寿地区内で宗教活動を行っている人はなぜ簡易宿泊所の人たちを中心に勧誘しているのか?
ココがキニナル!
寿地区内で宗教の勧誘が行われているようです。3~4人くらいのご婦人が立ち、行き交う人にパンフを配って勧誘しているようです。簡易宿泊所で生活している風のおじさん達にのみ配っています。(リキさん)
はまれぽ調査結果!
日蓮正宗など日蓮宗系の新興宗教の団体が入信をすすめている。勧誘場所は横浜全域で寿町に限定しているわけではない。
ライター:小方 サダオ
詳しい事情を町内の人たちに伺う
町内には日向ぼっこをしていたり、友達と話し合ったりしている人たちが多い。そんな人たちにこの宗教の勧誘について伺った。
自転車に乗っていた、40代くらいのある男性に声をかけると「10年ほど前に『お寺に行きませんか?』と声をかけられました。ファミリーレストランに行って食事をさせてもらうと、入信することになりました。横浜市内のある場所まで行くと、400円くらいのものでしたが、数珠とお経の本を向こうが払ってくれました。そこでは1時間くらいお経を唱えたり、トップの人の演説会のビデオを見たりします。今、私はそこをやめて、キリスト教に入っています」とのこと。
町内にはキリスト教の施設もあるため、ほかの宗教に変える場合もあるようだ。
寿地区にある教会
日本バブテスト横浜キリスト教会
つづいて寿公園にいた土屋さん(57才)は「10年位前に仕事仲間に誘われて、Aに入信したよ。数珠と経典は向こうが払ってくれた。あるビルの一室で1000人くらいと一緒になってお経を唱えたりするんだ。今も月に数回は向こうから迎えに来てくれて電車で通っているよ」
「俺も仲間を何人か連れて行ったよ。今は仲間がこの街からいろんな場所に移ったけれど、向こうに行くと顔を合わせるよ。俺は毎日手を合わせたり、朝晩お経を唱えたりしているよ。病気にかかってるから精神的な助けになるんだ」と答えてくれた。
熱心にAを信仰しているようだ。
町内にある寿公園
寿公園には越冬のためのテントが張られていた
寿町総合労働福祉会館の2階で友達と話をしていた浜屋(67才)さんの話を伺う。
「あの人達は入会金を取るようだけど、ここにいる人たちは弱い立場の人たちだからねぇ。生活保護を受けているような人たちからお金を取ろうだなんてひどいよ」
「俺はあの勧誘している宗教じゃないけど、キリスト教には入信しそうになったんだ。教会がやってくれる炊き出しをいただいたからね。悪いなぁ、と思って勉強会に行ったんだよ。すると『入信して』と言われ始めたんだ。でも宗教って性に合わないからねぇ、入らなかったよ。苦しい時の神頼み、とは言うけれど、お祈りしている暇があったら仕事して、一人気ままにしている方がいいね。だけど生活保護を受けて税金で生活させてもらうのは嫌なんだよね。今では協会で寝泊まりさせてもらって、浮いた宿泊代で服を買ったりしているよ」 とのこと。
「自由でいたい」と静かに話す男性の表情からは純粋さを感じたが、これはさまざまな経験をした者の得た境地なのかもしれない。
寿町勤労者福祉協会ビル内に泊まる人たち
勧誘者の一人と親しげに話をしていたある男性に伺う。「俺は昔の仲間だったからあの人と話をしてるんだけど、入信する気はないよ。多く人を入信させれば、団体内で格が上がるらしいよ」とのこと。
さらに長年寿町に住むある年配の女性からは「あの人たちうっとうしいでしょ。私もさっき怒鳴ってやったんだよ。よそ者が何で寿町でそんなことやってんだってね。入会金で1000円取ったりするところがあるみたいだけれど、生活保護で6万円もらっても入会金で1000円取られるのは痛いんだよ。じつは私は創価学会なんだけとね。壁に選挙のポスター貼ったりしてるから、あの人たちにはわかっちゃうんだよね。創価学会ではあんな布教活動はしないよ」とのこと。
某政党の議員のポスター
壁に貼られたポスターで創価学会員であることがわかるようだ
ここで寿町勤労者福祉協会の中路(なかじ)事務局長にお話を伺うと「勧誘している人たちについて詳しくは知りませんが、協会の敷地内では勧誘活動を禁止しています」とのこと。
またスタッフの男性は「生活保護受給者を狙っているようで『生活保護受給者ですか?』と聞いて来るそうです」と答えてくれた。
寿町勤労者福祉協会内に貼られた看板
簡易宿泊所入り口の宗教団体立ち入り禁止の貼り紙
ところで寿地区の男性から、
「いくつかの団体が勧誘をやってるよ。久保山霊園近くの寺とかAとか。この2つは敵対しているらしいね」と伺った。
複数の団体が勧誘をしているようだ。しかも反目し合う団体が寿町で勧誘を行っているのはなぜなのだろうか?
