社員食堂で発生した食中毒事件、多店舗への影響は?
ココがキニナル!
神奈川県をはじめ1都3県で起きた食中毒事件、どんな業態の店舗で起こったのですか?
はまれぽ調査結果!
9月27日現在、一般企業の社員食堂だけで症例が確認されています。11事業所で合計452人の方に食中毒と思われる症状が出ています。
ライター:河野 哲弥
「エームサービス関東」の業務提供範囲と食中毒の関係
(続き)
では、食材の管理に問題はなかったのだろうか。
氏によれば、国が定める加熱や洗浄の基準は厳守しているとのこと。
それでも食中毒が発生したことについては、「O148がすり抜けている」という表現を使っていた。
また、厳守しているとはいっても、各担当者がそう証言しているだけで、明確に証拠として残っている訳ではないそうだ。
このため、調理場の洗浄・消化、社員への衛生教育(記録として残すことを含む)、開封済み食材の破棄などを改めて徹底し、再発防止に努めているとのこと。
なお、市保健所では、同社のこうした改善をふまえ、各事業所に順次営業再開を認めている。
神薗氏は最後に、納入業者に原因の一端があるにしても、最終的に被害に遭われた方に調理を提供したのは同社であり、誠に申し訳なく感じていると話していた。
社員食堂を委託している企業は、一連の事件をどう感じているのか
取材当日の27日、ちょうどその日に社員食堂の営業を再開したのが、18日付けの市保健所の発表にあった栄区の芝浦メカトロニクス横浜事業所。
社内への立ち入りは禁止とのことだが、電話取材は受けてくれた。
芝浦メカトロニクス横浜事業所外観
対応頂いたのは、経営管理部の寺井さん。
「エームサービス関東」とは10年ほどのつきあいがあり、今までこうした事件もなく、同社には信頼を寄せていたそうだ。
前回取材した都筑区の図研も、同様の印象を持っていたことを思い出す。
また、事件の概要については、記者発表が行われる前に同社から説明があったとのこと。
再発防止策も含め、誠実な対応を取って頂いたので、取引をやめることなく営業を再開したと話す。
社員の間にも、再開について特段危ぶむ声はないそうだ。
事件は終息に向かっているのだが
ここで改めて、冒頭の症例数を振り返ってみる。
今回、同社が原因で食中毒となった患者は1都3県の合計で452人。
横浜市内で、今年になってから9月18日までに発症した食中毒患者の数が423人(市保健所調べ)であることを考えると、いかに規模が大きいかが分かる。
ちなみに、昨年同時期の患者数は162人となっている。
あえて言えば、今年は食中毒が発生しやすい年なのかもしれない。
その原因については個々の事情があるだろう。
節電の影響かもしれないし、不景気による経費削減が関係しているのかもしれない。
幸いにしてこれから涼しい季節となっていくが、食を扱う企業各社にはくれぐれも安全を留意してほしい。
そして、私たちも身近なところから気をつけていきたい。
―終わり―