かつて紅葉坂にあったプラネタリウムとは?
ココがキニナル!
青少年センターに昔プラネタリウムや科学館が有り、入口に制服着た喋るマネキンが立ってて不気味だった/プラネタリウムの機械はレアらしい。プラネタリウムの機械の今は?(マイコデラックスさん/白マントさん)
はまれぽ調査結果!
プラネタリウムと科学館は、2003年の耐震補強のリニューアル工事時に閉館となり、プラネタリウムとしゃべるロボットなどは処分になった。
ライター:橘 アリー
昭和の懐かしさ漂う展示品がいっぱい!
オープン時は、1階のホールと2階以上のフロアーの出入口は違っていて、2階以上へは外の階段を上って出入りするようになっていたとのこと。しかし、それでは不便だということになり、オープンから5~6年後に改修工事が行われ、1階の室内階段で2階へ行けるようになったそうだ。
現在の1階出入り口の様子。リニューアル前と同じ位置
投稿には「入口左側に」とあったので、しゃべるマネキンロボットがあったのは、図の赤丸の辺り、だろうか。
このロボットは、1962(昭和37)年の施設オープン時から5~6年経った1967(昭和42)~1968(昭和43)年ごろ設置されたそうである。
施設の案内役として設置された ロボットは、特に名前はなく、ガラスのケースに入っていて、宇宙服を着ていたそう。そして、「ようこそ、青少年センターへ」というようなことをしゃべっていたという。
当時も、キニナル投稿にあるように“ちょっと不気味”という声もあったようだが、途中で撤去されることはなく、リニューアル工事が行われるまで設置されていたが、工事の際に処分されたそうだ。残念なことに、写真も残っていないとのこと。
そこで、インターネットで見つけた写真を元に、イラストを描いてみた。
ロボットのイラスト
プラネタリウム入口のイラスト
なお、科学館には、63の設備が展示されていた。
いくつか紹介すると・・・
放電球。ガラス球体に幻想的な光が放電する様子を観察できる
テレビ電話。現在のスカイプ(インターネット電話)の前身のようなものか
サイエンスボーイ。可愛いロボットである
ソーラーカー。自動車というよりも、ポップなUFOのように見えないだろうか
どれも、今の時代には古い様子であるが、昭和の懐かしさが漂い、もう見ることができないのが残念である。これらの設備は、リニューアル工事で撤去された後、処分されてしまったそうだ。
続いて、プラネタリウムについて。
世界初の全自動操作のプラネタリウム!
プラネタリウムでは、開館から閉館になるまで、毎月違った話題(テーマ)でプラネタリウムを上映していた。
こちらが、プラネタリウムの最初のリーフレット
プラネタリウムのドームの直径は10メートル、株式会社五藤光学研究所(ごとうこうがく)が作ったもので、最初は手動で操作する機械だった。しかし、開館から10年後の1972(昭和47)年に、全自動で投影ができる機械に更新された。
これが、キニナル投稿にある“かなりレアな機械”というもののようだ。
高橋さんによると、その当時、全自動で投影できるプラネタリウムの機械は世界初であったそうだ。
リニューアル工事前の屋上。茶色の円筒状のところがプラネタリウム
この機械の導入後、数年は全自動操作のまま使われたが、話の展開が毎回同じになるので、中学校などの体験学習がある平日は、手動で操作し、職員が解説しながら投影を行っていたとのこと。
プラネタリウムの入場者数も、1970年代のこの機械が使われていた時が一番多く、年間で11万人を超えた年もあったようだ。
横浜市内や川崎市でもプラネタリウムがオープンし、ちょうどブームにもなっていた時代だった。
プラネタリウムがあったころの外観。プラネタリウム壁面に「プラネタリウム」の文字が見える※クリックして拡大
やがて、1982(昭和57)年に、投影する内容の機械の更新が行われた。
これまでは10年毎に更新するようになっていたが、このころになると機械の性能も良くなり、この機械は2002(平成14)年まで使われ、その後は処分されたそうだ。
取材を終えて
これで、マネキンロボットとプラネタリウムは、神奈川県立青少年センターがリニューアル工事の時に処分されたと分かったが、この施設での役目を終えた後、第二の人生を送ることができたモノもあった。
それは、この天文室にあった
こちらの天体望遠鏡
これは40年間、神奈川県立青少年センターで使われていたものだが、電子部品が使われていないため、手入れをすれば長く使えると考えられた。
そこで、1992(平成4)~1993(平成5)年当時、環境庁の調査で最も星空がキレイに見える場所「星空の日本一」に認定された、岩手県奥州市衣川区に寄贈されることになった。
青少年センターの職員が、教員時代に修学旅行でこの地を訪れたことがあるという縁もあったようだ。
―終わり―
取材協力
神奈川県立青少年センター
住所/横浜市西区紅葉ケ丘9番地の1
開館時間/9時から17時(ホール・多目的プラザ・練習室は、予約がある場合のみ22時まで。)
休館日/年末年始(12月28日から1月4日)、月曜日(管理課、指導者育成課、青少年サポート課、科学支援課)
入場料/無料
アクセス/
JR根岸線「桜木町駅」北改札西口から徒歩約8分
横浜市営地下鉄線「桜木町駅」から徒歩約10分
京浜急行線「日ノ出町駅」から徒歩約13分
みなとみらい線「みなとみらい駅」から徒歩約20分
てっくさん
2016年06月02日 14時17分
すごーくすごーく好きで、何度も親に連れて行ってもらいました。ここのプラネタリウムはレベルが高かったです。ロマンスは求めちゃいけません。はい。とても科学的な内容でした。今、あちこちにあるプラネタリウムはおもしろくないったら!! 夫すみません。 なのに、自分が親になって子どもを連れて行った時のショックったら(T T)科学館だけでも…。はまぎんに引き継がれてしまったような感じでさびしいです。
マッサンさん
2016年05月25日 13時43分
そういえばあった!笑
ねむねむさん
2016年05月25日 10時58分
本当に懐かしい。レポートありがとうございます。70年代の夏休み、祖父に何度も連れて行ってもらいました。階段に並んでプラネタリウムの開演を待っていたのを思い出します。1階の展示では、玉が転がって穴に吸い込まれるように落ちていく、ブラックホールを模したものが印象に残っています。改装されたのは残念ですが、横浜では容易く貴重な建築が壊されてしまっているので、とにかくこの近代建築の傑作が残っていることが嬉しいです。