一見分かりにくい!? 市営バスの系統番号はどうやって決めているの?
ココがキニナル!
市営バスの系統番号をつけるルールはあるの?ほかの系統と重複してるルートやコースが違うのに同一系統名だったり、分かりにくい(かずゅさん、はまっこさん、慈弦庄助さん)
はまれぽ調査結果!
市営バスの系統番号は開業した順に付けられるのが基本だが、例外も。複数ルートの系統は路線拡張の過程でできたもので、現状は見直しの予定なし
ライター:田中 大輔
ルートのたくさんある路線?
そんなわけで、系統番号の歴史や付番ルールについて説明したが、もうひとつのキニナル。
ひとつの系統の中で起点終点が違ったり、違うルートを走るバスがあったりするのはなぜかというもの。
例えば、41系統の場合。
もともとは新横浜駅前-川向町折返場だったが、新横浜駅前-中山駅北口、新横浜駅前-ららぽーと横浜、鶴見駅西口-川向折返場、新横浜駅前-鶴見駅西口の5つのルートができてしまっている。
これら5つがすべて同じ系統と言われてしまうと、利用者が分かりにくいと思えるのも自然。
すべて41系統だが、行き先はどれも違う。番号だけで覚えると混乱しそう
「元々はひとつのルートだったんですが」と言うおふたりによると、「路線拡張の過程で既存の路線をベースにしてしまったため」にこういうことが起きているのだという。
つまり、41系統を複数作ったというよりは、41系統からにょきにょきと枝が生えていったイメージの方が近い。
路線拡張のときに別系統としておけば状況は変わったのだろうが、現状ではひとつの系統に複数のルートというちょっと分かりづらい格好になってしまっている。
おふたりも「分かりやすさという点では良くない」と認めるが、今後の見直しについては「現時点では考えていません」とのこと。
ひとつには通勤通学での定期的な利用者が多いからという理由があるそうだ。
利用者の多くは現在の状態に慣れていて、変更を加えることでかえって混乱が出る恐れがあるという考え方だ。
また、紙ベースで出している路線図や停留所の案内表示などを作り直す予算や手間といった現実的な問題もあり、「なんとかしてほしいというご意見がほとんどない現状では」難しいのだそうだ。
新横浜駅前では、41系統が2つの乗り場に分かれていたりもする
とはいえ、現在の状態が分かりにくいのも事実。
そのことは交通局でも把握していて、新規路線では同様のケースが出ないように配慮している。
2014(平成26)年3月に新設された東戸塚駅前発の260系統は、そのルートの半分以上が既存の210系統と重複している。41系統のように210系統のサブ路線的な扱いになってもおかしくない状況だったがこちらは独立した別路線。
「新規路線については、別の路線として作っていく」とおふたりが言う通り、新たに41系統のようなケースが生まれることはないと考えていい。
複雑な路線は41系統で終わり
また、元祖市営バスの路線ということになる1系統は、往時は中山駅前と横浜駅をつないでいたが、現在は中山駅-緑営業所間のごく短いルートをつなぐだけとなっている。
そして、まったく同じルートを走る別の路線がいくつかある。となると、そっちに吸収されてもいいのにという気もする。
しかし、「これは出入庫路線と呼ばれるものなんです」と真籠さん。
バスというのは、当然ながら最初から駅前に停められているわけではなく、各営業所の車庫で待機しているもの。
つまり、始発を動かすに当たっては車庫から起点停留所までバスを運ばないとならないし、終発が終わった後は終点から車庫へ戻らないといけない。
中山駅で乗客を乗せる1系統
この“移動”を回送で走らせて単なる移動にするよりも、その区間も1路線としてお客さんを乗せた方が効率がいいというのは火を見るよりも明らか。
まさにこの1系統がそのケース。単にナンバーワンだから残しているのではなく、バスを遊ばせる時間を減らすための工夫として元々の路線の一部が残された路線だったのだ。
取材を終えて
正直に言えば、市営バスの系統番号は分かりにくいのかもしれない。
すべてが連番になっているわけでもないし、欠番を新規路線に割り振っているため法則性も乱れている。
でも、これは一歩引いて市内の130を超える全部の路線を見たときに感じる問題でもある。
日ごろ自分がよく使う路線、という観点で言えば前後の番号をつけた系統がどこを走るかは関係ないし、どの路線がいつできたのかもさほど重要ではない。
41系統などの複数ルートを持つ路線も、沿線に引っ越してきた人には不便かもしれないが、慣れてしまうと乗れるもののようで、交通局に問い合わせが来ることはほとんどないそうだ。
見直しをしないというのも「系統番号単体での大胆な見直しが難しい」という話で、ほかに優先度の高い事項があれば、その修正や整理とともに見直すことはあるかもしれないとのことだった。
―終わり―
まっくすさん
2017年06月03日 06時30分
実際にバスに乗る人は、統一性はそれほど気にしないと思う。41系統も慣れないと迷ったり違う方向に行くけど、系統と行き先が分かれば行けるでしょ。そもそも市バスは基本前乗りなんだから、わからない時は運転手に『これ○○行きますか?』と聞きやすいでしょうよ。それより、知らない地に行ってバスに乗る時、“前乗り”か“後ろ乗り”か、チケット取るのか先払いなのかってのでドキドキする(笑)
とくもりさん
2017年05月28日 18時30分
民間バス会社のように「管轄営業所の頭文字(例:滝頭→滝)+営業所ごとの各系統番号」にしたほうがスッキリすると思うのですが。今の路線図も、多分観光客や他所から来た人には相当見辛いと思います。
うにゅーさん
2017年05月27日 13時08分
「いまさら表示を変えると混乱する」は確かに呆れますが、人口流入をこれ以上期待しないのであれば、既存の利用住民に配慮して今のままで固定するのがベターなのかもしれないですね。ただ、今後の新設路線ではある程度混乱を招かないような調整をしていただきたいです。あ、市営バス、今さら新設路線なんかないのか(笑