港の見える丘公園と根岸森林公園をつなぐ下町山元町の商店街で愛の告白
ココがキニナル!
山元町二丁目商栄会を愛する女子中学生浜礼歩(ハマレ・アユミ)があたたかい個人店でストラップ、観葉植物、和&洋スイーツを購入しバレンタイン・デーに備えた
ライター:ほしば あずみ
フラワーギフトもいいな
次にアユミが向かったのは花屋の「フローリスト・ナオ」。店頭で足をとめた彼女は「わあ、かわいいー!」と声をあげた。
その視線の先には「金のなる木」
ではなく、多肉植物の「和輝炎(わきえん)」
「多肉植物ならお世話も簡単だし、私だと思ってかわいがってほしいな、なんて! やだ!」一方的につんのめり気味な興奮をするアユミ。
「バレンタインの贈り物ですと、男性向けなので、赤いバラ一輪なんかが多いですね。逆にホワイトデーの方が、花を贈ることは多いです」と教えてくれたのはスタッフの小野寺さん。
「週に2回、南部市場で店長が花を仕入れます」と小野寺さん
「フローリスト・ナオ」は、山元町で40年ほど営業を続けており、今では関内のマリナード地下街や、新川崎にも出店しているという。
店名の由来は「ナオカツ」という社長の名前からとられたそうだ
多肉植物「和輝炎(210円)」はプレゼント用にラッピング
バレンタインの贈り物にはやっぱりスイーツ(和の部)
商店街を歩いていると、不思議な店を発見。
また一見何屋さんだかわからない
店頭には和菓子を並べたケース
だが店の奥は洋品店
そしてお米も売っている・・・
看板は「村上履物店」。あれ、このパターンさっきも・・・
「村上商店」は戦前に、糸と綿を扱う店主の母と履物店の父が結婚したのがはじまり。
「創業は1935(昭和10)年。その後、商売が暇な時期に何かしなければと母がまんじゅうを作って売りだしたのが和菓子売りのはじまりです」と語る2代目の村上隆さん。
後を継ぐため村上さんは製菓学校へ通い、本格的な和菓子職人へ。現在和菓子は村上さんご夫妻と娘さんの3人で店の奥にある作業場で手作りしている。
先年、先代が他界してから履物は扱っていないが看板はそのままにしてあるそう。
大福(おおふく)いんげんという白いんげん豆を白あんに使うのがこだわり
こだわりの白あんがたっぷりつまった「とら焼き(120円)」
名物「黒豆大福」は「ガチあま!」銅賞入賞をはたした
豆大福を、赤えんどう豆でなく黒大豆を使って作った「黒豆大福」は村上商店を代表する和菓子だが、この日は初午(はつうま/稲荷社のお祭)だったため、朝一番で大量買いされ売り切れてしまっていた。
取材中も「ないの?」と残念がるお客さん続出だった。
そんななか、アユミが目をとめたのがこちら。
壺の形がかわいい「懐中しるこ(200円)」
お椀の中に崩し入れて熱湯をそそぐと即席でお汁粉ができる。
「まだまだ寒い日が続くし、こういうあったかいスイーツなら先輩も喜んでくれるかも!」(アユミの声)
一ヶ月ほど日持ちがするところもポイントである。
だが「はじめての告白」はバレンタイン・デー。神輿ストラップ、多肉植物、懐中しること、ここまでチョイスが若干渋めな感が否めない。バレンタインといえば、やはりチョコレートでは?