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決死の42.195km! 初の市民フルマラソン「横浜マラソン2015」当日の様子を疾走(?)レポート!

ココがキニナル!

横浜マラソン2015が開催。初の横浜市民フルマラソン大会の様子を教えて!(はまれぽ編集部のキニナル)

はまれぽ調査結果!

2万5000人のランナーが、62万人もの沿道の人たちに見守られ、みなとみらいや首都高速道路を駆け抜けた。編集長・吉田、ライター山口も奇跡の完走!

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ライター:山口 愛愛

30kmの大きな壁、果たして完走なるか



高速道路を下り、一般道へ。ここからは、港にせり出した横浜港シンボルタワーを目指して折り返すコース。32kmを過ぎたあたりから、ランナー全体の様子が変わっていくことに気付く。

 

明らかにペースダウンする人が多数
 

A、Bブロックのランナーではあまり見られない光景だと思うが、足を止めてコースの端で筋肉を伸ばす人、足がつっている人、うずくまっている人、意識が朦朧(もうろう)としているのかよだれを垂らしている人、足を引きずるように歩いている人・・・。みんな体のダメージと戦いながら、それでも足を進めている。

 

うめき声が聞こえてきそうだ
 

シンボルタワーまでが果てしなく長く感じる
 

地獄絵図のような光景にめまいがするが、わずかな力を振り絞り、重たい足を出していく。
もう足が動かないかもしれない。自分も、いちど立ち止ったほうが良いのだろうか・・・。
弱気になっているところで突然、どこからか名前を呼ばれ驚く。

「山口さん!!」「あー!」「がんばって!」「はい、がんばって!」
吉田であった。

 

予想外に元気な吉田
 

折り返し地点の先を行く吉田とすれ違ったのだ。そう、吉田はなんと自分より3km以上前を走っていた。短い言葉しか交わさなかったが、それだけで充分だった。予想以上に元気な吉田の姿がまた走る力となった。よし、はまれぽ魂で完走しようじゃないか。

 

お腹をゆらしながらも、しっかりとした足取り
 

気合いを入れ直して、前へ!
 

第9関門の横浜シンボルタワー折り返し地点、34.8kmまできた。時間は午後1時24分。閉鎖時間まであと18分。走り始めてから、約5時間が経過していた。
少し休みたいのだが、歩いたり、立ち止ったりしてしまうとみるみるペースが落ち、閉鎖時間が迫ってしまう。今のペースを守って走りぬいて、なんとか完走しなければ。

 

気持ちは焦るが足が上がらない・・・
 

37.1km地点の16給水所のタヒチアンダンスパフォーマンンスを横目で見ながら、あと5kmと確認。

 

吉田も無事通過していた
 

足が止まりそうになったり、苦しい表情になったりしてしまうと、「ファイト!」「あと少し!」などとランナーが声を掛けてくれる。もちろんそのランナーたちも苦しそうなのだ。頷くだけで精いっぱいだが、ランナーや沿道の声援には感謝の気持ちでいっぱいだ。
沿道の人が、個人的に「水あります」「コールドスプレーあります」などの看板をもって、ランナーにスプレーしている姿なども見かけた。

 

駅から遠いところでも絶えず声援があった
 

「今までがんばって練習してきたんでしょう! あとたった5kmだよ!」「このペースで行けば完走できるよ!」見知らぬ人の励ましの声に何度も救われた。これが市民マラソンの醍醐味なのかもしれない。

山下公園の前を通過し、遠くの方に赤レンガ倉庫が見えてきた。約9時間かけて試走したときも、この辺りまで戻ってくると地元横浜の景色が一層愛おしく見えた。本当にあと少しだ。普段は気付かないくらいのゆるい坂道が急傾斜のように感じられ、膝ががくがくしているが、とにかく早くゴールしたい気持ちで足を前に出し続ける。

そして、吉田はひと足先にゴールしていた!

 

もこもこしているが、これは吉田ではない
  

こっちが吉田! 速報タイムでは5時間36分! 実際は5時間24分でゴール!
 

まんまるい顔で満面の笑み
 

筆者も最後の関門をくぐり抜け、ゴールまであと少しのところまでたどり着いた。ゴールが近づくにつれ、沿道の応援はさらに大きくなる。パシフィコ横浜が視界に入った。

もう普段歩いているスピードより遅いかもしれない、でも今自分は走っている、諦めずに走ってきた。そんな風に思うと息が弾んだ。フィニッシュゲートはもうすぐそこ。最後の力を振り絞ってスピードを上げる。

 

「足が棒」とはまさにこのこと
 

言うことを聞かない足を前に出し、ゴール!!
 

