはしっかりと受け止め、絶やしてはいけないと感じた。
今回ご協力いただいた横浜市歴史博物館では平成26年1月25日から企画展「昔の暮らしと年中行事 -ちょっとむかしのよこはま-」を開催する。
昔の行事に触れながら、当時の人々の生活背景に思いをはせてみてはいかがだろうか?


―終わり―


<取材協力>
横浜市歴史博物館
住所/横浜市都筑区中川中央1-18-1
電話番号/045-912-7777(代表)
アクセス/横浜市営地下鉄 センター北駅1番出口より徒歩5分
※企画展「昔の暮らしと年中行事 -ちょっとむかしのよこはま-」
      平成26年1月25日から3月23日


川崎市立日本民家園
住所/川崎市多摩区枡形7-1-1
電話番号/044-922-2181
アクセス/小田急線 向ヶ丘遊園駅 南口より徒歩13分
       JR南部線 登戸駅 生田緑地口より徒歩25分
平成26年1月25日から2月2日まで、年中行事展示「節分(ヨウカゾウの展示有)」 が行われます。


<参考資料>
・神奈川県民俗分布図(発行:神奈川県立博物館)
・舞岡の民俗
・都筑の民俗
・横浜市釜利谷開発地区文化財研究調査報告書 歴史・民俗編
・港北百話 古老の話から
・瀬谷の民話と昔話
・日本妖怪大事典
・妖怪の日本地図2 関東
 

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  • それ、今もやってます。その日はかご(ざる)を外に出しておくだけでなく、細うどん(そば)を食べる日です。

  • 編集部・千葉さんの絵が凄い!

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