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横浜「1000ぶら」商店街探訪vol.40 しょぼい駅「神奈川駅」前の静まり返っている「宮前商店街」で穴場の名店を発見!

ココがキニナル!

横浜「1000ぶら」商店街探訪vol.40 しょぼい駅「神奈川駅」前の静まり返っている「宮前商店街」で穴場の名店を発見!

はまれぽ調査結果!

宮前商店街の歴史を感じながら新会芳楼で五目チャーハンをいただき、残金がほぼなくなったところで神頼みをし萬新菜館で皿洗いをして焼そばをいただく

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ライター:三輪 大輔

早くも残り100円



「とりあえず」と言っていた山岸の言葉を信じて神奈川駅から帰って出直しだと思っていた筆者。しかし、山岸から思いがけない言葉が飛んだ。

「もう1000ぶら、始まっているからね」
「ですよね~・・・って、えー!!」
「美味しいチャーハン食べたじゃん、あと100円で何とかしなよ」

きょう日、100円で買えるものなど、あまりない。しかし、1000ぶらをやりたいと言ったのは自分である。

ど う す る 俺 ?
 


何かに導かれるようにここに来た


「商店街のサンクスのうまい棒じゃだめですかね?」と言おうとした瞬間、ある建物が筆者の目に入った。それこそ洲崎大神である。

こ れ し か な い !

困った時の神頼みである。もうここまでくれば100円も90円も大して変わりはないだろう。どちらにしたって、お金はないのだ。それならば、10円を使って願いを叶えてもらえる方に賭けるしかない。それにしても、やけっぱちのギャンブラーのような思考だ。
 


神様、1つだけお願いがあります
 

90円で美味しい料理を食べさせてくれるお店に連れてって!


ちなみに洲崎神社は由緒正しき神社であり、その由来は源頼朝であると言われている。提灯祭で使用する山車も、この神社に納められているそうだ。

なんだか、パワーをもらって、いいことが起こりそうな気がする・・・
 


境内に根を張る大木も、どこか神々しい
 

横浜駅から徒歩15分ほどで、こんな静かな場所もあるんだな


お参りを終えて、90円でご飯を食べさせてくれる店を探すため、しらみつぶしに商店街を回ってみることにした。
 


店内でライブも行われるというマルシェ


まずは宮前商店街で20年ほど営業しているという洋食店「マルシェ」である。恐る恐る「あの~90円で・・・」とお願いしようとしたら、ちょうど今からお店でやるライブの準備中・・・とのことで取材は受けられないとのこと。突然すみませんでした。

ちなみに店内の様子を見るとワインの種類は豊富だし、ご婦人方で店内は満席だし良い感じのお店であった。

続いては、宮前商店街に店を構えてから2~3年目であるという、とんかつ「サンオリーブ」に突撃。
 


とんかつ「サンオリーブ」


ここも亭主の方が一人で厨房を担当し、夕方の仕込みでかなり忙しそう。それに筆者自身も、頼んでいる途中で気がついてはいたが「90円しかないんっすけど、どうすっかね?」なんて感じで来る人間は、ただのイかれた失礼な奴である。本当に、お忙しいところ、お邪魔しました。
 


京急神奈川駅にも近いすし店「武寿司」


どんどんとスタートした京急神奈川方面に近付いていき、最後に「武寿司」に入った。ここは宮前商店街で営業を始めてから17年ほどになるらしい。

お寿司は高いから・・・と思ってはいたが、たまに大手回転すしチェーンで1貫90円とかやってはいる。消費税が入ったら94円になるが、もしかしたらどうにかなるかもしれない。

ガラガラガラ・・・
「あの~今90円でご飯を・・・」
「うちは、ちょっと取材はお断りしているから。ごめんね」
・・・ピタッ。万事休すである。
 


「濱久」は取材当日休みでありました


万策尽きた筆者。ここで気付いたのが「この商店街はだめだ、と伺うけどどこもまだまだたくさんお客さんが入っている」ということ。昼時にはサラリーマンや主婦層で満席になるお店が多く、愛されているお店が多い。

ちなみに宮前商店街で見た現在も営業の個人商店は新会芳楼、マルシェ、サンオリーブ、武寿司、濱久、そしてコンビニエンスストア「サンクス」の上にあるラフィネ横浜ピアノスタジオ、鈴木理容室、呉服店の嫩草苑(わかくさえん)、そして洋品店「かわむら」の9店舗だ。
 


ここに12年あるというピアノスタジオも利用中とのこと
 

以前はまれぽで取材させていただいた小西商店さんは休業しているらしい


ここは一旦90円のことは忘れよう。もう少し商店街のことが知りたい。先ほどからキニナっていた、洋品店「かわむら」に入ることにした。
 


婦人服のお店「かわむら」


「かわむら」の亭主は河村賢洋(かわむら・よしひろ)さん。「名前が男みたいだけどね」と、ご本人も言っていたが、女性である。しかも、なんと河村さんは、以前はまれぽで、洲崎大神氏子として登場していた。
 


御年76歳であるという河村さん。お肌がツヤツヤでキレイ!
 

店内には、婦人物の洋服がたくさん並んでいる


ちなみに「かわむら」は、宮前商店街の地で100年近く続くお店で、河村さんは3代目に当たるという。洋服屋であるが、以前は和服を扱っていたため、現在も着物の洗い張りや仕立て、染め替えなども行っている。
 


店内には反物(たんもの)も数多く置いてある


そんな河村さんに商店街の様子について尋ねてみると「やっぱり宮前商店街は、活気がなくなってダメね」とのこと。さらに「うちは、横浜市がやっている『亀太郎ラリー』っていう企画にも参加しているのよ」と言うと、その時に使用したスタンプカードを見せてくれた。
 


亀太郎ラリーのスタンプカード


「参加しているお店で商品を買って、シールを集めたら景品をもらえるの。うちも景品を出してるよ。いくつかの商店街のお店が参加してやっているんだけどまだ引き換えに来た人はいないかな笑」

そんな話をしていた時である。ある一人の男性が店内に入ってきた。婦人物の洋服を扱うお店に、男性客が一人で来たので、河村さんは「うちは、婦人服専門店ですよ」と話しかけたが、この男性の次の言葉に驚いた。

「商品の引き換えに来たんです・・・」
 


仮称カクマルさんは、神奈川区菅田から来たという


引き換えに、キタ―――――!!

にわかに活気づく店内。筆者と山岸も驚きである。「まだ誰も来ない」と言っていた瞬間に来たのだ。しかも「亀太郎ラリー」は新春企画だった。3月のこの時期まで来なかったというのに・・・。すごい現場に居合わせたものである。

その後、お二人の会話は盛り上がり「家紋」の話に及んだ。「家紋は、お墓に行けば、すぐに調べられるよ」とは河村さんのお言葉である。幸運な時に立ち会えたことに感謝しながら、店を後にした。
 


代々、河村家に伝わるという商売道具でもある家紋帳
 

河村さん、ありがとうございました!