湘南モノレール550形551編成、6月26日のラストランの様子は?
ココがキニナル!
6月26日でラストランを迎えた湘南モノレール551編成。イベントも多く行われていたようですが、当日の様子はどうだったの?(はまれぽ編集部のキニナル)
はまれぽ調査結果!
1988年に登場した湘南モノレール500形が完全引退。最後の551編成は運転席のある前面を残すカットモデルで保存。今後は5000系のみによる運行となる
ライター:紀あさ
500形551編成ラストランの1日
551編成のラストランを見届けるために訪れたのは、湘南モノレール大船駅。
改札にはラストランのお知らせ
ホームには、既に引退したほかの500形 のラストラン時のヘッドマークなどの展示
この日、大船駅発が午前9時30分以降、最終午後0時37分までの551編成に乗車した人には先着1000名に乗車記念として551編成ラストランC型硬券「乗車証明書」をプレゼントとのことだった。
午前9時ごろには、すでに証明書希望者の長い列
いち早くゲットした少年たちに証明書を見せてもらった。
(左から)あつしくん、りょうたくん、こうせいくん
モノレールで小学校に通っているという3人は午前8時から並んだそうで、証明書のシリアルは20番台。
駅の外で走行中のモノレールの写真を撮っている人にも声を掛けてみた。
大田区から来た井上拓己(いのうえ・たくみ)さん(26才)
「1991(平成3)年生まれの551編成と、1990(平成2)年生まれの僕はほぼ同い年なんです。これで終わりという実感は湧かないです。5000系はいろんな色の車両が出てきているので、新しくていいけど、全部変わってしまうと寂しい。昔からのいいところも残しつつ、新しくなっていってほしい」という井上さん。
井上さんのショットは大船観音と551編成
午後0時20分、551編成ラストランセレモニーが始まった。
湘南モノレールのオフィシャル・サポーターDJ・HAGGYさんの司会
ここで、尾渡社長からの一大発表。
「551編成を保存することにしました」
場内からは歓喜のどよめき。車両全体ではなく、運転席のある前面だけを残した「カットモデル」に形を変えて、数ヶ月後に湘南深沢駅近くの車両基地に戻ってくるとのこと。
基地に戻ってきた後は、駐車場など誰でも見られる場所への設置を検討したいという。これまでの300形400形は残されていないため、画期的な発表だった。
大船駅の西野駅長の見守る中、倍率40倍で選ばれたこども駅長の出番
ひろやくん(5才)と、湘南モノレール初の女性駅長ことみさん(11才)
ひろや駅長は、湘南モノレールが大好き。ことみ駅長は、下を見ながらくねくね走るスリルが遊園地みたいで楽しくて、やっぱりモノレールが大好き。
ラストランを担当する山下車掌(左)と池内運転手に花束贈呈
車掌の仕事は500形で覚えたという山下車掌は「正直、今すぐ逃げ出したいくらい緊張してます」とのこと。
一方、自らラストランを志願したという池内運転手は500形で運転免許をとったそう。「これで乗れなくなるのはさみしくなるけれど、これからも安心安全な運転に努めます」とやや震えた声で言う。
司会のDJ・HAGGYさんが「手も足も震えてますよ」となごませると、尾渡社長が「安全に運行してくださいね」と優しい声をかけた。
そんな4人のうしろから、551編成、最後の入線
筆者も列車に乗り込んだ。
プォーという警笛とともに、モノレールが走り出す。音に呼応するかのように、車内で誰かが「ありがとう」と叫ぶ。
見送る人たちと大船観音に見守られ、出発
「本日は湘南モノレール500形最後の運転にご乗車いただきましてまことにありがとうございます。この電車は途中駅の湘南深沢駅におきまして、車庫からまいります5000系電車との車両の交換をさせていただきます。湘南深沢到着まで湘南モノレール500形をお楽しみください」
身動きがとれないほどではないが、かなりの乗車率
先頭車両の車内では「500形がいなくなったらさみしいと思う人!」「はーい!!」と、独特の盛り上がり。
ここで500形に関する簡単な説明があった後 「500形は本日を持って引退となります。これからは5000系車両のみとなりますが、引き続き湘南モノレールをどうぞ宜しくお願いいたします」とのアナウンス。
これに対し「ありがとう」の繰り返しと拍手が起こる。
車窓には創業時に株主だった三菱電機の工場も
何気ない風景の中を走るのも、これが最後
「ご乗車ありがとうございました。まもなく湘南深沢でございます。本日まで28年間、湘南モノレール500形をご利用いただきまして、まことにありがとうございました。湘南深沢、この電車、当駅終点でございます」
約5分間の、ラストランだった。
最後の乗客を降ろす
ここから近い深沢車庫へ向かう551編成をホームから見送る人たち
下から見上げて見送る人も
車両が小さくみえなくなるまで
みんなその場を動かない
めいめいの思いのたけが叫ばれる。
「500形一生忘れません」「忘れてたまるか」「おつかれさま」「愛してるよ」
そしてカメラを構えたり、手を振ったりしながら、姿がみえなくなるまで「ありがとう」と言い続けていた。