両手を高く上げ、ゴール!! 速報タイムで6時間6分。実際は5時間56分くらいだ。カメラを構えていた山岸が歩み寄ってきた。「わー! おつかれさまです! すごい、すごい! 感動!」
相変わらず疲れが増すようなハイテンションで話しかけてくるのだが、今日ばかりは山岸を見て安堵し、不覚にもいろいろ込み上げてしまった。

 

「もう、間に合わないかと思ったぁ」
 

「二人とも絶対、完走できないと思っていたから30km地点の撮影をしてたのに! ちゃんと走っているから慌てて走ってゴールに向かったんですよ! 吉田のスピードに追い付けなくてタクシーひろって・・・」と、ものすごい勢いで話しかけてくる。そして「はい、記念撮影するから、笑って、笑って!」と山岸。

 

笑顔を作ってみたが
 

いや、もう立てない。本当の姿はこちら
 

あんぱんやレーズンなどラッキー給食を食べまくったという吉田
 

吉田と再会し「やればできる! おつかれさま!」と笑顔で声をかけあった。

 

完走メダルとタオルをもらい、任務完了
 

横浜らしいデザインの完走メダルに重みを感じる
 

参加費の高騰にも影響するとも考えられる、高速道路の走行は賛否両論あるだろうが、帰りも一般道を通るコースだと単調すぎる気もした。

その間、沿道の応援がないことが寂しいが、給水のボランティアの対応が素晴らしく、パフォーマー以外もたくさん声をかけてくれた。アップダウンは確かに厳しかったが、高速道路のメリハリが良い刺激になったともいえる。

ランナーの数に対し、スタート地点の道幅が狭く最初の渋滞が気になったが、全体的には気持ち良く走れるコースではないだろうか。そう思えたのも62万人が繰り出した、沿道の声援のおかげであるかもしれない。これが、Dブロックランナーが実際に走ってみての感想だ。第1回としては大成功と言っていいのではないだろうか。
 


ふだん見ることのできないアングルで横浜の景色を楽しめた
  

大会終了後、横浜マラソン組織委員会事務局次長の渡辺充(わたなべ・みつる)さんにも感想を伺うと「天候にも恵まれ、大きな事故などもなく高い完走率(96%)となって、ほっとしている。第1回で不慣れな点もあり、参加者などにご迷惑をお掛けしたところもあると思います。そこは受け止めて改善し、第2回、3回と長きに渡って楽しみにされる、横浜マラソンにしていきたいです」と安堵の様子であった。
 
さて、我々は無事に走り終わり、JR関内駅から徒歩5分の焼肉店「関内苑」で打ち上げる。

   

撮影の山岸も走りまくっていたので、ビールとウーロン茶で労う
 

特上カルビや特上ロースは上品な脂の甘味を称えヤミツキに
 

走った感想を語りながら、打ち上げも盛り上がった。そもそも、吉田のダイエット企画から「マラソンも取り入れてみよう」という話になり、巻き込まれたのに「メタボでもマラソンを走れるのか」と、いつの間にか企画趣旨が変わってしまったな・・・と今さらながらに思う。しかし、吉田のお腹を見て、苦笑いを浮かべながら口に運んだ焼肉は、ひと味違う美味しさがあった。

 

どちらが豚足か分からなくなるが・・・「横浜マラソン2015」これにて完結!
 



取材を終えて



30kmを過ぎてつらくなったとき、応援してくれている家族や手書きのメッセージをくれた親友、コメントを寄せてくれた人たちのことを思って乗り切った。それと同時に、はまれぽの記事のことも考えていた。

1ヶ月前に参加が決まったとはいえ、あまり練習できませんでした、時間制限でリタイアしました、という記事を出しておもしろいだろうか。自分のように、落選して走れなかった人もたくさんいる。そんなレポートでは走れなかった人や読者に失礼だと思ったのだ。

筆者は体を張った取材が多いせいか、応援や労いのコメントをいただくことが多く、励みになっている。試走後のコメントもそうだった。そんなことを思い出し、完走レポートを届けたいと強く思ったのだ。

最後まで足が動いたのは、はまれぽユーザーのみなさんのおかげでもある。この場を借りて感謝したい。ありがとうございます。そして横浜マラソンに興味を持った方は来年一緒に走りましょう。


―終わり―
 
 

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  • 完走おめでとうございます。きっと吉田さんはリタイアになっちゃってその様子を伝えるんじゃないかと予想してましたので、この記事はいい意味で裏切られました。メタボの星ですね。フルマラソン完走ですよ!すごいよ!

  • 修行のような長い長い高速道と本牧埠頭のあと、一気に視界が開けてものすごい応援が飛び込んでくるのはほんと圧巻、不覚にもウルっときました。考えてコース設定していたなら天才的。他にも、ランナーじゃないとわからない気持ちを掲げて応援してくれた方とか、外れたけどこうやって参加してくれたんだと思うと、汗だか涙だかわからないので顔がぐちゃぐちゃ。来年外れたらああやって励ましたいなと。

  • 高速道路を走ることが予想以上に足腰に負担がかかるって解説の瀬古さんが言っていた。コンクリートはアスファルトよりも堅いらしい。

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