待機児童ゼロへ横浜市と川崎市がタッグ! 保育所の共同整備など全国初の取り組み!
ココがキニナル!
横浜市と川崎市が待機児童ゼロに向けて連携協定を締結したけど、内容は? 横浜、川崎の「待機児童ゼロ」は実現する?(はまれぽ編集部のキニナル)
はまれぽ調査結果!
待機児童解消に向け両市が共同で認可保育所を整備するほか、越境入所の補助金や優先枠が設けられる全国初の試み。両市も待機児童ゼロに期待
ライター:はまれぽ編集部
高まる保育ニーズに対応!
ここからは、渋谷課長のほか、川崎市の市民・こども局こども本部待機児童ゼロ対策室の佐藤佳哉(よしや)担当課長の話も交えて進めていく。
渋谷課長によると、2013(平成25)年4月にゼロだった横浜市の待機児童は2014(平成26)年4月には20人に増加。一方、佐藤課長によると、川崎市は2013年4月の待機児童は438人で県下ワーストだったが、2014年4月には62人となった。
川崎の待機児童解消率は全国2位だった
ここでいう「待機児童」とは、「入所保留児童」から認可外保育所に入所している児童数、育児休暇を取っている保護者がいる家庭の児童数、自宅で求職活動をしている保護者がいる家庭の児童数、と特定の保育園のみを希望している児童数を引いたものを指す。
過去3年の横浜市の待機児童数の推移(横浜市ホームページより、クリックして拡大)
2014(平成26)年4月時点で「待機児童」は20人となっているが、あくまでも行政が定義した「待機児童」であって、実数はこれより多いものと思われる。
横浜市で最も待機児童が多かったのは鶴見区の6人。次いで青葉区の5人、港北区・神奈川区・磯子区の3人だった。川崎市は宮前区の16人が最多。幸区が6人という結果だった。
両課長によると、横浜市では鶴見区・港北区、川崎市宮前区で保育所整備に適した土地が不足しているのが現状だそう。また、川崎市は活用できる土地はあっても、隣接する横浜市の待機児童対策に活用できる方法がなかった。
このため、どちらか一方の土地を利用して、両市が共同で待機児童対策に活用できる方法を模索した結果が、今回の協定締結に至ったというわけだ。
協定のイメージ(横浜市、川崎市ホームページより)
協定の内容は大きく2つに分けられる。
一つは、横浜・川崎両市の市境を超えて、双方の市民が利用できる認可保育所を共同整備するというもの。
具体的には、横浜市鶴見区・港北区と川崎市が隣接する地域、横浜市都筑区・青葉区と川崎市宮前区が隣接する地域に整備する。土地に関しては、市境にある公有地や民有地を活用する。
楕円部分を中心に整備を進める
現在は、2016年4月にJR横須賀線の新川崎駅周辺で共同の認可保育所を整備することを目指している。定員は需要をもとに横浜市と川崎市に振り分け、整備費も定員割合に応じて両市で負担する。
前述の通り、保育施設の利用は、その自治体住民が基本。そのため、他自治体から申し込みがあっても、地元住民を優先する規定を設けている自治体がほとんど。
横浜市にとっては保育所費用を一部負担する代わりに、川崎市の保育施設に優先枠が設けられる。川崎市も同様だ。
費用を負担する代わりに横浜市民の優先枠を確保できる
もう一つは、2015年4月をめどに、市が独自で認定している「横浜保育室」と「川崎認定保育園」(ともに認可外保育所=市町村レベルで認定、助成しているもの)を両市民が市境を超えて利用する際の保育料について、保護者が住む自治体が補助を行う、という内容になっている。
協定は「認可保育所の共同整備」と「補助金」の二本柱(写真は過去記事より)
両市の市境付近ではこれまでも市境を超えて保育施設を利用する住民はいた。
2014(平成26)年10月時点で「横浜保育室」は148施設、「川崎認定保育園」は107施設あり、同年4月1日に「横浜保育室」に入所している川崎市民は6人、「川崎認定保育園」に入所している横浜市民は30人だった。
現在は、横浜市の保護者が「横浜保育室」を利用する場合は最大5万円、川崎市民が「川崎認定保育園」を利用すると、条件によって異なるものの最大2万円が補助される。しかし、上記のような市外の施設を利用している保護者補助金を受け取ることができなかった。
協定締結後は、市外施設を利用する場合でも、利用している自治体の基準で補助金が給付されるため、保護者にとってメリットになりそうだ。
このほか、両市合同で保育士養成学校の学生向けに就職セミナーを開催するなど、保育士確保策に取り組むことも協定に盛り込まれている。
保育士確保も課題(写真は過去記事より)
子育てしている家庭はどう思っているの?
では、子育て世代は協定の内容をどう思うのか。横浜、川崎両市で聞いた。
横浜市港北区の20代男性は川崎市まで通勤しているが、補助の関係もあって、横浜市の認可外保育所に子どもを預けているという。
この男性は「朝早いときなどは保育所に寄って、子どもを預けてから仕事に向かうと時間のロス。川崎で預けることができて、補助が今まで通りとなるなら、非常にありがたい」と好意的な様子。
JR川崎駅前でベビーカーを押していた、川崎市川崎区在住の30代女性は「(自分は直接関係ないだろうが)該当する地域の人にとってはいい制度なのでは」と話していた。
渋谷課長が「互いのニーズに沿った環境整備を行いたい」と語れば、佐藤課長も「協定を機に、ともに子育てしやすい街を目指す」と話していた。
取材を終えて
市境の両住民、とりわけ、現状で他市の保育施設を利用している人たちにとっては、大きな意味がある協定だと思う。全国初の仕組みなだけに、検証や見直しが必要になるかもしれないが、今後の取り組みに期待したい。
―終わり―
OKKUNPAPAさん
2015年04月29日 02時13分
川崎の認定(認証)保育園は酷いところもあります。一定の基準を満たしているのでしょうが、南武線の高架の下で、園庭も同様で10メートル四方で空は見えず、防犯の為高さ2メートルの目隠しフェンスに囲まれています。屋根代わりの高架の低いところでは、高さ3メートル位でしょうか?もちろん電車が通れば騒音がします。その横には南部沿線道路が通ってます。確かに駅のそばで改札口には徒歩3分位。ベビーカーも預かってくれるみたいですが…。保育料は市の補助がでますが、正直周辺の保育園に比べると…。まぁ入れないよりかマシですがね。
jamukoさん
2014年11月13日 18時14分
まず、役所が言う“待機児童”ってのが曲者ですね。各家庭で様々事情(通勤経路や時間等)があるにも関わらず、希望する保育園に入れない子供は“役所としては、別の保育園なら入れますよ”と案内したから、待機児童ではないって理屈です。極端な話、中区根岸にお住まいで、大船に通う方に“麦田町の保育所なら入れます”って案内しても、現実的ではないでしょ?でも、待機児童ではないのです。また、子供を預けて求職活動をしたくても、預けられない。育児休暇を取って自宅で待機している子供はカウントされない。つまりは、役所的に待機児童を減らすってのは、とりあえず保育園の入所“可能数”を増やすだけで、ゼロに出来るんですね。現実問題に即してないのは明らかです。これを“現実問題に当て嵌めて解決するため”に両市が提携するなら、非常に意味が有りますが、もっと広域で考えなければ解決できないのでは?些か疑問が残りますね…
エアバスさん
2014年11月10日 23時15分
娘が川崎で、保育所を探しています。川崎は待機児童、最近増えているんじゃないでしょうか。横浜と手を組んでいいことあるのでしょうか。この記事ではよくわかりませんでした。