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保土ケ谷スポーツセンターの裏山にある監視カメラが設置された立入禁止の謎のエリアの正体は?

ココがキニナル!

保土ケ谷スポーツセンターの裏山に立入禁止の『謎のエリア』がある。階段と公園?の様なものが目視でき、監視カメラがある。多摩丘陵の緑地の可能性もあるがビール坂で分断されている。(choberyさん)

はまれぽ調査結果!

以前所有していた野村不動産から、神奈川県に寄贈された普段は立入り禁止の土地。水田を作り生態系を再生させるプロジェクトなどが行われている。

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ライター:小方 サダオ

親子むしとり大会が開催!(つづき)



さて、今回の虫取り大会の案内役は、神奈川県野生鳥獣保護観察指導員の神保賢一路(じんぼ・けんいちろ)さんだ。
注意事項や桜ヶ丘緑地の特徴に関する説明などが終わると、ついに開始の合図が告げられた! 数十名の親子連れがいっせいに田んぼの周囲に散り、猛暑の中、白熱した虫取りバトルが開始されたのだった!
 


開始の合図とともに参加者が緑地内に散った
 

横浜の真ん中とは思えない、里山の風景が再現されている


緑地内には、区分けされた水田が作られていて、これが昆虫の生息地となっているという。
参加者が名づけたものだろうか、それぞれ名称があり、上流からの湧き水がプールに貯められた後、各水田に流れ込むようになっている。
 


星っ子水田と名づけられた水田
 

山の上から水が流れてくる
 

その水がいったんプールに貯められる
 

プールに貯められた水がそれぞれの水田に流れ込む


水田はボランティアによってきれいに整備されていて、この環境が生き物の生息に適しているのだろう。
 


メダカの生息に適した池のようだ
 

サワガニも生息している
 

カブトムシの幼虫が棲みやすい朽ちた樹木


さて虫取り大会に目を移すと、子どもたちが中心になって、水田の上を飛び回るトンボや蝶をめがけて網を振るが、優雅な様子で飛ぶ蝶でもなかなか捕まえるのは難しい。しかも一度取り損ねると、危険を察知してか、はるか上空へ飛んでいってしまう。チャンスは一度きり、と言った感じなのだ。
 


トンボを捕まえた男の子


また蝶よりトンボの方が数が多いからかもしれないが、何匹ものトンボをかごの中に入れている子どもたちがいた。スピードは速そうだが、意外と捕まえやすいのかもしれない。
 


池の上を飛ぶトンボを待ち構える子どもたち
 

神保さんに捕まえた生き物を見せる参加者


ここで神保さんにこの場所と生き物の生息に関して伺うと「依頼されて、年に1回虫取り大会の案内役のボランティアを行っています。ここには斜面林や沼地、田んぼなどの谷戸の自然が、コンパクトに残されていて、生き物の生息地としては理想的です」と答えてくれた。
 


斜面林など谷戸の自然が残されている貴重な場所だという
 

桜ヶ丘緑地は、虫を呼ぶ果樹ゾーンなど細かく区分けされている
 

トンボの種類が示された図鑑


筆者が最近、横浜の街中で珍しい蝶を見かけた、との話をすると「温暖化の影響でしょうか、昆虫の生息環境が変わってきているようです。最近は九州地方から北上してきたナガサキアゲハなどを横浜でも見かけます。また、大陸の中国や朝鮮半島などに生息するアカホシゴマダラなどの外来種も関東で広まっています」と答えてくれた。

制限時間の終了直前、一匹の黒アゲハのカラスアゲハが水田に近づいてきた。「これが採れれば一等賞だぞ!」と神保さんが鼓舞する。1人の男の子がチャレンジするも、惜しいところで取り逃がし、はるか上空へ・・・、かくして虫取り大会は終了した。

その後参加者の採集した数などが集計され、参加者たちの前で結果発表が行われた。
 


採集した昆虫の集計中


最初に3つの特別賞が発表された。
 


参加者たちが集まり結果発表が行われた


1等はコオニヤンマを採った男の子だった。
 


貴重な種であるコオニヤンマを採った男の子が一等だった
 

コオニヤンマについて解説する神保さん


「環境が整っていないと育たない貴重な種です。桜ヶ丘緑地に棲んでいるのを見つけてくれたことに感謝したいです」と解説した。
 


鮮やかな黄色が映えるコオニヤンマ


2等はアカボシゴマダラ(チョウ)を採った男の子だ。
「この種は本来、中国や朝鮮半島などで生息していますが、人為的に放たれ生息域を広めています。この場所で確認できたことは、モニタリングとして意味があります。またこの外来種が増えた影響で、在来種であるゴマダラチョウなどが少なくなっているのです」と神保さん。
 


アカボシゴマダラを採った男の子
 

アカボシゴマダラ(翅〈はね〉に赤いまだらがあるのが見分けるポイントだとか)


3等、4等発表の後、バッタやトンボを16匹も採った子どもには”たくさん採った賞”が贈られた。
 


バッタやトンボをたくさん採った子どももいた


賞をもらった子どもたちは、それぞれ好きな昆虫関連の書籍を商品としてゲットしていった。

神保さんは「横浜に近く、この狭い場所の中に環境が整っている場所は希少です。ここを皆さんと一緒にナショナル・トラスト運動で守る、いわば横浜のパワースポットといってよい場所です。そこを管理しているボランティアに感謝しましょう」と締めくくった。

最後に捕まえた虫たちを緑地に帰して「親子むしとり大会」は終了した。