経済効果に期待

全国でもプレミアムの付いた商品券が販売されているが、引き換えの際にトラブルが起きているケースも多々ある。横浜市の対応はどうなっているのか、横浜市市民経済局市民経済労働部商業振興課の椎葉秀幸（しいば・ひでゆき）課長に聞いた。
　

「恥ずかしいので」プレミアム商品券の見本に隠れたまま
　

同様のプレミアム商品券を販売した兵庫県宝塚市では、市民に広く販売することを目的に複数日に分けて販売を行った。しかし、1日当たりの販売枚数を限定したり、本来は市民しか買えないはずなのに、身分確認を怠ったことなどから、市外在住者が多数購入。商品券を入手できない宝塚市民が続出した。

また、青森県弘前市では子育て世代や低所得者がプレミアム商品券を購入する際に割り引きを行う措置をとったが、販売日が6月26日（金）の平日で即日完売だったことから「商品券が買えなかった」といった苦情が多く寄せられたという。
　

全国で購入時のトラブルが多発
　

上記の例のようなトラブルは見通しの甘さが大きな要因となるが、横浜市ではどのような想定をしているのだろうか。さらに椎葉課長に聞いた。

椎葉課長は「初日にある程度の人が詰めかけることは想定しているが、引き換え期間は週末を挟んで2週間あるので対応できると思う。また、申し込みの際に引き換え場所も希望を募っており、コンビニエンスストアなどもあるので、大きな心配はしていない」としている。
　

コンビニでの引き換えは午前9時から午後8時まで！
　

問題が想定されるのは引き換え時だけではない。商品を利用して買い物をした際、商店に現金は残らない。このため、特に個人商店では資金繰りが困難になることも予想される。

その点について追及すると「現金化できるまで最速で1ヶ月弱程度と想定している。ただ、商品券の利用可能店として参加してもらう際に、そのような説明はしてあるので、理解していただいた店舗のみが協力していただけていると思う」との答えだった。

また、商品券のデザインに当たっては、偽造の防止のためホログラフデザインに組み込んだほか、コピー防止専用紙を使用するなどの工夫を施している。
　

商品券にはさまざまな工夫が
　

その上で、椎葉課長は「4ヶ月ほどの利用期間で約115億円が横浜市内で消費されるという経済効果に期待している。商店街だけで使える商品券もあるので、たくさんの商店街に足を運んで魅力を再発見してほしい」と話している。

取材を終えて

「よこはまプレミアム商品券」は、政府が2014（平成26）年末に打ち出した地方の経済支援策である「地域住民生活等緊急支援のための交付金（＝地方創生交付金）」で全額まかなう。そのため、横浜市が経済的な負担をすることはない。

大きな目的は消費の喚起と商店街の利用促進だが、一時で終わってしまっては意味がない。

協力店も、再度足を運んでもらえるような魅力ある店づくりをすることで、横浜全体がさらなる活気のある街になってほしいと思う。

ちなみに、商品券のデザインの一部にはコピー防止のための「マイクロ文字」が施されているので、手に取った人は探してみてはいかがだろうか？

なお、この制度の状況は、利用が開始された後で、再度報告していく。


―終わり―
　
よこはまプレミアム商品券コールセンター
電話／0570-022-118
営業時間／10:00～17:00（土日祝日、12月30日～1月3日休み）