勧誘団体に話を伺う
最後に勧誘者たちに声をかけてみることにした。
すると複数の人たちが矢継ぎ早に話はじめた。
「私たちは日蓮正宗の信者です。ここでは私たちのほかにもAなどが布教活動をしています。しかし私たちが本流なのです」とのこと。
日蓮正宗の勧誘者
配布しているパンフレットのひとつ
日蓮正宗の歴史について書かれている
仏法では人生の苦悩を解決する道を説いている、という
寿町で勧誘を行っている理由を伺うと「私たちは近くて人が多くいるから来ているのであって、どこでも行っています。ほかには大通り公園などでもやっていますよ」とのこと。
さらに別の場所にいた勧誘者の女性に伺うと「勧誘は人通りの多い場所で行っています。しかし伊勢佐木町などですと、買い物客が多く、忙しそうに歩いていて立ち止まってくれません。しかしここの人たちは暇を持て余している人も多く、話しかけやすいです。先日小雪が舞う中、食べるものがないと炊き出しに並んでいた男性は『刑務所帰りだ』などと身の上話をしてくれました。このような不幸な方にこそ、宗教は必要なのです」と語ってくれた。
日蓮正宗は海外にも信徒がいる、という
最後に日蓮正宗の本部となっているお寺に話を伺うと「個人の信者さんで入信の勧誘をされているので、こちらでは事情が分かりません」と答えてくれたが、取材には応じてもらえなかった。
取材を終えて
寿地区に長時間いると、さまざまな場面に遭遇することがある。例えばある喧嘩では、中年の男性が老人を怒鳴り威嚇しながら服を引っ張って引きずり回していた。すると服がはだけ老人の体に彫られた色鮮やかな刺青があらわになった・・・。
“以前は威勢が良かった男性も、今は老人となり若者に頭が上がらない立場になってしまったのかもしれない・・・”そんなことを想像させる場面を見ると、そんな人には勧誘者の女性が言うように、“人生の苦悩”に答えを示してくれそうな宗教の救いも必要となるのかもしれない。
寝ているのか具合が悪いのか、道ばたで倒れている人も見かける
しかし町内の人たちはインタビューにも気さくに応じてくれ、なぜか本名を教えてくれる人も多い。“こだわりのない、自由気ままが好きな人たちが今を生きている”といった、純粋で無心な人が多い印象も受けた。それは今までに艱難辛苦(かんなんしんく)を乗り越えてきて得た達観した境地なのかもしれない。
そのような人生の答えを体現しているような彼らには、さらなる宗教の教えなどは必要がないような気がした。
昼間からカラオケで盛り上がる居酒屋
―終わり―
陽気なヘンリーさん
2020年03月27日 17時52分
日蓮正宗に入れば コロナにかからないんだって…
羽衣さん
2020年03月27日 05時53分
Aって、顕正会だな!私も同じ手口と内容で、連れて行かれた。
さはらさん
2020年03月01日 16時45分
この記事を書いた人は創価学会員なんだろうなあ…