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戸塚区の山谷交差点から延びる桜木東戸塚線が開通しない理由とは?

ココがキニナル!

平戸桜木道路と国道1号線がぶつかる山谷、もう何十年も前にトンネルが掘られていると思いますが今どうなっているのでしょうか。(bubukaさん/はなっこさん/boyoさん)

はまれぽ調査結果!

桜木東戸塚線の平戸地区は、トンネルなどの築造が必要になり、高額な事業費が必要のため、現在進め方を調整中。2025年度めどに完成を予定している。

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ライター:小方 サダオ

周辺住民の語る“桜木東戸塚線平戸地区”について

山谷交差点近くにあるお店の店員に伺うと「このあたりの国道1号線は渋滞するから、開通すれば渋滞緩和にはなるでしょう」という。

次に医療関係のお店の店主に伺うと「約50年前から、山谷交差点から名瀬のほうへとつながる話はありますが、名瀬のほうに行く必要はあまりありません。この道が開通するとJR東戸塚駅に行くときに便利ですが、この道路より必要性が高かったからか、先に環状2号線が出来ましたね」とのこと。
 


東戸塚駅方面へは環状2号線(赤線)を使う人が多い(Googlemapより)


環状2号線に合流すると国道1号線の渋滞に遭いやすくなる

 
続いてトンネルが通ると思われる山谷交差点近くの山の上の住民に話を伺う。

山の上に住む男性に伺うと「私たちは1959(昭和34)年からここに住んでいます。山谷交差点からの道路は、最初は切通しの形でこの近くを通ると聞きました。しかし、1995(平成7)年にトンネルの形で通すことになり、開口部の工事を始めました。それに伴ってこの山の上でも立ち退いた家がありました」
 


山谷交差点近くの山の上の住民がいるあたり(青枠)(Googlemapより)

 
「またこの向かいの山では、東戸塚あたりの住人と果樹園を営むの人たちが『地下の湧水の枯渇の可能性があり、果樹園に影響する』と反対していました。また果樹園は緑地保存の関係もあり、工事がやりづらくなったそうです」という。

次に山を下り、ふもとに住むある地主に伺うと「桜木東戸塚線の計画の後、環状2号線が先に出来ました。環状2号線の完成後、自宅前の農道を広くすることになりましたが、国道1号線や環状2号線の抜け道になってしまい、すごいスピードで飛ばす車が増えました。農道が危険な道路になり、良いことはありませんでした」
 


桜木東戸塚線が通る、山のふもとあたり(緑枠)(Googlemapより)


道路の建設予定地

 
「東戸塚駅に行く用事はありますが、この場所からだと国道1号線に出ないで抜け道を使えば、5分で行けるます。そのため、道路が出来ても山のふもとの人は使わないでしょう」

「しかも予定では、この山のふもとあたりは高架で道路を通すようです。そうすると、ここからは合流できないので、ただの通過点になり、この山のふもとあたりの人にはメリットはありません。そのため、道路建設には反対したい気持ちなのです」
 


高架道路が通る予定で周辺住民には使いづらいものになるという

 
「さらに道路に隣接すると思われるアパートなどは日陰になり、誰も住まなくなるのではないでしょうか?」
 


予定地の隣りのアパートは高架のために日陰になるという

 
「しかしその道路が出来るとこの前の道が一方通行になる、と聞いたことがあり、そうなると交通量が少なくなり助かりますね」とコメントしてくれた。
 


道路が開通すると一方通行になるという山のふもとの道(緑矢印)(Googlemapより)

 
そして東戸塚方面の山を上り、地下をトンネルが通る予定という果樹園の経営者に話を伺った。
 


果樹園が広がる(紫枠)東戸塚方面の山の上あたり(Googlemapより)

 
果樹園に関して「この『平戸果樹の里』は、横浜市の農業専用地区に指定されている場所になります。約7軒の農家があり、約8ヘクタール(8万平方メートル、横浜スタジアム約3個分)ほどの農地があります」
 


山の上に広がる平戸果樹の里


果樹園近くにある平戸中学校のグラウンドあたりも予定地に入るという

 
「ここは、以前、市街化区域(市街地として積極的に整備する区域)でしたが、その後、市街化調整区域(市街化を抑制する区域)へ都市計画が変更された珍しい場所です」という。

道路工事が止まっていることに関して伺うと「ここが市の農業振興地域のため、開発がしづらいのかもしれません。また最近は自然災害が多いため、土砂崩れなどの原因になる可能性もあります。そういった可能性もあるので、あまりトンネルのような穴を掘らないようにしているのではないでしょうか」とのこと。
 


横浜市の農業専用地区に指定されている区域だ

 
「果樹園の関係者が建設に反対している」という意見があるについて伺うと「以前、父と一緒に道路建設に関わる会合に出たことがあり、トンネルを通した際に、果樹園への影響などの調査にも協力したことがあります。そんなこともあり、特に反対はしていません。こちらとしては通っても通らなくてもどちらでもいいと思っています。最近は市のほうで道路の話しをしに来なくなりました。事業費がないからなのではないでしょうか?」
 


トンネルを建設した際の果樹園への影響調査が行われたという

 
「また市は、反対している住民の場所を避けて道路を通したり、やるとなったら何らかの方法でやり通すのではないでしょうか?」と答えてくれた。

続いて、近くにあるほかの果樹園の関係者にも話を伺ってみた。

平戸中学校の近くの果樹園の責任者に伺うと「ここにも市が道路建設の測量に来たことがありますが、その後は何も言ってきませんね。どちらにしてもこの場所の下には通らないようなので、うちは気になりません。また、事業を開始したころはバブル時期だったので、その後不景気になり予算が回らなくなって計画が止まったのではないでしょうか? 通ることになったとしても、公共事業だから反対してもしょうがないんじゃないでしょうか?」という。
 


ほかの果樹園でも道路建設の測量が入ったという

 
さらに東戸塚駅寄りのある果樹園の関係者に「地下湧水の枯渇」に関して伺うと「根の下にトンネルを通すのですから上の樹木に、影響があったら困りますね。この果樹園の下を通ることになったら、私は果樹園の将来に不安を持ちますね」とコメントしてくれた。
 
そして環状2号線近くに農地を持つ女性は「以前は道路建設でこの農地も削られる予定だったようですが、最近は道路建設の話は来ていません」とのこと。
 


果樹園の下をトンネルが通る場合に不安を感じる人もいる

 

平戸果樹の里の看板


昔は東海道の街道筋だったという

 
農業専用地区について、横浜市のホームページによると、横浜の人口が急増し始めた昭和30年代以降、無秩序な開発が進み、市内の農地は急速に減少したという。そこで横浜市では、1965(昭和40)年に、計画的な土地利用施策を展開するため、横浜市独自の農業専用地区制度を設けた。そして、この制度の一環として、1980(昭和55)年度に平戸果樹の里は、市街化区域から市街化調整区域へ変更されたとあった。

道路建設に伴うトンネル建設により、この市街化調整区域内の果樹園に影響を与える可能性はないのだろうか。また、地下をトンネルが通る予定の果樹園の経営者は「反対はしていない」とのことだったが、道路建設の話が現実化すると果樹園への影響はやはりキニナルところだろう。
 


平戸果樹の里