決死の42.195km! 初の市民フルマラソン「横浜マラソン2015」当日の様子を疾走(?)レポート!
ココがキニナル!
横浜マラソン2015が開催。初の横浜市民フルマラソン大会の様子を教えて!(はまれぽ編集部のキニナル)
はまれぽ調査結果!
2万5000人のランナーが、62万人もの沿道の人たちに見守られ、みなとみらいや首都高速道路を駆け抜けた。編集長・吉田、ライター山口も奇跡の完走!
ライター:山口 愛愛
ではスタート! 行ってきます!
車いす10kmの部も迫力のスタート
号砲が響き渡る
みなとみらい大橋から、いよいよスタート
今回のコースの目玉といえば、みなとみらい周辺の景観を楽しめ、フィニッシュの臨港パークでは海に向かってゴールできること。ふだんは走ることのできない首都高速道路を11kmも堪能できることがあげられる。
給水、給食所では、横浜少年少女合唱団などの団体が歌やダンス、マジックなどの応援パフォーマンスで、ランナーを後押しするのも見どころ。
「ラッキー給食」の名で配られる軽食は、ありあけハーバー、江戸清のお江戸の子ブタまん、宝製菓のJグラハムバニラクリームなど、地元企業などが提供する名物ばかり。走る楽しみは尽きない。さぁ、どんなレースになるのか。
ありあけハーバーや・・・
グラハムバニラクリームなどラッキー給食は48種類
テレビ中継でマラソンを見ていると、一斉にランナーが飛び出していくが、Dブロックともなると開始から1分ほど経ってもまったく動かず、ゆっくりと歩き出した。計測記録は、スタート地点を通過するときからカウントされるのだが、12ヶ所の関門での閉鎖時間は決まっている。
スタート地点に来るまでこの混雑で10分
ランナー目線でもようやくアンバサダーたちを確認
関門をギリギリで通過しなんとか完走を目指す筆者は、この大渋滞に焦りが増すばかりだ。
結局スタート地点を通過できたのは約10分後の8時40分ごろ。ジョギング程度のスピードで流れはじめたが、ときどき腕や肩がランナー同士でぶつかるくらいの混みようであった。
舞台の上からランナーに手を振りお見送り
ランナーは東神奈川方面へ進み、横浜市中央卸売市場本場前を通り、またみなとみらいへ。パシフィコ横浜、赤レンガ倉庫の前を通り、5km地点の横浜スタジアム方面へ。
走り出して最も驚いたことは、沿道の声援が大きく、誰に対しても声をかける人が多いこと。「がんばれ!」「マイペースで!」「楽しんで~」とあたたかい声援が励みになる。
約5km地点の関内駅周辺もギャラリーが多数
吉田は、というとスタート後30分以上ずっとパニック状態だった。パシフィコ横浜のトイレが混んでいたため、スタートしてから最初のトイレ(神奈川公園仮設トイレ)に行こうと考えていたが大誤算。スタートまでの間が寒かったり、同じことを思ったランナーが多かったりしたせいなのか、意外にも1つ目のトイレが大渋滞。
吉田は15分も並んで時間をロス。トイレから出てきたころにはFグループも通りすぎ、ほぼ最後尾の位置。焦って飛ばしまくっていたのだった。
「トイレが混んでたんだよ~」となぜか笑顔
やっと10km地点に。寒かったせいか、思うように体が動かない。膝の様子を確かめつつ、関門の通過時間も考えて「1km8分ペース」を守ろうと思っていた筆者。スタートまでに10分かかったため、取り戻そうと少しペースをあげていた。
「ナイスランGO!」と首都高速の電光掲示板も粋なはからい
高速道路下10km地点を通過。すでに1時間以上走っている
10kmで1時間21分の表示だが、実際は1時間10分で走っているので「1km7分ペース」でここまできた。ふくらはぎが張り、息が多少あがっている程度。おもいのほか、まわりのランナーのペースが速く感じて焦りそうになるが、マイペースを保つ。
カラフルなランナーが道路を埋め尽くす
18ヶ所の給水所ではボランティアスタッフがすばらしい対応をしている
精神的にきつくなったら音楽を聴いてまぎらわそうと決めていたが、15kmあたりで苦しくなり、早くもイヤフォンを装着。
編集部・山岸に「自撮り」を頼まれ、なんとか15km地点で撮影
ようやく折り返し地点の南部市場へ。ここは19.8km地点の第6関門。閉門時間は午前11時31分。筆者は午前11時08分に通過。スタートしてから2時間28分。
南部市場前
10日前に初めて通しで20kmを走ったのがランニングの最長距離である。ここからは未知の世界。己との戦いが始まる。
自分の実力と閉門時間を踏まえ、25km過ぎくらいまでならいけると思っていた筆者。すでに下半身に疲れがたまっているが、落ちついてまずは25kmを目指す。
折り返しのあとは首都高速道路へ
南部市場を過ぎると、すぐに首都高速道路「杉田」入口。初めての高速道路ランニングのわくわく感よりも、長い上り坂にひるんでしまう。踏ん張りどころだ。
アップダウンに加え、高速道路特有のバンク(横の傾斜)で急カーブのところはカーブ内側ばかりに体重がかかってしまう。短いランニングであれば、さほど気にならないのかもしれないが、20km走ってきたダメージもあり、足の疲れは痛みへと変わっていく。
間近に迫る工場景色
高速道路を走る貴重な経験だが傾斜がきつい
30kmを過ぎ、この辺りからは足を着くごとに細胞の一つひとつが破壊され、鈍痛をともないながら重くなっていく感覚。1歩が数cmしか前に出ていないように感じる。夢の中でもがいても、もがいても進まない感覚と同じだ。
高速道路上にも仮設トイレや給水所がいくつもある
つらい、しんどい。弱音を吐きそうになったが、30.8km地点の第13給水所が見えてきて、顔をあげた。青い旗がなびいている。このポイントのパフォーマンスは筆者の母校「ニッタイダイ」の応援だった。チアリーディングと学ランをまとった応援団の威勢の良い掛け声に背中を押される。後輩たちの前で無様な姿は見せられない。
イケメンの学生から水を受け取り、飲み干すとまた走る気力がわいてきた。
関門もあるので、リタイアランナーを乗せるバスも待機
高速道路の本牧ふ頭出口でUターンするように急な坂を下る。膝と腿の前側に負担がかかり、そっと足を着くように丁寧に下っていく。自分の足の限界が近づいていることがわかる。