見た目からしてアヤシイ!? 石川町にある造形教室「ドゥイ」ってなにしてるの?
ココがキニナル!
横浜市石川町にある「ドウイ」子供造形教室。入り口から怪しげな造形。興味はあるものの、子供の姿もあまり見かけず、どんな活動をしているのかわかりません(くもきちさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
「怪しい」こそが狙い! 「ドゥイのこども造形教室」は、子供たちの好奇心を刺激する「なんだろう」で溢れるおもちゃ箱のような空間
ライター:秋山 千花
楽しいぞ! ドゥイ!
ワクワク、ドキドキでいっぱいのドゥイの教室
造形教室の対象者となるのは、4歳から小学6年生のお子さんで、授業はみんな一緒に行う。「もちろん、中学生になっても来たいという希望があれば受け入れています」とのこと。
年齢はあくまでも目安。子どもはひとりひとり違うからと個別の相談にも応じてくれるようで、中には教室開設当時から通い続けている生徒さんもいるのだとか。授業は隔週で月2回行われ、月謝は5000円。
毎回テーマは決めているが、テーマに沿って上手に作ることよりも、創作の過程や個々の発想やひらめきを重視しているという。
趣ある柱に張られた授業日程
ひとクラスだいたい5名くらいまでで、現在は小学校低学年の子を中心に20名程の生徒が通っているそう。
生徒さんがデザインした文字
子どもの習い事というと一般的に、男の子ならサッカーや野球、女の子ならピアノやバレエといったところだろうか? なかなか「造形教室」という選択肢が思いつかなかった筆者にとっては、いったいどんな子どもたちが通っているの? という点がキニナルところ。
そもそも「造形教室」が何を学ぶところなのかもイマイチ曖昧。
すると「試しにやってみますか?」と出て来たのがこちら。ん? 氷?
まさか、氷の彫刻でもさせられるのかとちょっと焦った筆者だが、いえいえ「造形」と言えどもそんなに難しく考える必要はなし。「ドゥイのこども造形教室」では、なんとこの氷・・・ただひたすら溶かすのだとか。
例えばこんな風にイラストの上に氷を乗せてみる
横から見ると、その絵はどんな風に見えるのだろうか?
例えばこんな風に金属を氷の上に乗せてみる
すると、氷の上の金属はあっという間に氷を溶かしてしまう
「何を作るというわけではなく、どんどん変化をしていく、その現象を楽しむんです」と語る轟さん。「幻シリーズ」と銘打って行われる授業には、食べものを食べるヴァージョンなどもあるそう。溶けて、食べて最後にはなくなってしまう。その過程でいろんなことを発見して楽しむのが目的だ。
絵の具を垂らすと、なんだかビー玉の模様みたい
氷のひび割れた様子でさえ、よく見るとアート!?
同教室では、夏場でもほとんどエアコンは使用しないという。それもあってだろうか、暑さの中で氷を使った授業は子どもたちにも大人気なのだとか。
エアコンの代わりに忙しく働くのは、扇風機。なんと、ダブル!
ひとり腕まくりで張り切る松山氏もかなり楽しそう
「教室」と名乗ってはいるものの、ドゥイのおふたりに子どもたちを指導するという堅苦しい身構えはまったく感じられない。
子どもによって夢中になるポイントは実にさまざま。だからこそ、決められたやり方を教えるのではなく、テーマを投げかけ子どもたちの発見や閃きとセッションをするイメージで、即興的に作り上げられる創造的な時間を楽しんでいくというのがドゥイの授業スタイルだ。
時には「造形美術」の枠を外れて、言葉や文章による作品作りも
写真は、子どもたちがセンテンスを区切りリレーする形で物語を作り上げた「いろいろ話」。
即興を楽しむドゥイの教室らしさが随所に現れた作品で、結末まで展開の読めない破天荒なストーリーと「ダイヤをげすいどうにおとした人」「おならをした人」など、シュールにも感じられるタイトルセンスがなんとも絶妙!
あぁ、このセンスと即興性が筆者にあったなら、松山氏に「早く原稿を書け!」とお尻をたたかれることもないだろうに・・・と羨望すら感じる秀逸作。
子どもって、ホントにおもしろい!
筆者がドゥイのおふたりのお話を聞いていて感じたのは、彼らが本当に子供たちに関心を持って、全力で子どもたちと楽しんでいるという印象。子どもたちとの「セッション」を語る両氏の表情は、「何だろう?」を楽しむ好奇心旺盛な子どもたちのそれに近い。
造形教室での活動を通し、彼ら自身多くの発見や閃きを得ているのだろう。ドゥイの活動は、現在教室の外にも幅を広げ、さまざまに展開されている。
学童保育や保育園で行われる造形教室も好評
なんと、今年はフジロック・フェスティバルのキッズコーナーにも「参戦」
さらに、子どもたちとのセッションだけでなく、舞台ワークや気鋭のアーティストとのコラボレートなどにも積極的。
参加した活動のパンフレットたち
山手ゲーテ座で行われたワークショップでは、光と影による作品を披露
「いろいろな人たちと組ませていただいて」とあくまでも謙虚な姿勢のおふたりだが、多方面から声がかかるのは彼らの作る世界観があってこそ。
「この秋にも日比谷公園で行われる『土と平和の祭典』というイベントに参加予定です!」と満面の笑みで語る轟さん。「常に迷いもあるんですけど、迷いながらもいい方向へ行けたらいいですね」と語る小野さん。
両氏による造形ユニット「ドゥイ」は、子どもたちと奏でる「セッション」の中で、さらにその感性を磨き上げ、これからもますます活動の幅を広げて行くことだろう。
取材を終えて
子を持つ親にとって、子どもの習い事は非常に感心度の高いテーマである。子どもの力を存分に発揮することのできる習い事をさせたいというのは、多くの親たちの願いでもあるだろう。
サッカーやピアノなど技術を習得する習い事のほかに、目に見えない力を養うこんな習い事もあるのだと教えられた今回の取材。
10年以上もピアノを習っていたにもかかわらず、譜面なくして演奏を楽しむことのできない筆者としては、幼いころにこんな教室に出会えていればと思わずにはいられなかった。
―終わり―
すいみーさん
2015年04月22日 13時56分
いつも通るたびに不思議なところだな~と思っていたので、謎が解けました。やっぱり、クリーニング屋さんだったんですね!
ホトリコさん
2014年10月29日 12時16分
やっぱり子供は、僕の子供の頃には下火になりつつあった、「巨人の星」的なスパルタよりも、のびのびと、だけどゲームばかりの偏った好き勝手ではない、自由な育ちかたが一番ですよ。