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まるで南欧? 神奈川区にある関東最大級の広大なオリーブ農園「米屋農園」に突撃!

ココがキニナル!

神奈川区にある関東最大のオリーブ園「米屋農園」。巨大なオリーブの木がたくさんあり、南欧のような景色!大正時代から続いているらしく、オリーブはどこに売られていく?(まさしさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

米屋(こめや)農園では、オリーブの実や加工品ではなく、年間約350本の木を販売。販売された植木の多くは、近郊の個人宅の庭などで、観賞用に利用

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ライター:藤井 涼子

オリーブの木が人気の理由は? 値段はいくら?



「自宅の庭にオリーブを植えたい」という個人客が圧倒的に多いという米屋農園。なぜ「庭」なのだろうか。
 


見慣れている日本の樹木とは少し雰囲気が違うオリーブの木
 

オリーブの葉の色は、白が混ざったような独特の黄緑色だ。日本の木々にはあまりない色あいのため、自宅の庭を「ヨーロッパのような外国の雰囲気」にすることができる、ということが人気の理由のようだ。

また、小川さんは、オリーブを庭に置く理由を「オリーブは平和の象徴とされていますからね。最近では、オリーブオイルや実を使った料理がポピュラーになり『オシャレ』というイメージもあるんだと思います」と分析し「でも結局は、となりの庭に植わってない! ということが重要なんじゃないかな」と笑顔で付け加えた。

ところで、キニナルオリーブの木の価格だが「1本1本大きさも太さも異なるし、一概にいくら、とは言えない」という返事。

だいたいの価格を・・・と尋ねると「小さな苗木なら1本1万円からあるし、樹齢300~400年くらいの大きさになると、500万~700万円くらいのもある」とのこと。

つまり、先に紹介した千葉の別荘へ植えたいという大きなオリーブは、推定樹齢は300年なので・・・。
 


ちょっと気軽に買える値段ではありません・・・
 

オリーブの木は数百年から1000年以上も生きるといわれているため、代々受け継ぐことができるというのも魅力のひとつとなっているようだ。

大手のデベロッパーからの問い合わせも「ちらほらある」とのことだが、よく街路樹などで植えられているケヤキやクスノキに比べると、価格が数倍してしまうことや、木の特性上あまり高く伸びないことなどから、企業からのまとまった注文というのは、今のところほとんどないそう。



なぜオリーブを取り扱っているの?



オリーブといえば、スペインやイタリア、日本では、香川県の小豆島(しょうどしま)が有名だ。温かい地域で生育しているイメージがあるが、なぜ横浜でオリーブを扱おうと思ったのか、そのきっかけを聞いてみた。

「オリーブを扱い始めたのは、15年くらい前から。はじめはイタリアから小さい木を買い付けて、5年くらい取り扱ってみたけど、うまくいかなくてね。その後、スペインから仕入れるようになって10年くらい経つかな」とのこと。

現在では、全国的にも「オリーブといえば米屋農園」といわれるまでになるまでになったそうだ。
 


昨年スペインで買い付けられ、米屋農園で養生中のオリーブの木
 

「横浜の気候はオリーブに合うんですか?」と聞くと「うーん、分かんない」との返事。1000年以上も生きると言われるオリーブの木が、10年程度育ったからといって「合う」とはまだ言えない、ということだそう。

とはいえ、これまでにさまざまな試行錯誤があり、独自の生育ノウハウを持っていることは間違いない。「その辺は企業秘密だけどね。雪だけはやっぱり困る」とのこと。

そもそも、なぜオリーブなのか? 15年前に仕入れようと決めたきっかけを伺うと、小川さんは「飽きっぽい性格だから、人と同じことは嫌なんだよね」と笑い、いろいろなことをやってみて、そのうちのひとつがオリーブだったそうだ。

なんでも売れたバブルの時代から、売れない時代になり、海外からさまざまな樹木を輸入をしたり試行錯誤したり、いろいろ考えたりしているうちに、オリーブへ辿り着いた、ということのようだ。

今では毎年350本のオリーブの木を仕入れ、仕入れた数と同じくらいの本数が売れているとのこと。スペインからオリーブの木を仕入れるときは、小川さんが直接目で見て、仕入れる木を決めるそう。
 


スペインでの仕入れの様子(米屋農園ホームページより)
 

自宅の庭でオリーブの木を育てる場合は、年に3回の消毒が大原則だそう。「オリーブアナアキゾウムシ」というオリーブの天敵を発生させないためだ。



農園商売のベースは、土壌にあり



米屋農園では、1本1本の木に番号がついていて、ホームページ上ですべての写真を確認でき、注文できるようになっている。
 


真ん中の枝に白い番号札が見える
 

一つひとつ、とても大切に育てているという小川さんのこだわりを感じる。「実際に木を見たいという人はいつでも歓迎」とのこと。
 


「植木は生きもの。工業製品とは違う」と語る小川さん
 

最後に「木は、同じものを一気に大量生産することはできない。大きくなるまでに、数百年かかっている木をただ右から左へ流す商売ではなく、その年月や時代を理解してもらえる人に売っていきたい」と話してくれた。



取材を終えて



横浜駅からさほど遠くないところに、農園があったり畑があったり「横浜っていいな」と改めて感じた。他県の人の「横浜のイメージ」にはない、実状ではないだろうか。

園主の小川さんは「木を相手にしているので、季節の移ろいや地球温暖化、異常気象などを肌で感じる」と言われていた。工業ばかりに力を入れて、木を切って自然破壊が進むことにも危惧していた。そんな考えを持っている人が、横浜の自然を守ってくれているような気がして、心強く感じた。


―終わり―
 

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  • 我が家から数分の所にある米屋さん、オリーブの木はよく見ていましたので、てっきりオリーブオイルなどの販売をしているのかと…。近所でありながらあまりよく知らなかったので、ちょっと恥ずかしくもあります。

  • オリーブ大好きです。我が家にも去年苗木から育てたオリーブの樹木が2本あります。今年小さな花がたくさん咲きました。受粉を願って異種を植えました。日本ではオリーブ=小豆島と思っていたから、神奈川区の米屋さんの記事はびっくりです。楽しく拝読しました。レポートお疲れ様です!

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